“MECE”という言葉を聞いたことがありますか?

これは、「mutually exclusive, collectively exhaustive」の略であり、直訳すると「集合的に余すことなくお互いに排他的」。日本語では「ミーシー」と発音します。

ビジネス的思考において初歩の初歩としてとても大切な考え方で、特に経営コンサルタントや戦略コンサルタントと呼ばれる人々の著作では毎度のようにこの言葉が出てきます。

しかし、このMECEはビジネスだけではなく、何かを問題を解決しようとする人すべてにとってとても役立つものなのです。

MECEとは

先ほどの直訳「集合的に余すことなくお互いに排他的」とは、要するに“全体を被ることなく要素に分ける”ということになります。少々ややこしく聞こえますが、これはとても簡単なことです。

例えば、人の利き手について考えてみましょう。利き手は、右利きの人と左利きの人に分けられます。しかし、ここで忘れてはならないのが両利きの人です。たまにいる両利きの人の所為で下記の構図はこわれてしまいました。
(人の利き手)=(右利きの人)+(左利きの人)

では単純に下記のような構図にしてみましょう。
(人の利き手)=(右利きの人)+(左利きの人)+(両利きの人)

一見MECEになっているように見えますが、この状態では、両利きの人は左利きの人と右利きの人が重なったエリアに位置してしまっています。これでは“全体を被ることなく”という条件をクリアしきれていません。

下記の構図で、初めてMECEに分けることができたといえます。
(人の利き手)=(右手だけが利き手の人)+(左手だけが利き手の人)+(両利きの人)

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MECEのメリット

上の例では人の利き手をMECEで分けてみましたが、MECEには以下のような特性があり、それがメリットになっているといえるでしょう。

・漏れがなくなり、重なりがなくなる。
・全体像と構成要素の関係が見えやすくなる。
・構成要素の大小が分かりやすくなる。

また、1つの分け方は1つの切り口と言い変えることも出来ます。先ほどの例では人の利き手が右、左どちらかということを主眼において考えていきましたが、利き手が右手にある人を主眼に置いて考えれば、(人の利き手)=(右手が利き手の人)+(左手のみが利き手の人)とも考えることもできます。

目的によって適切なものを主眼に考えていけばいいでしょう。そのため、他の切り口について考えるきっかけにもなることも大事なメリットの1つです。

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どんな場面で役立つのか

例えば、月々の支出を減らそうと考えたら、まず自分が何にどれぐらいお金を使ったか考え、その上でどうやったらこれが解決できるかを明らかにしていきますよね?

このように何かを解決しようと思ったら、それを構成要素ごとに分けて考えることはとても一般的で効果的ななやり方の1つです。

そのため、MECEを意識することはあらゆる問題において役に立つといえるでしょう。漏れなく、ダブりもなく要素を洗い出すということは存外に難しく、意識して取り組まなくては出来ないことであるためです。

もう1つ例を出しましょう。
勉強時間が確保できない、という悩みを持っていたとします。解決する時、MECEを意識せずとも直感的に「あ、自分はTVをみてぐだぐだしている時間が長いから、その時間をすべて勉強に充てよう」と思っても、ここで1つ冷静になって考えるのです。

そして、1日の流れを考えて、何にどれぐらい時間をかけているのかを分かりやすく表にします。その上で、どこにどれぐらい時間をあてるのが適切か考えて、時間を確保するのです。もしかするとTVを観てリラックスしている時間はあなたには必要なプロセスで、そこを無理にでも削れば勉強自体が三日坊主になってしまうこともありえるかもしれません。

「漏れなく、ダブりなく」とはいうものの、これは意識して行ったとしても慣れが必要です。
しかし、日常のさまざまなことを見直す際にただなんとなく構成要素に分けるのではなく、是非このことを意識して考えてみてください。そうすれば自分が思っても見なかった所に眠っていた解決策を見つけ出すことができるかもしれませんよ。

(参考)
イーサン・M・ラジエル著 嶋本恵美/田代泰子共訳(2001),「マッキンゼー式 世界最強の仕事術」, 英治出版
ALL About|ロジカルシンキングの基本 MECEとは
・日経Bizアカデミー|第一回「ピラミッド構造」と「MECE」が基本