あなたは朝起きてから今までに、何回決断をしましたか? どの道で駅に行くか、会社に行く前に洗濯物を取り込んでおくか、会社についてまずどの仕事から始めるか、何の教科を勉強するか……。人によって差はありますが、私たち人間は1日に約9,000回の決断をしているのだとか。

9,000回も決断していると聞くと、それだけで疲れてしまいそうですね。実際、私たちの脳には、1つ1つの決断をするたびに「決断疲れ」という精神的疲労が蓄積していきます。そして「決断疲れ」が溜まりすぎると、パフォーマンスやモチベーションが低下してしまうのだそうです。

このコラムを読んでくださっている方の中には、勉強や日々の業務の中で常にクオリティの高い決断を求められている方も多いはず。そういう方にとって、この「決断疲れ」はミスの原因になったり効率の低下に繋がったりする、いわば天敵のような存在です。このコラムでは、皆さんが「決断疲れ」によって決断の質を下げないために、「決断疲れ」を回避する方法をご紹介します。

「決断疲れ」とは

「決断疲れ」について、もう少し詳しく見ていきましょう。

人間が1つのことを決断するとき、脳の中では決断する事柄に関連した情報の整理、検索、比較など、様々な処理が行われます。その複雑な処理が1日に9,000回行われているのですから、1つ1つの決断に時間がかかればかかるだけ、脳はパワーを消耗してしまうのです。また、決断せずに放置しておく場合も同様。なぜなら、脳は決断するときまで情報を残しておこうと判断し、記憶するためにメモリーを割くからです。たとえ本人が意識的には考えていなかったとしても、潜在意識の中では常に思考が繰り返されています。決断をしないからといって、脳が疲れないわけではないのです。

このようにして疲れが脳に蓄積されていくと、脳は決断をする際に十分な思考を行えなくなってしまいます。その結果パフォーマンスが低下してしまったり、深刻な場合には思考停止に陥ったりしてしまうのです。また、「決断疲れ」によるパフォーマンスの低下は、仕事や試験などの責任重大な場面だけに悪影響をおよぼすわけではありません。身近なところでは、「衝動買い」がその典型例といえるでしょう。レジの横に小さなお菓子やドリンクが置いてあるのを目にしたことはありませんか? つい買ってしまったことがある方も多いのではないでしょうか。

実はあの衝動買い、「決断疲れ」を利用したお店側の狙いにはまってしまった結果なのです。私たちがスーパーやコンビニなどで買い物をするとき、たくさんの商品に対して、買うか買わないか、またどちらの商品を買うべきか、という決断を繰り返しています。それによって「決断疲れ」を起こした人が無思考に陥ったタイミング、つまり、会計の直前に通るレジ横というスペースに、最後の最後でついで買いしやすいちょっとした商品が置かれているのです。

ketudan-dukare02

kamijo-45days-ec
45日でTOEIC825点に到達! 外資コンサルが選んだ、パーソナルトレーニングという英語学習の形。
人気記事

「決断疲れ」を回避するには

さて、そんな「決断疲れ」。どうにかして回避する方法はないのでしょうか。ここでは、「決断疲れ」に陥らずに済む方法を3つお伝えします。

1. 決断のルールをつくっておく
一番手っ取り早いのは、決断を簡単にするルールをあらかじめ作っておき実際の決断は自動化するというもの。例えば「迷ったら買わない」「ジムには火曜と金曜に行く」「朝は右の道、夜は左の道を通る」といったような感じです。特に通勤や通学、食事など、毎日必ずあるものや、選択肢があまり多くないものに対して取り入れれば、細かい決断の回数が減り、脳の負担を軽減することができるでしょう。

2. 重要なことを先に決断する
しかし、そうやって細かい決断の回数を減らしても、しなければいけない決断はありますよね。「決断疲れ」のせいで大きなミスをしてしまわないように、重要なことは先に決断しておくというのも手です。「決断疲れ」が起きていない、正常な判断力が残っているうちに重要な決断をすることで、大きなミスをしないで済みます。よく「大事なことは朝決めろ」「ルーティンワークは午後でいい」と言われるのも、これが所以かもしれません。午後に多少「決断疲れ」がきたとしても、ルーティンワークのような決断する機会の少ない作業を選べば、ミスは最小限におさえられそうですね。

3.こまめに休憩をとる
こまめに休憩を入れるのも、単純ながら有効な手段です。「決断疲れ」は、連続して脳を酷使し続けるために起こります。それを回避するためには、休憩を入れてしっかりと脳を休ませるのが効果的です。

疲れたな、と自覚した時にはすでに「決断疲れ」が起きているので、もうミスをしてしまっているかもしれません。それを防ぐために、疲れたな、と感じる前に休憩をとる必要があります。そのタイミングの見極め方や適切にとれるかどうかに自信がない場合は、1時間に1回程度、あらかじめ休憩時間を設定しておくとよいでしょう。これもまた、休憩をとるかどうかの判断を削減できるため、脳の負担軽減に繋がります。

決断は楽しい、だが疲れるものだとわかっておくこと

生活の中には、楽しい決断もあります。お菓子を買うか買わないか、どの服を買うか、ゲームをするかしないか、疲れたあなたが癒されるために、そういった決断をする場面も出てくるでしょう。

ですが、一見楽しそうに見えても決断は決断です。すればするほど、当然脳は疲れていきます。様々な勉強や仕事が立て込んで忙しい時には、あらかじめ息抜きに何をしておくか決めておいたり、決断を伴わない、例えば音楽を聴く、本を読むなどの受動的な息抜きを選択したりする方がいいでしょう。そう“決断”してしまえば、あとはぐっと楽になりますよ。

(参考)
起業家チャンネル|人間の1日の選択回数は何回!?
モチベーションアップの法則|決断疲れがモチベーションを下げる
Wikipedia|決断疲れ
なんでも評点|人は選択肢が多いほど疲れることが判明