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「期待値が高い」という言葉を、「良い結果が期待できる」という意味で使っている人をよく見ます。しかし、本来「期待値」とは「値」であり、数字で表される確率論の用語です。でも、あまりなじみもないし、ちょっとわかりにくいものですよね。

そこで今回は、宝くじを例に「期待値」について考えてみたいと思います。ついでに、宝くじを買うという行為が確率的にどう評価できるのかということについても見ていきましょう。

そもそも期待値って何?

期待値というのは、一回試行するごとにどれくらいの数字を期待できるか、という具体的な値のことです。今回でいえば、宝くじを一枚買うと、どれくらいの金額が当たることを期待できるのか、という具体的なお金の値のことです。例えば315円の宝くじを買って期待値が400円だったとしたら、400-315=85円となり、一枚買うごとに85円得するということです。逆に期待値が100円だとしたら100-315=-215円となり、215円損をします。
ただし、この期待値400円とか100円というのは、宝くじをたくさん購入した時に、損得の平均値がだんだん400円や100円に近づいていくという意味で、期待値400円の宝くじを買えば絶対に400円が当たるという意味ではありません。つまり期待値が宝くじの値段を下回っている=損する状態の時には、買えば買うほど損する状態へ近づいて行ってしまうということです。逆に、期待値的に得なときはできる限りたくさん買う方が良いというわけです。

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期待値の計算法

期待値は簡単に計算することができます。計算方法は以下の通りです。
(宝くじの期待値)=(一等の値段)×(一等が出る確率)+(二等の値段)×(二等が出る確率)+・・・・・・+(はずれ0円)×(はずれの確率)
一等の値段等は調べればわかることなので、あとは各確率が計算できればいいわけですね。各確率は次のように計算できます。
(n等が出る確率)=(n等の本数)÷(全本数)
では実際に計算してみましょう。

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そして期待値は

ではまず2015年の年末ジャンボ宝くじの期待値の計算結果を発表します。今年度の年末ジャンボ宝くじの期待値はなんと!

149円99銭

宝くじが300円だとすれば、一枚買うごとに(平均して)約150円損するということがわかります。つまりは、150円で夢を買っているというわけですね。この150円を高いとみるか安いとみるかは人それぞれでしょう。安いとみて買う場合には、買いすぎに注意しましょう。先ほども言った通り、確率論的には買えば買うほど損する方へ向かってしまいます。数枚程度買って祈るのが一番よさそうな感じだと思います。

ついでに2015年の年末ジャンボ宝くじミニの方の期待値を計算してみます。するとその結果は

150円

二つの宝くじの期待値がほぼ一致しましたね。他の年のジャンボ宝くじの期待値も計算してみましたがやっぱり150円くらいです。おそらくジャンボ宝くじの期待値は150円になるように調整されているのだと思われます。いつでも夢の値段は150円のようですね。

2015年度の年末ジャンボ宝くじと年末ジャンボミニ宝くじで、何でもいいからとにかく当たる確率はどちらも11%、元が取れる(3000円以上が当たる)確率はどちらも1%となりました。年末ジャンボ宝くじと年末ジャンボミニ宝くじは期待値と、今計算したような確率がほとんど一緒であるので、数枚程度買うのであれば、1等がより高い金額である年末ジャンボ宝くじの方がお得な感じがします……。

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いかがでしたか。期待値という言葉は本来確率論の用語であり、「自分がどれだけ期待しているか」を表す言葉ではありません。言葉は時代とともに変遷していくものですが、本来の意味を知らないせいで恥をかくのは避けたいところですね。

参考文献
宝くじ公式サイト|宝ニュース平成27年12月号(第822号)


早稲田大学先進理工学部物理学科所属。横浜サイエンスフロンティア高校卒業。大学では理論物理学を中心に日々勉強に励んでいる。