自社の商品やサービスを買ってもらうと言ったビジネスから、就活や恋愛といったライフイベントまで、多くの場面で他人に選んでもらう機会は人生に数多く存在しています。
その一方で、自分や商品の上手な売り出し方がわからない、という人は多いのではないでしょうか?

実は、こうした場面で良い結果を残せない人は、自分や商品の「本質」を見誤っていることが多いのかもしれません。
そこで知っておきたいのが「マーケット感覚」と呼ばれる、モノの価値を認識する能力です。

マーケット感覚とは

マーケット感覚とは、市場で取引されている価値を理解する能力です。
市場というと、食料品や家電といった物、飲食店や病院などのサービスが思い浮かびますよね。それ以外にも、就職活動や恋愛なども市場と呼ぶことができるでしょう。

買い手と売り手、学生と企業、男と女。
こういった、自分やモノを売り込みたい人とそれを買いたい人が存在すれば、全てが市場だと言えるのです。

では、市場で取引される価値とは何なのでしょうか?
普段の買い物で意識することは少ないかもしれませんが、私たちは「商品」ではなく、「商品が提供する価値」を買っています。

例えば、自動車を買うとき。
私たちは自動車そのものが欲しいわけではないのです。たとえば、郊外の人にとって車が提供する価値は「毎日の快適な通勤手段」、お金持ちの人にとっては「高級車を所有するというステータス」かもしれませんね。

こうした「誰(何)がどんな価値を誰に提供しているのか?」を理解することが、マーケット感覚です。

kamijo-45days-ec
45日でTOEIC825点に到達! 外資コンサルが選んだ、パーソナルトレーニングという英語学習の形。
人気記事

マーケット感覚を身につけることのメリット

では、このマーケット感覚を身につけることにはどのような利点があるのでしょうか?

【1】ビジネススキルの向上
マーケット感覚はビジネスにおいて非常に重要な要素です。扱う商品の価値を正しく認識することで、正しいターゲットを発見できるでしょう。だれにその商品やサービスの価値を伝えればよいのかが理解できていれば、効率的なアプローチをデザインすることができます。語りかけるべき対象が違えば、ウェブサイトの構造も、話し方も、資料の見せ方だって、違ったものになるでしょう。

商品やサービスが選ばれるほんとうの動機を理解することは、その商品の売上げを伸ばすことだけでなく、新たな商品の開発にもつながっていくものです。

【2】キャリア形成に役立つ
就職活動やキャリア形成にも有用です。自分はどんな志向、性格であり、どんなスキルを持っているのか。その結果、自分が雇用主や会社にどんな価値を提供できるのかを正しく理解し、その価値を必要とする仕事を見つける、あるいは市場で必要とされる価値を獲得することで、内定を獲得したり、高待遇で転職したりすることができます。

【3】日常生活に役立つ
日々の生活でも役立ちます。たとえば、プレゼント選び。世間で人気のあるものをなんとなくあげるよりも、プレゼントの相手が価値を感じるものを贈る方が満足度は高くなります。
恋愛でも、自分が提供できる価値、例えば安心感や刺激などを必要とするのがどんな人か想像することで、アプローチする層や方法が変わっていきます。さまざまなものが市場化した今、マーケット感覚は日常的に求められているのです。

adobestock_93423921

マーケット感覚の鍛え方

では最後に、筆者が実践しているマーケット感覚の鍛え方について紹介します。

【1】流行している商品やサービスについて考える
ニュースで名前を耳にする商品やサービスについて考えることは、マーケット感覚の日常的なトレーニング方法になります。例えば、ポケモンGOやインスタグラム、民泊は誰にどんな価値を提供しているのでしょうか?
世間で高い人気を持つ人や物を題材にマーケット感覚を鍛えてみましょう。

【2】オークションサイトに出品してみる
自分で物に値段を付けて、メルカリやヤフオクといったオークションサイトに出品してみましょう。自分の基準で考えて妥当だと思う出品物が、買い手にとって実際はどれだけの価値を持つのかを確かめることができます。

普段、買い手でいると物の価値に見合った値段を付ける機会は少ないものですが、オークションサービスを活用することで、マーケットに直接触れることができます。

【3】コミュニティにおける自分や友人のポジションを考える
自分はいじられキャラで会話の盛り上げ役だとか、あの人は仕切り屋で旅行やイベントの企画をしてくれるマネージャーだというように、所属する団体ごとに、自分や友人の役割やポジションを考えてみてください。
自分や友人のキャラや立ち位置を思い出すことで、普段考えることのない「人が提供する価値」を考えるきっかけになります。

***
この「マーケット感覚」という概念を知るだけでも、これからの生き方が変わってくるはずです。日常生活からビジネスまで、さまざまな場面で応用できるスキルですので、今回紹介した練習方法をぜひ実践してみてください。

(参考)
ちきりん著(2015),『マーケット感覚を身につけよう』,ダイヤモンド社
森岡毅著(2016),『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』,角川書店
ダイヤモンド・オンライン|マーケット感覚とは、他者への想像力をどれだけ持てるかということ
日経BizGate|顧客は「機能」ではなく「価値」で商品を選ぶ