社内での昇格や転職のために必要なTOEICの攻略本、就職に必要な資格取得の参考書などを買って取り組み始めたはいいものの、忙しさにかまけて三日坊主になってしまったという経験はありませんか。勉強に限らずダイエットや読書など、何かを習慣化させるのはなかなか難しいものですよね。

しかし一方で、毎日の洗顔や歯磨きが三日坊主になって悩んでいるなんて人はいないはず。そう、習慣化というのはもともと人間に備わっている能力なのです。

そこで今回は、物事を続けるための工夫を紹介します。「目標の立て方」「努力の仕方」「楽しむということ」の3つの工夫をとおして、物事を習慣化することができるようになりますよ。

1. 目標には具体的な階段をかけよう

“階段をかける” とは、目標達成までの道のりに細かく段階を設けて現実的な行動策にまで落とし込むということ。目標に具体的な階段をかけることで、目標に向かって今何をするべきかがわかりやすくなるはずです。

たとえば、現状400点であるTOEICスコアを半年間で400点アップさせ、800点取得するという目標を立てたとしましょう。

点数アップにはリスニングや長文読解力などさまざまな項目の訓練が必要ですが、ここではひとつの例として語彙を取り上げます。
仮に400点アップのためには今よりも語彙力を3,000語増やす必要があるとしたら、この目標を細分化し、一日に取り扱う単語の量を設定します。

3000語を半年で完璧に覚えるためには、その3000語を6周すると仮定します。そうすると、3000×6で18000語に触れることになります。半年で18000語ですから、月に3000語に触れることに。そうなると、1日あたり100語に目を通すことになりますね。

その際、1日でこなす量に無理があるようなら、目標自体を低めの堅実なラインにまで下げてしまいましょう。目標が高すぎると習慣化することが難しくなってしまうので、自分の実力をしっかり見極めて現実的な目標を立てることが大切です。仮に今の目標が低く感じられたとしても、一度目標を達成する快感を体が覚えたならば、次はさらに高い目標を達成できるようになりますよ。

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2. やるべきことを考える負担を減らす

次に行なうのは、やるべきことを考える負担を減らすということ。

いざ取りかかろうとしたものの、これからやるべきことが決まっていない状態では、せっかくの意欲が削がれてしまいますよね。そこで、やるべきことをあらかじめ細かく決めておくことで、勉強や作業を始める際の負担を減らすようにしましょう。

物事は往々にして「始める」という部分が最大の壁となっています。皆さんの中にも、重い腰がなかなか上がらなかったものの、とりあえず始めてみたら意外と作業が進んだというご経験がある方も多いのではないでしょうか。

そのためには、いざ始めようとしたときにあなたの行動や意欲を抑制してしまう要因をできるだけ減らすことが大切です。「今日はこれをやる」といった計画は、例えば前日の勉強や作業の終了時に立てるなど、できるだけ事前に考えておくようにしましょう。

実際に取りかかり始めることができれば、ある程度の進捗を生むことができるでしょうから、「進んでいる」という実感を得られます。それが小さな達成感を生み、継続を後押ししてくれますよ。

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3. 苦であることは長続きしない

最後に当たり前ですが、苦であることは長続きには向きません。それを苦であると感じ続ける限り、継続には高いモチベーションが必要となってくるからです。

そこで苦を減らし、楽しみを増やすことを考えましょう。そのためには、ドーパミンのような快楽につながるホルモンを分泌している状態を作るのが大切。ドーパミンは様々な理由によって分泌されますが、注目すべきは新しい体験や成功体験によっても分泌されるということです。

漫然と勉強を進めるだけでなく、たとえば計画通りテキストを完了できたときは自分で自分をほめるようにしましょう。あるいは「これは昨日覚えた単語だ。先週は読めなかったけど、今はこの長文の意味がわかるぞ」など、新しいことを覚えたと思ったらちゃんと感動することで、ドーパミンの分泌につながります。

またドーパミンは楽しいことを考えたときにも分泌されるので、目標を達成できたときの喜びを想像することも効果的です。

楽しいことを考えると、脳内の快感神経が刺激される。そしてドーパミンという神経伝達物質が出される。ドーパミンが分泌されると、人間は何に対しても積極的になれる。

(引用元:内藤誼人著(2012),『「努力」が報われる人の心理学』,PHP研究所.)

心理学者・内藤氏の著書によると、世界の音楽史上最も売れたアーティストの一人でもある、歌手セリーヌ・ディオン氏は、5歳のころから心の中でレコードを何百万枚も売ることを思い描いていたといいます。明るい未来で胸をいっぱいにしながら、歌手になるトレーニングを続けたからこそ、辛いトレーニングにも耐えられたのでしょう。

セリーヌ・ディオン氏のように明るい未来を想像することでドーパミンを分泌させられれば、高いモチベーションを持ち続けることができますよ。

ドーパミンは脳内麻薬と呼ばれ様々な依存症のもとになっている物質ですが、成功体験中毒になってしまえば、どんな習慣化もお手のものになるでしょう。

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三日坊主は行動の第一歩目を歩みだしているという点で、すでに評価すべきことです。習慣化することができるようになれば、今まで想像もしなかったような楽しい世界にいつかたどり着けるはずです。皆さんも何かに取り組む際の参考にしてみてくださいね。

(参考)
All About|やる気、モチベーションを持続させるには
石田淳著(2008),『子どもの成績を伸ばす1日10分読書』,PHP研究所.
東京都健康長寿医療センター研究所|脳内物質ドーパミンのはたらき
教えて認知症予防|パーキンソン病・パーキンソン症候群 ドーパミンってなんだ?
内藤誼人著(2012),『「努力」が報われる人の心理学』,PHP研究所.