選択問題を解いていて、どうしても正解がわからないとき、みなさんはどうしていますか。
鉛筆を転がして出た数字をマークするというのも1つの手段ですが、それだと当たる確率は「1/選択肢の数」ですよね。
よほど運が良くなければ、なかなか当たりません。
では少しでも正解の確率を上げるためには、どうすればよいのでしょうか。

勘には当たりやすい方法がある

私は、「勘」をあてにすることが結構ありました。
当然ながら、それで当たったこともありますし、外れたこともあります。
最初は「勘」で選び、あとでじっくり考え直して、違う選択肢に変えたこともあります。
変更したものが不正解だと、「変えなければよかった」と後悔することになります。
なぜ、じっくり考えた方が不正解で、「勘」で選んだ方が正解になるということが起こるのでしょうか。
これについて考えることが、少しでも正解の確率を上げるヒントになりそうです。

面白い実験があります。
サッカーが大好きな人にワールドカップの勝敗を予想してもらいました。
次のうち、一番予想が当たったのはどれだと思いますか?

A:みんなで慎重に議論する
B:「目を閉じてボーっとしてください」とお願いし、目を開けた瞬間に予測してもらう
C:注意力が必要なゲームで気をそらしてから予測してもらう

一番予想が当たったのはCです。
適度に気をそらした上で「勘」に従って判断したときが、一番成績が良かったということです。
Bの考えなしに決めるのがダメなのは、納得できます。
でも、たくさんの情報を吟味してじっくり考えるAよりも、「勘」に従うCの方が良いというのは興味深いですね。
厳密な記憶情報にこだわらないで、思いきって些細な部分を無視し、「勘」に従うことが良い結果につながることもあるということがわかりました。

my-885-ec
80日でTOEIC885点に! 繁忙期の激務をこなしながら230点アップできた "パーソナル学習戦略"
人気記事

勘とは「無意識による自動的な判断力」だ

『脳はこんなに悩ましい』という本の中で、池谷裕二さんという脳研究者は、「勘は『経験によって培われた無意識で自動的な判断力』」ではないかと考察しています。
スポーツを例に考えると、野球の打者は、ピッチャーが投げた瞬間から、無意識レベルで脳がたくさんの計算をしています。
無意識の作用で脳が計算し、状況を見極め、筋肉1つ1つに指令を出すことで、バットにボールを当てることができるのです。
これは、訓練によって身につけた「勘」によるものです。
「勘」は、無意識レベルで学習したトレーニングの成果だと言えます。

逆に言うと、訓練をしていないと「勘」は冴え渡らないということです。
勉強を全くせず、「勘」だけで選択肢を選んでもなかなか当たりません。
きちんと勉強をし、経験を積むことによって、「勘」も上達します。

つまり、まとめると、ポイントは次のようになります。
・経験値を積まなければ「勘」はあてにならない
・「勘」は訓練によって身につけることができる(「勘」は訓練の成果)
・じっくり考えたときや、全く考えないときの結論よりも、冴え渡った「勘」の方があてになることもある

いかがでしょうか。
どうしても答えがわからなかったとき、「勘」をあてにするのは、鉛筆を転がすよりはあてになりそうですね。
「勘」だけを頼りにしてはいけませんが、考えてもどうにもならない選択問題に直面したときは、思いきって自分の「勘」を信じてみてもいいのかもしれません。時間の節約にもなります。

参考文献
池谷裕二・中村うさぎ、2013年『脳はこんなに悩ましい』新潮社
※サッカーの実験は、Predicting soccer matches after unconscious and conscious thought as a function of expertise という論文で発表されたものです。


東京大学文学部行動文化学科社会学専修課程。ノートルダム清心高校卒業。大学ではセクシュアリティについて勉強している。忍者が好き。服のセンスとユーモアのセンスがほしい。