ポジティブ思考になる方法は、壁にぶつかること。「心的外傷後成長」という "壁の向こう"

何か一つのことをつづけていると、ときに大きな壁にぶつかることがあります。例えば、昨日まで簡単にできていた仕事で突然ミスを連発してしまったり、どんなに考えても解決策が見えない問題と出合ってしまったり。あるいは、急にアイデアが浮かばなくなったり、仕事のクオリティが保てなくなったり。壁がどんな種類であったとしても、このような壁が立ちはだかっているときはいつも苦しいですよね。

しかしながら、壁を乗り越えるためには、その苦しい時間を悲観してはいけないそうなのです。経営の神様と呼ばれた実業家、松下幸之助氏は次のように述べます。

人生でも、経営でも、絶望が、いちばんあかんな。道はある。まあ、行き詰まっても、行き詰まったと考えたらあかん、ということやな

(引用元:東洋経済ONLINE|松下幸之助は壁にぶつかっても楽観的だった

今回は、目の前の壁を乗り越えたいあなたが、ポジティブになれるかもしれない事実を紹介します。

誰もが壁にぶつかり、誰もが壁を乗り越えられる

まず心に留めておきたいことは、壁にぶつかることは誰にでもあることだが、壁を乗り越えることもまた、同じように誰でもできるということ。

松下幸之助氏はどんな壁にぶつかっても、必死に壁を越える方法を考え続けることで、何度も苦難を克服してきたと言っています。

また、ホームラン王として知られる王貞治氏も、現役時代に深刻なスランプに陥ったことがありました。その時は打席に立つことさえも怖かったのだそう。しかしながら、王氏もそのスランプを乗り越えた経験者。どんなスランプであっても必ず抜け出すことはできる、王氏はそう語っています。

彼らのように私たちも、どんな壁であれ乗り越えようとさえし続けていれば、困難を乗り切ることができるのです。

苦しい時間は私たちを大きく成長させることを知ろう

目の前に立ちはだかる壁は、私たちをいたずらに苦しめているわけではありません。壁を乗り越えようとする過程は、私たちの成長にとって必要なことなのです。

心理学の研究分野の一つにPTG(心的外傷後成長)というのものがあります。PTGとは、トラウマや苦しい環境を乗り切ることによって、多くの人にポジティブな変化が表われる現象のこと。多くの心理学者たちの研究によると、

心に大きなダメージを受けた後、それを乗り越えた人の70%が、何らかのポジティブな心理的成長を遂げているとわかっている

(引用元:THE HUFFIGTON POST|つらく苦しい経験をした人こそ、大きく成長できる理由

のだそう。これは、苦しい状況に置かれた人は、その状況を乗り越えるために、今まで築いた自己を壊し再構築することになるから。例えば、「上司から厳しく叱責されることで、ミスしないように一層気を付けるようになる」「ハードなスケジュールをこなそうとして、タイムマネジメント能力が磨かれる」といったことが挙げられます。

なかなか成果が出ない、ミスが続く、パフォーマンスが上がらない、といった苦しい状況を「どうやったら抜け出せるのだろう」と必死に考えているとき、私たちは成長するための方策を懸命になって模索しているのです。「神様が与えた試練」という表現がありますが、まさに言い得て妙ですね。

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苦しい時間もあなたの心ひとつで楽しい時間に変わる

ポジティブな言動で知られる元プロテニスプレイヤーの松岡修造氏は、苦しい時でもポジティブに楽しむことによって、私たちは苦しい瞬間を乗り越えることができるのだと述べます。

いいアイデアが浮かばなかったり、難解な本を読んでなかなか理解できないときに『やったー! 俺の脳、いまブルブル震えて喜ぼうとしているよ!』と思うようになりました。 バカだなと思うかもしれませんが、僕はそう思うと、いいアイデアがどんどん浮かんできます。本を読むスピードも速くなります。

(引用元:現代ビジネス|今日からお前は富士山だ! 『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』

ポジティブの代名詞と言われる松岡氏を真似て、どんな時でもポジティブでいようとすることは大変かもしれません。しかし、私たちは心持ちひとつで、つらい時間を少しでも楽しめるようになるのです。

幕末の志士・高杉晋作と、同じく幕末の女流歌人・野村望東尼は、次のような句を残しています。

「おもしろきこともなき世をおもしろく住みなすものはこゝろなりけり」

上の句が高杉晋作によるもので、下の句が野村望東尼がつけたものだと言われています。前半部分の「面白くない世の中を面白くしよう」という部分が特によく知られていますが、大事なのは後半部分。「それは心次第でできるもの」と続き、前半だけとはガラッと意味が変わるのです。

彼らが言うように、心持ちひとつでつまらない世の中を面白くできるならば、苦しい時間もきっと楽しくできるはずです。

*** 壁はいつか必ず乗り越えられますし、乗り越えられたときには、今よりもっと成長した自分になることができます。ですから、高い壁にぶつかっても決して諦めず、挑戦していきましょう。

(参考) 東洋経済ONLINE|松下幸之助は壁にぶつかっても楽観的だった THE HUFFIGTON POST|つらく苦しい経験をした人こそ、大きく成長できる理由 KAIGO LAB|つらい経験をした人は、大きな成長ができる?心的外傷後成長(PTG)について。 現代ビジネス|今日からお前は富士山だ! 『松岡修造の人生を強く生きる83の言葉』 Wikipedia|高杉晋作 Wikipedia|王貞治 EWord|抜けられないスランプはない Wikipedia|辞世

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