TOEICや資格試験の本番など、ここぞというときに限って、「昨日目を通した問題集に確かにあったはずの問題なのに、答えを思い出せない……」と愕然とした経験は誰にでもあるでしょう。

そして、試験が終わってから問題集を開いてみると「ああ、そうだ! このページは確かに勉強したのに!」と記憶が蘇り、悔しい思いをしたことはありませんか? 身に覚えがあるという方は、もしかしたら知識を思い出す練習が足りないのかもしれません。

今回は、頭の奥底に眠った記憶を呼び覚ます方法について紹介します。

記憶は頭の奥底に眠っている

突然ですが、小学校1年生のときの運動会についてできる限り鮮明に思い出してみてください。いかがでしたか? きっと多くの方にとって、遠い昔の記憶を思い出すのはなかなか大変な作業なのではないでしょうか。

しかし、もしも目の前に当時の自分の写真を出されたら、おそらく運動会での記憶が鮮明に呼び起こされるはずです。つまり、私たちの脳は、そのときのことを完全に忘れてしまったわけではありません。普段は思い出さないようにしているだけなのです。

そして勉強においても同じことが起こります。試験中は全く思い出せなかったのに、試験終了後に問題集を見た瞬間に「あ、そうだ」と思い出す。簡単な漢字がどうしても思い出せなくて、諦めて周囲に目を向けてみたら、教室の張り紙にその漢字を見つけて記憶が鮮明に蘇る。

このように、確かに頭の中に知識はあるのに、どうしても思い出すことだけができない、というのはよくある現象だと言えるでしょう。

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記憶を呼び起こす練習をしよう

したがって、勉強するときは知識を頭に入れるだけでなく、知識を思い出せるようにする必要があります。

学生を対象にしたある研究では、覚えたい単語の一覧に目を通したあと、次の3つの方法のうちどの方法が最も効果的に思い出すことにつながったのかが調べられました。

A.もう5分かけて単語一覧に再度目を通す
B.思いだせた単語を紙に書きだすという自己テストを1回行う
C.紙を3枚用意して、自己テストを3回行う

(引用元:DIAMOND online|教科書を繰り返し読むくらいなら○○せよ

一週間後に再びテストをした結果、Aの方法で勉強した学生は約30%ほどの単語しか思い出せませんでした。それに対してBは40%ほど、そしてCにいたってはなんと50%以上の単語を思い出すことができたのです。

AとB、Cの違いは、ただ思い出す練習をしたかどうかだけ。やはり記憶を定着させるためにも、繰り返し思い出すという練習は大切なのです。

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鶴の恩返し勉強法

もちろん思い出すためにはどのような方法でもかまいません。そこで、筆者がおすすめするのが、脳科学者の茂木健一郎さんが行っていたという「鶴の恩返し勉強法」です。

やり方は簡単。まず、覚えたい内容を実際に声に出しながらひたすら書き出します。その後、だいたい覚えたなと思ったら、覚えたいテキストから目を離しましょう。そして覚えている内容を声に出しながら、ひたすら書いていくのです。最初は思い出せないことばかりですが、見て読んで、目を離してまた読んで……と繰り返していくうちに、ほとんどの内容を見なくても書けるようになるでしょう。

この方法の唯一の問題点は、一人でぶつぶつ言っている姿を人に見られると非常に恥ずかしいので、人前ではできないということ。名前にもある昔話『鶴の恩返し』のように、部屋に閉じこもって一人でやることをおすすめします。

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筆者自身も大学の試験勉強で、まずは覚えたい内容をまとめた紙を何度か音読し、だいたい覚えたら暗唱するという方法を実践していました。この方法で全ての科目の単位を取ることができたので、きっとみなさんの勉強の役に立つと思います。

ただ、筆者は音読だけで済ませていたので、ときどき英単語のスペルや漢字を間違えることがありました。声に出すだけでも効果はありますが、お時間がある方はぜひ紙に書き出してみてくださいね。

(参考)
DIAMOND online|教科書を繰り返し読むくらいなら○○せよ
DIAMOND online|覚えているはずなのに、思い出せない原因は○○にあった
プロフェッショナル 仕事の流儀|茂木健一郎の脳活用法スペシャル