加齢は気から……? 人は「脳」から年をとる。

20代、30代のビジネスパーソンの中には、「学生の頃に比べてずいぶん疲れやすくなってきたな……」と感じている人がいるのではないでしょうか? 学業中心であった当時とは違い、心身ともにハードな仕事をしているわけですから、疲れて当然。しかし、「もう若くないな」などと思うと、ちょっと落ち込んでしまいますよね。

また、年を経るにつれて疲労が取れにくくなってきたり、休みの日もぐっすり眠れなかったりすることが増えてきた、という方もいると思います。疲れによるQOL(=Quality Of Life)の低下は、仕事や勉強の効率の低下にも繋がってしまいますから、なんとかして改善したいとお考えのことでしょう。

そんな、忙しくて疲れやすいビジネスパーソンだからこそ、精神だけは若々しくありたいもの。

これは何も、精神論ではありませんよ? 実は、自分自身について「年を取ったな」と思うだけで、実際の年齢以上に体は歳をとってしまうそうなのです。

脳が年を取ると、体も年を取る!?

年を取ったという思い込みだけで身体能力までもが低下してしまうのは、「プラシーボ効果」のためです。

プラシーボ効果とは、実際は効果のない薬を「治療に役立つ薬だ」と思い込んで飲むだけで、治癒に一定の効果が表れる、というもの。この「プラシーボ」は「偽薬」を指す言葉だとか。有名な効果なので、聞いたことがある人も多いかもしれませんね。

しかし、病気が本当に治るといったプラスの効果だけでなく、思い込みにはマイナスの効果もあります

本当は癌ではない患者に「あなたは末期の肝臓癌だ」と医者が告げたところ、その患者はみるみるうちに衰弱し、数か月のうちに死亡してしまったという、恐ろしい事例があるのです。実際には大した病気ではないのに死んでしまうほど、思い込みの身体への影響力は大きいと言えます。

「自分は年を取ったんだ……」という思考も同じこと。自分についてマイナスに考えるだけで、体は余計に疲れ、QOLは低下してしまいます。これは、避けなければなりませんね。

周囲と比較して判断してしてはいけない

今時、大学生でも「1年生は若くていいなあ……」といった発言をします。

社会人の方から見れば、大学4年生と1年生なんて似たようなものだと感じるでしょう。場合によっては、嫌味に聞こえてしまったり……。しかし彼らも、別に嫌味で言っているわけではなく、本心でそう思っているのです。ではどうして、本心からこのようなことを考えるのでしょうか?

このような発言は、周りの人と比較して自分を判断するために生じているもの。

極端な例になりますが、もし世界にあなた1人しかいなかったら。あなたがカッコイイか不細工か、痩せているか太っているか、どうやって判断しますか? おそらく、できませんよね。しかし、世界にもう1人の人間が現れたらどうでしょう。2人になったことで初めて、他人と比較することが可能になります。比較は判断につながり、自分自身に評価を下すことになるのです。

先の大学生も、知らず知らずの内に、周りの大学生と自分を比較してしまっているということ。高学年になると、比較対象は自分より年下の大学生になります。大学4年生も世の中から見たら若い方ですが、「大学」というコミュニティにおいて先輩であるために、「1年生は若くていいなあ……」という思考に至ってしまうのです。

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心若くいるためには、常に新しい環境に身を置くこと

前述の通り、「自分は(周囲に比べ)年を取っている」という感覚を持ち続けると、身体に悪い影響を及ぼしかねません。

学校でも会社でも、同じ環境に身を置いていると、どんどん若い人が入ってきて、自分は先輩になってしまいます。そうすると自然と、自分を他人と比較することになり、「年を取った」という感覚が強くなっていくのです。

これを極力抑えるためには、自分の身を新しい環境に置くことがとても大切です。

「仕事や大学を変える」ということではありません。それは現実的な方法ではないですよね。そうではなく、趣味などにおいて環境を変えてみるといいでしょう。

例えば、新しくジムに通って筋トレを始めたら、あなたはそこでは「1年生」です。自分より若い人がいたとしても、その人はあなたから見れば先輩にあたります。その人のやり方をこっそり盗んでみたり、はたまた直接教わったりもするでしょう。それはまさしく「1年生」の行いですよね。そうやって環境をリセットすることで、自分が先輩になることを防ぎ、常に精神を若く保つことができるのです。

仕事が特に忙しいとか、家庭を持っているなどの事情で、新しい趣味を始める時間を取ることが難しい人もいるかもしれれません。そんな方は、通勤の時間を使って新たなジャンルの小説を読んでみたり、気軽に始められる勉強などをしてみてはいかがでしょう。新しいことにチャレンジするということによっても、立派な「1年生」になれます。

このように、新たなコミュニティへの参加、新たなことへの挑戦を続けることで、あなたは何回でも「1年生」を味わうことができます。もちろん下の学年になると、何事も未知の状態から始めなければならないとか、先輩への礼儀とか、いろいろと面倒なこともあるでしょう。しかし、精神を若く、ひいては体までも若く保つために、1年生であることはとても有効なことなのです。

*** 20代、30代のビジネスパーソンの方々からはだいぶ年齢が離れた例となりますが、筆者の両親も、新たな趣味を始めたり保護者同士のコミュニティに入ったりしたことで、それ以前よりも明るく元気になり、仕事にも精を出していました。趣味の面で精神を若く保つことで、仕事にもイキイキ取り組めるといいですね。

(参考) Wikipedia|偽薬 東洋経済オンライン|人間は「思い込み」だけでも死んでしまう!

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