脳の特性を活用せよ! 京大生が教える『科学的な復習方法』4選

皆さんは、「復習」をどのように取り組んでいますか? 仕事や勉強で覚えなければいけないことに追われてしまうと、復習しても完璧には覚えきれないのではないでしょうか。

復習とは、ある事柄を脳に記憶するということ。つまり、脳の特性を正しく活用すれば、より効率的な復習が期待できるのです。そこで今回は、復習の効果を高める科学的な方法をご紹介したいと思います。

復習はやり方次第

「復習は時間をかけてやれば良い」

そう考える方もいらっしゃるかもしれませんね。確かに、多くの時間をかければその分情報を脳に刷り込みやすくなるのでしょうが、ただ時間をかけるだけでは高い効果は期待できません。

東京大学で脳の研究を行っている池谷裕二教授は、脳の仕組みについて以下のように述べています。

脳の仕組みや、記憶のメカニズムを知ることで私たちは効率よくものごとを記憶できるようになります。ルールを理解してから練習に励めば早く上達する――スポーツの練習と同じですね。

(引用元:WAOサイエンスパーク|こうすれば記憶力は高まる!~脳の仕組みから考える学習法

脳には脳の仕組みがあります。うまくやればそれだけ効率的に学習できますが、仕組みに逆らえば学習の質を落としてしまう一因になりかねません。これまで復習の効率を考えていなかった方はもちろん、考えていた方も、次の章から順にお教えする4つの方法を取り入れ、短時間でしっかりと記憶できるようにしていきましょう。

1. 復習4回で脳をだます

池谷教授によると、脳の中で記憶を司る海馬は、「生きていく上で不可欠な情報」だけを取捨選択して長期間記憶するそうです。私たちが勉強した内容は必ずしも生きていく上で必要なものばかりではないのですが、復習を繰り返すことで海馬は「この情報は必要なものなのだ!」と勘違いし、覚えてくれるようになるのだとか。

そして、池谷教授によれば、適切なタイミングで復習を行えば、たった4回するだけで海馬は騙されてくれるというのです。具体的には、学習した翌日、その1週間後、さらにその2週間後、そしてその1か月後の計4回です。

少しずつ間隔をあけて復習することが大切ですので、スケジュールを組んで取り組むようにしましょう。科目や単元にもよりますが、頻繁に復習したからといって必ずしも記憶が定着するというわけではないようですよ。

2. 興味を持つ

学生時代に好きな科目はテストの点数が高かったり、好きなアイドルグループのメンバーの名前はすぐに覚えられたりしませんでしたか? これは、海馬が出すシータ波というのが要因です。シータ波は、ワクワクやドキドキを感じている時や、好きなことをしている時に海馬から出るのだとか。そしてシータ波が出ている状態の海馬では、通常の10分の1程度の労力で物事を記憶できるようになるそうです。

復習をする前に、その知識が社会のどのようなところで活かされているのか、勉強したらどのように役立つのか、といったことを調べてみると、より興味を持って、効率的に記憶できるようになるでしょう。

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3. 睡眠時間をしっかり確保する

睡眠時間を確保することは、効率的に復習する上で非常に大切です。私たちが睡眠をとる際には、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの質の異なる睡眠のサイクルが回っています。このうちのノンレム睡眠における脳の働きが、記憶にとってとても重要なのです。

実はノンレム睡眠時の脳の働きは、1回の睡眠のうちの何度目のサイクルなのかで大きく異なります。一般的に1~2回目のノンレム睡眠では、脳は「嫌な記憶」を消去するよう働いています。そして3~4回目以降のノンレム睡眠で、脳は物事を記憶する作業に入るのです。

レム・ノンレム睡眠のサイクルは1回が約1時間半といわれていますから、このようにノンレム睡眠を利用して記憶するには、少なくとも4時間半以上寝なければいけないという計算になりますね。昼間の勉強で得た知識をしっかり定着させたいのなら、6時間、あるいは7時間半は睡眠時間をとると良いでしょう。

復習に時間をかけているのになかなか知識が定着しないという人は、いくらか睡眠に時間をまわしてみてはいかがでしょうか?

4. 青ペン書き殴り勉強法で復習する

こちらの記事「現役京大生が実践! 「青ペン書きなぐり勉強法」×「万年筆」のすごい効果。」で紹介された青ペン書き殴り勉強法は、復習にぴったりの勉強法です。やり方はシンプルで、「青いインクのペン(万年筆推奨)で大きめのノートに覚えたいことをひたすら書く」というもの。

青色はストレス軽減に効果のあるセロトニンという物質の分泌を促進するため、より長い時間勉強に集中しやすくなります。また、書き直しのきかないペンを使用することで、書き間違えた場合など、勉強内容の印象が強く残りやすくなるのです。万年筆を使うことで手の負担も軽減され、よりストレスを感じずに学習できるようになります。

復習をする際には、ぜひ青色のペンを使うようにしてみてください。

*** より効率的な学習は、学生であっても社会人であっても有用なものであると思います。この記事を参考に、皆さんも自分なりの復習のスタイルを見直してみてはいかがでしょうか。

(参考) PRESIDENT Online|「復習4回」で脳をダマすことができる WAOサイエンスパーク|こうすれば記憶力は高まる!~脳の仕組みから考える学習法 BBCニュース|レム睡眠が記憶形成に重要な役割=研究 STUDY HACKER|現役京大生が実践! 「青ペン書きなぐり勉強法」×「万年筆」のすごい効果。

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