プロのアイデアマンに学べ! アイデアが無限に広がる『掛け算式ネタ出し法』のすごさ。

どんな仕事でも新しいアイデアは求められるものです。しかし、一向にアイデアが出てこない、出てきたとしても無難なものしか浮かばないと悩む方も多いでしょう。そんなあなたに、斬新なアイデアを生み出してくれる「掛け算式ネタ出し法」をご紹介します。

アイデアを生み出すのは「才能」じゃない

アイデアを生み出すのは「才能」や「センス」だと思っていませんか? 実は違うのです。

テレビ朝日のプロデューサー梶淳氏は、自身の著書『アイデアにセンスはいらない』のなかで、アイデアはちょっとした「思いつき」にすぎないと伝えています。つまり、「今日はランチにタイ料理屋さんでマッサマンカレーを食べよう!」と思いつくのも、「いや、やはり老舗のお蕎麦屋さんで“蕎麦屋さんならではのカレーライス”を食べるのがいい」と思いつくのもアイデアだということ。そして同氏は、「もしもアイデアが採用されなくても、それは才能がないわけではなく、その時点であなたの才能と環境の相性が良くないだけだ」と述べています。

実のところ、第一線で活躍するアイデアマンたちは、自身の才能を頼りに日々アイデアを出しているわけではありません。もちろん才能ある方々なのは間違いありませんが、アイデアを出すにあたっては論理的な方法を活用しているのです。

目の届く約3メートルの範囲を意識すると、見落としがちなアイデアのネタを発見しやすくなるという梶淳氏しかり、コンセプトに流行を掛け合わせれば、新しいネタはどんどん生まれてくるというサイボウズ式編集長の藤村能光氏しかり、人の欲求に対して敏感になればアイデアは自然に生まれてくるという、累計335万個を売り上げた「∞(むげん)プチプチ」ほか多くのヒット商品を手がけてきた高橋晋平氏しかりです。

ならばアイデア出しに追われるビジネスパーソンにおいても、その発想術を知っている人と、いない人とでは、大きな差が生まれるはず。そこで、おすすめしたいのが、プロフェッショナルらも活用しているとてもシンプルな発想術「掛け算式ネタ出し法」です。

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「掛け算式ネタ出し法」と応用

「掛け算式ネタ出し法」とは、概念と要素を掛けて、無限大に拡張していく発想術です。その方法は、

A(概念)×B(要素)=C(アイデア)

たったこれだけ。しかし、Aに「商品の形態を表すもの」もしくは「コンセプト」を当てはめ、Bに「ランダムな言葉(流行・ニーズなど)」を当てはめていけば、どんどん拡張していきます。高橋晋平氏は、この方法で大ヒット商品「ほじれるんです」を生み出したとのこと。イメージはこうです。

A(概念)×B(要素1)=C(アイデア1) A(概念)×B(要素2)=C(アイデア2) A(概念)×B(要素3)=C(アイデア3) A(概念)×B(要素4)=C(アイデア4) A(概念)×B(要素5)=C(アイデア5) A(概念)×B(要素6)=C(アイデア6)

もう少し具体的にしてみましょう。例えばAを「アイスクリーム」に、そしてBを「ヘルシーな女性が好きそうな野菜」にしてみます。するとこんな感じに。

「アイスクリーム」×「ルバーブ」=「ルバーブのアイスクリーム」 「アイスクリーム」×「ケール」=「ケールのアイスクリーム」 「アイスクリーム」×「紫いも」=「紫いものアイスクリーム」

ここからさらにもう1要素を掛けていくと、ますますアイデアは広がります。例えばそのもう1要素を「和食で使う調味料」にしてみましょう。するとこうなります。

「アイスクリーム」×「ルバーブ」×「酢」=「酸っぱくて癖になるルバーブのアイスクリーム」 「アイスクリーム」×「ルバーブ」×「味噌」=「濃厚でヘルシーなルバーブのアイスクリーム」 「アイスクリーム」×「ルバーブ」×「醤油」=「懐かしい味わいのルバーブアイスクリーム」

アイデアとともに、キャッチコピーもどんどん生まれてきます。高橋晋平氏は、質より量、まずダメなアイデアから出し始めることだといいます。そう聞くと、気負わずたくさんのアイデアを出していけそうですね。

掛け算式ネタ出し法をやってみた

そこで、筆者も実際に、「掛け算式ネタ出し法」にのっとってアイデアを出しをしてみました。筆者が今出さなければならないアイデアとは、思わず読んだ人がコメントを寄せたくなるようなハイブランドに関する記事ネタです。

概念Aは「ハイブランド」 要素Bは「筆者の得意分野」 もう一つの要素BBは「意外な視点」です。

これらでアイデアCを生み出します。するとこうなりました。

A「Vivienne Westwood」×B「映画」×BB「相反するものとのコラボ」=C「パンクの女王Vivienne Westwoodが衣装を手掛けたディズニー映画」

反骨精神たっぷりなデザイナーと、夢あふれる優等生といった印象のディズニー映画とを絡めた、斬新な記事ネタが生まれました。ここから始まり、その他の筆者が得意な分野、その他の意外な視点を掛け合わせていけば、Vivienne Westwoodというハイブランドの記事ネタアイデアは数多く生まれそうです!

*** さまざまなアイデアマンの言葉と、「掛け算式ネタ出し法」をご紹介しました。シンプルな方法なので、頭の整理にも役立ちます。ぜひ活用して会社の上司や先輩、同僚たちが驚くようなアイデアを生み出してくださいね。

(参考) 梶淳著(2014),『アイデアにセンスはいらない』,ダイヤモンド社. 高橋晋平著(2014),『アイデアが枯れない頭のつくり方』,CCCメディアハウス. フムフム|ハウツーが満載のコラム|ヒットメーカーが語る「掛け算式ネタ出し法」 アメーバニュース|アイデアを出す達人に聞く!日常生活に潜む「発想のヒント」とは? SELECK|サイボウズ式に学ぶ、「製品のPRにはつなげない」オウンドメディア運営術

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