portrait of volleyball player while keeping balancing ball on a finger

友人の話です。

彼のお父さんは中学時代、バレー部のエース。キャプテンも務め、今だって昔ほどじゃないけどかなりの腕前…と思っていたそうです。先日の社内の球技大会では、もちろんバレーに出場し「プロジェクトが忙しくなかなか練習できなかったものの、そこは昔取った杵柄。うまくやれる。」と考えていました。

ところが、結果は惨敗。学生時代自慢だったサーブもほとんど入らず、恥をかく羽目になってしまいました。一体なぜでしょうか。

昔取った杵柄
【意味】昔取った杵柄とは、若い頃に身に付けた技量や腕前のこと。また、それが衰えないこと。

(引用:故事ことわざ辞典|昔取った杵柄  )

英語、前は喋れたのに…どうして。
昔はバリバリに走っていたのに、ランニングも続かない。

こんな悔しい思いをしたことはありませんか? 今日は、最新の脳科学研究に基づく「リハビリ方法論」を参考に、自分の経験を最大限生かす方法をご紹介しましょう。

badge_columns_1001711必要なのは「やる気と頑張り」?

生理学研究所の西村准教授らは、脊髄損傷や脳梗塞の患者がリハビリを行う際に、最も重要なのは「やる気や頑張り」というファクターであると発表しました。(参考:生理学研究所| “やる気や頑張り”がリハビリテーションによる運動機能回復に 大切であることを脳科学的に証明  )

そんな精神論が通用するのか?
そう疑問を抱いた人も多いはず。でも、脳科学研究の結果なのです。

脳の「側坐核」と呼ばれる部分は、報酬や学習に関係するもの。「ご褒美をもらえたから頑張ろう」とか「良い結果のおかげでやる気が出てきた」という脳のはたらきは、この側坐核によるものです。

研究では、脊髄を損傷したサルが、昔のように手を動かせるようになるまでを観察。側坐核が正常に働かない時には、リハビリが成功しなかったんだとか。確かに、やる気の高い方が成功しそうですが、科学的に証明されたなんて、驚きですね。

Beautiful girl playing beach volley

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badge_columns_1001711「昔のように」できるためには

さて、筆者の友人のお父さんは、一体どうすればよかったのでしょうか。

失敗の原因としては、油断していたことがまず挙げられます。昔はすごかったのかもしれませんが、あくまで昔の話。万全な準備をする必要がありました。

先ほど紹介した研究によれば、大事なのは「やる気と頑張り」でしたね。

一つめが「やる気」。人間、どうせできると考えた瞬間にパフォーマンスはぐっと低下します。行動科学の観点からみれば、モチベーションを高めるために必要なのは「行動目標」だといいます。「テストで◯◯点とる!」ではなく「1日テキストを△ページ進める」のように、具体的に自分がどんな行動をとるべきか、目標を考えましょう。

二つ目が「頑張り」。モチベーションを維持し、頑張り続けるのは非常に難しいものです。そんな時大事になるのが「正のフィードバック」です。目標を立て、それが実行できた暁には、自分にご褒美をあげましょう。ランチをワンランク豪華にするのでもいいですし、帰宅の際にコンビニでスイーツを買ってあげる、なんてことも効果的です。頑張り続けられるシステムを作りましょう。

***

英語でも、運動でも、「昔はできたのになぁ」なんて悔しがるの、かっこ悪いですよね。みなさんも脳のパワーで、自分の経験を最大限発揮しましょう。

参考
故事ことわざ辞典|昔取った杵柄
生理学研究所| “やる気や頑張り”がリハビリテーションによる運動機能回復に 大切であることを脳科学的に証明石田淳|短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント ダイヤモンド社 2007


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。