会社や学校などで、後輩との接し方に悩んではいませんか? 最初は先輩と同期しかいなくて自分が一番経験の浅い立場だったとしても、いずれは誰しもが後輩を持ち、教える側に立たなければいけません。しかし先輩や同期と比べると、後輩というのはなかなか付き合いづらい存在であるというのが本音ではないでしょうか。

そこで今回は、新しく後輩ができる方や後輩との接し方に悩んでいる方へ向けて、好かれる先輩になるコツをお話しします。

後輩だったあなたが先輩になって変わること

そもそも、なぜ後輩との付き合い方に悩んでしまうのでしょう。それは、自分が「先輩」になることで、「後輩」という立場にいた時とは様々な部分で変化が生じてくるからです。好かれる先輩になるために、まずは先輩になって変わることを探っていきましょう。

1. 聞かれる側になる
今まではわからないことがあったら先輩に聞いていればよかったのですが、今度は自分が後輩から聞かれる立場になります。後輩にとって、先輩は仕事や学校生活にも慣れていて、なんでも知っているように見えるもの。仕事に関すること以外にも、様々な質問をされることになるのです。

2. 弱みを見せにくい
先輩に弱音を吐ける人は多いかと思いますが、後輩に弱音を吐けるという人は稀ではないでしょうか。後輩に対しては弱みを見せたくない、と思うのが人情というもの。自分より仕事の経験が浅い後輩に対して、「実は最近ちょっと仕事が大変で……」といった弱みなんて見せられませんよね。

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目指せ「尊敬できる先輩」! 好かれる先輩の特徴

上記のような違いもあって、後輩に対して先輩のほうから距離を縮めにいくのはなかなか難しいものです。先輩としてのプレッシャーを感じて、後輩とは付き合いにくいと思ってしまうこともあるでしょう。しかし、後輩から尊敬されたり好かれたりしている先輩もいますよね。そういった人たちには、どのような特徴があるのでしょうか。次に、後輩から好かれる先輩たちの共通点を知って、自分の先輩としての行動を振り返ってみましょう。

1. 話しかけやすい雰囲気でいる
職場にせよサークルにせよ、新しく入ってくる人は不安を抱えています。不安の原因は様々でしょうが、知り合いが少ない状況でこれからうまく人間関係が構築できるのか、というのが一番大きなものでしょう。『嫌われる勇気』という本で有名になった心理学者、アルフレッド・アドラーの「すべての悩みは人間関係が原因である」という言葉のとおり、後輩たちは人間関係に対する不安を抱えているのです。

あなたも最初は馴染めるかどうか不安だったのでは? そのような状況の中で、話しかけやすい雰囲気を持つ先輩は好かれます。筆者は中学高校の6年間を寮生活で過ごし、先輩と暮らしてきましたが、やはり気軽に話せる先輩にはよく懐いていました。

2. 何かしらすごいと思えるところがある
仕事や勉強において抜きん出た成果をあげている先輩や、役職について周りの人を引っ張りながら活躍している先輩も好かれます。同じくらいの話しかけやすさであれば、実力のある人に聞きたいと思うのが普通だからでしょう。

空回りに要注意! 嫌われる先輩の特徴

ここからは、逆に後輩から嫌われてしまう先輩の特徴を見てみましょう。

1. 偉そうにしている
嫌われる先輩としては最たるものです。特に実力が伴っていない場合は、最悪といっても過言ではないでしょう。仮に実力があったとしても、その人に心酔していない限りは、偉そうにされるのはやはり嫌なもの。偉そうにされた後輩は、露骨に下に見られているように感じてしまいます。たとえそういうつもりはなくても、「後輩からなめられたくない」という気持ちから、つい偉そうな態度になってしまう先輩も意外と多いようです。

2. 他人の悪口を言う
多くの後輩は、先輩の言うことに対して表立って否定しませんし、露骨に話を聞かないということも少ないでしょう。先輩側から見ると、悪口を言う相手としてはうってつけとも言えますね。しかし、他人の悪口は聞いていて心地よいものではない上に、それを聞かされている後輩は「陰で自分のことも悪く言われているのではないか」と不安になってしまいます。そんな先輩では、嫌われてしまうのも当然でしょう。

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後輩から好かれて「尊敬できる先輩」になるコツ

後輩から好かれる先輩、嫌われる後輩の特徴をそれぞれ見てきました。中にはひやっとした方もいらっしゃるかもしれませんね。ここからは、具体的に後輩から好かれるコツを3つご紹介します。

1. あいさつをする
もっとも簡単で、もっとも汎用性の高いコツと言えます。後輩は、あいさつをして先輩の邪魔になってしまわないか、するにしてもどれくらいの声の大きさが正しいのかなどと余計なことを考えてしまい、なかなか自分からすることができません。だからこそ、先輩から先にお手本を見せてあげるのです。また、自分から声をかけることで、話しかけやすそうな先輩だなと思わせる効果もあります。

2. 相手のことを好意的に見る
人間には「好意の返報性」という性質があります。これは、自分に対して好意を持ってくれている人に対しては自らも好意を抱くというもの。後輩に好かれたければ、自分から後輩を好きになるのが一番の近道。そもそも嫌いな人から懐かれても嬉しいことではないので、お互いのために好意を持ったほうが良いでしょう。そのためには、相手の悪いところだけでなく良いところを探すことが大切。後輩なりの努力や成果を積極的に認めるように意識してください。

3. 叱る時にはフォローを入れる
先輩という立場上、どうしても叱らなければならないこともあると思います。そのような時は、必ず一箇所は褒めるなどしてフォローを入れましょう。褒めるところを探すためには冷静にならなくてはいけないので、感情的に怒ることを防げます。また、後輩は褒められると「この先輩は自分のことをよく見てくれる、いい先輩だ」と思うのです。

怒られてやる気を出す人はまずいません。「怒られてやる気を出す奴もいるから怒っていいのだ」という言説はただの甘え。感情コントロールする方法を身につけて、あくまで冷静に叱るべきところで叱り、フォローも入れられる器の大きい先輩になりましょう。

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このコラムで紹介したコツを活かすだけでなく、自分が後輩の時にしてもらいたかったことをしてあげるのも良いでしょう。数年前の自分に接するかのように後輩に対して接することができれば、自ずと後輩から好かれるはずです。

(参考)
岸見一郎・古賀史健著(2013),『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』,ダイヤモンド社.
菅原美千子著(2010),『「共感」で人を動かす話し方』,日本実業出版社.
Wikipedia|返報性の原理