みなさんは、ご自分の「洞察力」に自信はありますか。同じ職場のライバルが、会議で必要になりそうなものをあらかじめ用意しておいたり、上司の好みに合わせたものを準備したりしているのを見ると、「自分も何かしなければ」と焦ることはないでしょうか。

「洞察力」は、さまざまなものが日々激しく変わっていくビジネスの世界でも、普遍的に必要とされているスキルであると言えます。そこで今回は、洞察力を身につけて仕事に活かす方法についてお伝えしていきます。

「洞察力」とは?

そもそも「洞察力」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。もしかすると「観察力」と同じような能力なのではないかと思われた方も、中にはいらっしゃるかもしれませんね。

しかし「観察する」という行動は、目に見える範囲のことのみを扱います。つまり観察力といえば、目の前に見えている状況がどのように変化したのかを読み取れる能力を表すのです。

一方で「洞察する」という行動は、相手の心理状態や願望など目に見えないものを、表情など目に見えているものから推測し判断することを指します。したがって観察力が身についていなければ洞察力も伸びることはありませんが、たとえ観察力を同程度持っている人々が同じ情報量を得たとしても、洞察力の有無によって取る行動が大きく異なってくるのです。

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洞察力がある人とない人の違い

では、洞察力がある人とない人とでは、それぞれの行動にどのような差が生まれるのでしょうか。例として、契約を獲得しようとしている2人の営業マンについて考えてみましょう。

Aさんは、いつも契約をしてくれる得意先を訪ねました。しかし話をしても、得意先は眉間にしわを寄せたままです。とはいっても、これまでなんだかんだ契約をしてくれていたため、Aさんはあまり気にせず話を続けていました。しかしその後取引先から、今回は残念だが契約できないと断られてしまいました。取引先の表情から、相手が契約に不満を感じていたことをAさんは読み取れなかったのです。

一方Bさんも同じく得意先のところへ行き、契約をしてもらえないかと頼みました。しかし得意先は首をかしげたままです。その表情から、このままでは契約してもらえそうにないと察したBさんは話の進め方を少し変え、相手の要望をうかがいつつ、契約をすることによって取引先が得られるメリットを強調して伝えるようにしました。すると取引先は納得し、無事に契約を取りつけることができました。

このように、洞察力を身につけることができれば、私たちはBさんのように、相手の考えを汲み取ってチャンスをつかみ高い成果をあげられるビジネスパーソンに一歩近づくことができるのです。

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洞察力の身につけ方

それでは私たちは、どのようにして洞察力を鍛えればよいのでしょうか。具体的な方法をご紹介していきます。

1. 相手の感情に寄り添う

そもそも相手の立場になって物事を考えることができなければ、洞察力を身につけるのは難しいと言えます。

たとえば職場で上司が「重役との会議で使う資料を作成してもらいたいのだが、〇〇について相手によく伝わるようにしたい」と頼んできたとき、「私は△△のほうが重要だと思います」と、要望とは異なる資料を用意するでしょうか。しませんよね。

自身の立場はひとまず置いておいて、相手の尺度を用いて考えてみてください。そうすれば、相手が何を必要としているのか、そして自分が何をすべきかについて判断することができるでしょう。

今回の場合、「〇〇が伝わるようにしたい」という上司の意思を言葉ではっきりと聞いているため、それを汲むと相手の期待に応えることができるはずです。それでもなお自分の意見を推したい場合は、「確かに〇〇は重要ですね。私はもうひとつ、△△のほうも重要だと思うのですがいかがでしょうか?」と相談を持ちかけるようにすれば、期待外れな資料を準備して失望されずに済みますよ。

2. 視点を変える

私たちは固定された自分の視点から無意識に物事を見てしまいがちですよね。それを払拭するには、どんなことに対しても「なぜ?」と自分に問いかけるのが効果的です。

先ほど挙げた、会議で使用する資料の例ならば、「なぜ〇〇を強調する必要があるのか?」と考えてみましょう。上司が何を伝えたいのか、それから会議で重役は何を求めているのかなど、問いかけの本質を見抜く練習をしてみてください。より上司の意向に沿った濃い資料を作成できるのではないでしょうか。

経験がたくさんあればあるほど洞察力は磨かれますが、入社したばかりの新人であればまだ仕事の経験が少ないはず。しかし代わりに自身への問いかけを繰り返し、たくさんの視点から柔軟な考え方をすることによって、短期間で洞察力を鍛えることが可能になるのです。

3. 情報を整理する

物事の本質を見抜くためには、たくさんありすぎる情報を整理し、本当に重要なものを見つけ出すことができるようにならなければなりません。その際に有効なのが「時間軸」を導入すること。作家・ジャーナリストの渋谷和宏氏によれば、時間軸に沿って物事を整理し流れを把握しておくと、流れが変わったときにその原因となる出来事にいち早く気づき、手を打つことができるようになるのだそう。

ビジネスの世界では、変化に合わせて新しい施策を打ち出したりアイデアを創出したりすることが求められます。市場の動きやユーザーの反応などたくさんの情報を、普段から時間軸を意識して整理しておくことで、方向性を見誤らずに根拠を持って提案できるようになりますよ。

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人や情報の表面をただ観察するだけでなく、その背後に隠れた真意・真相を汲み取る「洞察力」。ぜひ洞察力を身につけて、デキるビジネスパーソンになりましょう!

(参考)
A.T.Kearney|コンサルタントの洞察力 本質を見抜き、課題を解決する「七つ道具」
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