この連載では、日々発生する仕事を計画する方法を紹介してきましたが、仕事でも勉強でも、長期的に進めていきたい課題もありますよね。これを計画的に進めていくのって、なかなか難しいものです。

実際にも、そういうお悩みをよく聞きます。仕事であれば「目先の仕事に追われて、長期的に進めていくべき課題がおろそかになっている……」という声をよく聞きますし、勉強では「今年は〇〇を勉強しようと決めたけれど、全然進んでいない……」なんて話がよくあります。

これらをうまく進めていくためには、どうすればいいのでしょうか? 「長期的な計画を立てる」ことが重要なのはもちろんですが、ただ計画を立てただけではうまくいかないことも多いものです。ただ計画を立てるのではなく、実行しやすい計画にするためのポイントを紹介していきましょう。

長期計画を実現するために最も重要なこと

先ほどの「目先の仕事に追われて、長期的に進めていくべき課題がおろそかになっている……」というお悩みは、年代を問わずいろいろな人からよく聞きます。経験豊富な管理職の人でも、こういうお悩みを持っていることが多いです。それだけ難しさがあるんですね。

でも、うまくいかないのにはちゃんと理由があります。こういうお悩みをお持ちの人に共通するのは、長期的な課題や計画を持っていても、毎日使うスケジュールにその内容が反映されていないという問題です。毎日見たり書いたりするスケジュールに載っていないものは、どうしても忘れがちになりますし、なかなか実現できないのも当然です。

逆にいうと、毎日使うスケジュールに反映させやすい長期計画を立てれば、それだけ実現しやすくなるということです。そのためのポイントは、“長期計画をどう区切るか?” というところです。

一般的には、長期的な計画の区切りを月単位で考える人が多いです。「1月にここまでやって」「2月はここまで」……と決めるわけですが、これは幅が広すぎてなかなかうまくいきません。「今月中にやればいい」と思うと、油断してしまうことも多いですよね。逆に1日単位で細かく計画を立てると、計画を立てる時点で大変ですし、立てたとしてもなかなか計画通りには進まなくて、やる気がなくなってしまうことが多いものです……。

これらの問題に心当たりのある人は、月でも日でもなく、週単位で計画を立ててみてください

そもそも、普段のスケジュールは週単位で見ることが多いですから、長期計画もそれに合わせておくほうがいいんです。そうすると、長期計画の内容を毎週のスケジュールに落とし込みやすくなり、それだけ実行しやすくなるのです。

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手軽に作れる長期計画

では、週単位での長期計画を考えてみましょう。週で区切って計画していくためには、単純に表の形式にしておくのが便利です。

使うものは、「週」で区切ることができれば、何でも構いません。手帳やノートに線を引いて日付を書いても構いませんし、Excelなどの表計算ソフトを使っても構いません。それぞれの週が分かるように日付を入れれば準備OKです(表計算ソフトならば、関数を使って日付を自動で入れることもできます)。

日付が入ったら、それぞれの週に何を行えばいいか、考えていきましょう。ここで大事なことは「自分が何を行うべきか」をある程度具体的にしておくことです。たとえば、何か大きな会議がある場合、会議は1日で終わりますが、その準備には何日もかかることがあります。この準備段階として、何を行うかを書いておくわけです。

また、長期的な課題が複数ある場合は、それらをできるだけひとつの表にまとめてしまうことをおすすめします。表の列ごとに、それぞれの課題を割り当てるわけです。

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こうすると複数の仕事がどう重なっているかが分かりやすくなりますし、特定の週に仕事が集中している場合に気づきやすいです。もし仕事が集中しそうな週があれば、それをどう分散させるか(何かを前後にずらせないか?)を考えてみましょう。

勉強などの計画を立てる場合も同様に、週単位でやるべきことを考えてみましょう。何かテキストなどがある場合は、週ごとにどのページまで終わらせるかを書くだけでもかなり具体的な計画になりますし、1週間あたりのボリュームが分かりやすくなります。勉強の場合はもう1列使って復習の計画も立てておくと、さらに効果的な計画となります。

その週のスケジュールに落とし込む

長期的な課題を週単位の計画にしてみると、それだけで見え方や感じ方も変わってきます。

たとえば「〇月末までに終わらせよう」と考えるのと、「あと〇週間で終わらせよう」と考えるのは、ちょっと違いますよね。前者は点(期限)でとらえているのに対して、後者は線(長さ)でとらえている感じです。後者のほうが、より具体的に課題を認識することができますし、期限が迫ってきていることを、より正しくつかむことができます。これも週単位で計画するメリットなんです。

ただし、前半で述べたように、長期的な計画を立てるだけではなかなか実現しないので、毎週のスケジュールに落とし込むことが必要です。各週のやるべきことを、それぞれの週のスケジュールに入れていきましょう。

下の図は第3回「タスクは「実行日」に書け! “本当に使える” タスク管理の方法とは?」と第4回「“空き時間” を可視化せよ! 「スケジュール管理」を「時間管理」に変えるコツ」でも紹介した図ですが、上の部分に入力してあるのが、もともと長期計画にあった項目です。このように入力しておくと、その週にやるべきことを忘れずにすみます。

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さらに具体的に計画するには、この項目を「タスク」のレベルに分解して、それぞれ実行日を決めて書いておきましょう(第6回「「時間があるときにやろう」では何も進まない。仕事の先延ばしを防ぐ方法」で紹介した方法です)。こうすると、それぞれの日にやることが明確になってきます。

長期的な課題はそのままでは取りかかりづらいものですが、まず週単位で分解して、それをそれぞれの日のタスクにすると、実行しやすくなります。長期的な課題がうまく進んでいないと感じている方は、ぜひ試してみてください。

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この連載では、10回にわたって時間管理の方法を紹介してきましたが、今回が最終回です。時間管理というと、計画を立て、実行するために自分を厳しく律するようなイメージを持つ方が多いのですが、そんなに厳しく考える必要はありません。自分がやろうと思っていることを整理し、可視化するだけで、人の行動は自然に変わってくるものです。気分的にもすっきりして楽になることが多いので、ぜひ試してみてください!

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