皆さん、古文はお好きですか?

「訳しても何言ってるかまったく分かんない……」
そんな方も多いかと思います。

ちょっと例を挙げてみます。超有名な「源氏物語」冒頭から。

(原文)いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに……
(現代語訳)いつの帝の御代であっただろうか、女御や更衣がたくさんお仕え申し上げなさっていた中に、……

現代語訳ですら、よくわからないのはなぜでしょうか。

それは、普段使わない言葉で訳されているから、です。

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私だってこんな風に訳さなくてはならないのは、正直いやでした。

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そこで、私が受験生時代にやっていた方法は、ズバリ

「ふだんの言葉で訳す」

という方法。

もちろん、答案に書くときは、上のような訳を作らないと点はもらえません。
しかし、「ふだんの言葉で訳す」という1ステップを加えるだけで、古文の世界は一気にイメージしやすくなります。

・敬語は使わない。
・日常生活で使うことのない語(「御代」など)も使わない。
ルールはこれだけです。

『徒然草』の一節を例に、具体的に紹介します。なお、フリガナは口語で書いてあります。

法師ばかりうらやましからぬものはあらじ。
「人には木の端のやうに思はるゝよ」と清少納言が書けるも、げにさることぞかし。
勢(いきおい)まうに、のゝしりたるにつけて、いみじとは見えず、増賀聖(そうがひじり。人名)の言ひけんやうに、名聞(みょうもん)ぐるしく、仏の御教(みおしえ)にたがふらんとぞ覚ゆる。
ひたふるの世捨人(よすてびと)は、なかなかあらまほしきかたもありなん。

これを、ふだんの言葉で訳すと……

(超口語訳)僧とか、一番なりたいと思わないやつでしょ。
清少納言が「木の切りくずみたいに思われてるっしょwww」って書いてたけど、これマジだから。
偉そうにしてても、すごいとは思えないし、僧賀聖が言ってたみたいに、名声を求めるのも気が引けるし、仏様のありがたい教えと矛盾してるじゃんw
世間と縁を切った仙人みたいな人は、むしろ良いとこあるっしょ。

……なんだか、兼好法師は、僧侶のことをかなりdisってますね、自分も僧侶なのに(苦笑)

『徒然草』から、もう一つ例を。

寺院の号、さらぬ万の物にも、名を付くる事、昔の人は、少しも求めず、たゞ、ありのまゝに、やすく付けけるなり。
この比は、深く案じ、才覚をあらはさんとしたるやうに聞ゆる、いとむつかし。
人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ。

これを、ふだんの言葉で訳すと……?

(超口語訳)寺の名前でもなんでも、昔の人は見たまんまフツーの名前を付けてたんスよ。
最近は、めっちゃ考えて、「こんなオシャレな名前考える俺やべえwwwww」感を出そうとしてるって思うわ。まじウザすw
人名でも、変な漢字使ってキラキラネーム(笑)にしても、なんも良いことないからw
どんなことでも、イキって人と違うことするのは、バカが絶対やることだからねwww

tehepero

なんと!兼好法師は現代社会を予言していたのでしょうか?!(笑)
……昔も今も、人間って変わらないものなんですね。(遠い目)

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いかがでしょうか?
授業でやるような訳し方より、こっちのほうがよっぽど「兼好法師が言いたかったこと」、「兼好法師のハート」が理解できると思いませんか?

さらに、この方法は、単語の“コア”をとらえた勉強法でもあります。
古文に限らず、英語でも、「自分の言葉で訳せる」というのは、深く理解あってのもの。

ふだん単語を覚えるときでも、「これって、いま風の言葉で言ったら○○だよね」と自分なりに説明することを心掛ければ、単語の覚えやすさもグッと変わります。

皆さんも、「自分の言葉」を大切にして勉強してみてください。


東京大学文科二類所属。明星高等学校卒業。東京でも大阪弁を貫く決意で日々を送っている。現在は、有名フリーペーパー制作にかかわり、多くの企業の協賛を獲得している。