みなさんは心理学用語にどのようなイメージをもっていますか? 難しそう、格式ばっていてとっつきにくい……などといったイメージを持っている方も多いと思います。

でも実際は、とても身近なもの。仕事や人間関係を見渡せば、心理学用語で説明できることがたくさんあります。ちょっと知っておくだけで、ビジネスにも日常生活にも役立てることができるのです。

今回は、誰もが使える心理学について、用語の解説を交えながらお送りしていきます。

心理学用語あれこれ

ではここからは、7つの心理学用語を紹介していきます。他人に対して使えるもの、自分に対して使えるもの、どちらにも使えるものと、種類はさまざまです。

1, ハロー効果

ハロー効果とは、ある対象を評価するとき、目立った特徴があるとそれに引きずられてしまい、ほかの特徴についての評価がゆがめられるという効果です。

例えば、ある人が難関大卒だったり字がきれいだったりすると、人間的にも優れていると思い込んでしまう、ということ。身なりが整っている人を見ると仕事がデキる人に見える、などという経験、きっとあるのではないでしょうか。ビジネスも人間関係も、まずは身だしなみから整えてみましょう。

2, ミラーリング

ミラーリングとは、名前の通り、相手の真似をするということ。人は、自分と同調しているものに好意を感じる生き物です。意識する、しないに関わらず、「真似る」という行為には、相手に対する尊敬や好意が込められています。ゆえに、自分のことを真似てくれる人は、仲間であり味方であると思うようになるのです。

恋愛テクニックのひとつとしてよく紹介されているものですが、ビジネスでももちろん応用できます。例えば、取引を成功させたい場合に、相手の仕草を真似ることで相手への尊敬や好意を行動で伝えるようにすると、信頼し合う関係が生まれ、取引の成功の手助けとなります。

3, ダブル・バインド

ダブル・バインドとは、一度に二つの選択肢を示し、断れない状況をつくりだすというテクニックです。

例を挙げると、相手を食事に誘うとき「食事に行きませんか?」というより、「土曜と日曜どっちに行きたいですか?」と聞くほうが断られにくいということ。「Yes/No」の選択肢よりも、「AとBのどちらがよいか」の選択肢のほうが、断りづらいですよね。ただ、あまりしつこくし過ぎると相手に悪い印象を与えてしまうことがありますので、注意が必要です。

4, ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイスとは、要求水準の落差を利用した心理学的テクニック。依頼や交渉をするとき、最初にハードルの高い要求を出して相手にいったん拒否させた後、要求水準を下げていき、最終的に自分の要求したことを飲んでもらいやすくするというものです。

人は誰かの要求を拒否すると、後ろめたさを感じます。この心理に働きかけるのがドア・イン・ザ・フェイス。一旦拒否すると、レベルの下がった要求は受け入れられやすくなるのです。

たとえば、いきなり「半年間契約してください」と提案しても通りにくいものですが、だんだんと契約期間を短くし、「一週間お試ししてください」に変えると、受け入れられやすいでしょう。

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5, ラベリング効果

ラベリングとは、ある人や事柄のごく一部を見ただけで、それがその人や事柄のすべてだと決め付けてしまうこと。ラベリング効果は、「○○な人」というラベリングをされた人は本当にそのような人になってしまうということを表しています。

例えば、素行に問題がある少年が、「非行少年」というラベリングをされ周囲にそのように扱われると、より悪い行動をとるようになるということです。これはラベリング効果がネガティブに働く例ですが、もちろん逆もあります。「仕事が丁寧だね」と褒めると、褒められた人は仕事が丁寧になっていくかもしれません。「褒めて伸ばす」とはこのことですね。

6, ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果とは、達成できなかった物事、中断している物事に対して、より強い記憶や印象を持つようになるという効果です。

過去に投げ出してしまったこと・失敗してしまったことは、より強く印象に残っていませんか? それこそがこのツァイガルニク効果です。

マーケティングなどでもよく使われる手法で、「続きはwebで!」などといって途中でCMを切ってしまうのが定番の使い方です。相手の興味関心を引きたいときに、活用してみてはいかがでしょうか。

7, 作業興奮

作業興奮とは、その名の通り、作業しているうちに興奮してくるというもの。最初は嫌々始めたことでも、とりあえず取り組んでいるうちに、やる気が出てくるということです。作業にとりかかると、脳の一部「側坐核」が活発になり、モチベーションが上がってくるという脳の働きを表しています。

例えば、何となく面倒で手を付けていなかった書類の整理。いざ始めてみるとそのうちに没頭してきて、いつの間にか終わってしまったという経験はありませんか? それが作業興奮です。

なかなか勉強をする気が起きなかったり、面倒な作業に取り組むのを億劫に思ったりしても、とりあえず行動し始めてみてください。

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以上、7つの心理学用語を紹介しました。仕事や勉強、日常生活にも密接にかかわっているものばかりで、意外と身近に感じられたのではないかと思います。今回紹介したものは、数ある心理学用語のうちのほんのわずかです。興味をもたれた方は、ぜひ様々な言葉を調べてみてくださいね。

(参考)
gooヘルスケア|ラベリング効果
Wikipedia|ハロー効果
コトバンク|ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
NARUHIKO’S WEBSITEお金と心を育てるブログ|ツァイガルニク効果の事例と使い方。マーケティング活用方法
リクナビNEXTジャーナル|日常でも応用効くかも!交渉の場で覚えておきたい心理学
若手社員(新入社員)の心理術・処世術・心理学辞典|ミラーリング・シンメトリー効果/心理効果・心理実験
東進ドットコム|池谷先生のカガクテキ学習法。作業興奮