自己効力感を高めると勉強も続く! 勉強嫌いを克服する4つのポイント

受験勉強や資格試験の勉強をしなければならないが、モチベーションが続かない。頭では「やらないと」と思っていても、すぐにやる気がなくなってしまいSNSやネットサーフィンに逃げてしまう。

このような悩みを持っている方は少なくないと思います。物事を継続するのは、とても難しいことです。つらい勉強であればなおさら、続けるのは簡単ではないでしょう。

今回は、勉強を「続ける」ためのモチベーションを保つうえで意識したいことを、「自己効力感」という言葉をキーワードにして、紹介します。

自己効力感とは

自己効力感とは、人が何かの課題に直面した時に、「こうすればうまくいくはずだ」と考えた行動を「実行できる」と思える自信のこと。心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念で、動機づけに大きな影響をもたらしていると言われています。

バンデューラによれば、人の行動から成果に至るまでには2つの期待が存在するのだそう。1つは「成果期待」といって、「Aという行動をとればBという成果が得られるだろう」という期待。例えば、「本番までに毎日英語を5時間勉強すれば、TOEICで800点取れるだろう」といったようなものです。

もう1つの期待が「効力感期待」というもので、これが先ほど紹介した「自己効力感」です。上記のような行動を実行に移せる自信があるという感覚のこと。「本番までに毎日英語を5時間勉強できる」という自信があれば、自己効力感が高いと言えます。

高い自己効力感、つまり物事をやり遂げる自信があれば努力を続けることができますし、より高い目標にもチャレンジすることができるでしょう。逆に言えば、「努力しても成功する自信がない」と思っているような自己効力感の低い状態では、そもそも努力しなくなってしまいます。

勉強を続けるためには、「勉強すれば成果がでる」という強い期待を持つとともに、勉強をやり遂げる自信を持ち続ける必要があるのです。

自己効力感を高める要因

バンデューラによれば、自己効力感を高める要因は4つあります。

1つ目は「直接の成功体験」。実際に成功体験を積むことで「やればできる」という感覚を強めることです。例えば、模擬試験でいい成績を取ることができると、「ここまで勉強してきたことは正しかった」と自信が深まり、やる気が湧きますよね。

2つ目は「代理的体験」。自分が直接体験していなくても、うまくやっている人を見ることで、「自分もうまくいきそうだ」と感じることです。例えば、身近な友人がダイエットに成功したのを見ると、「その方法なら、自分も体重を落とすことができるかもしれない」と感じることがあるでしょう。それがまさに代理的体験です。

3つ目は「言語的説得」。褒められたり励まされたりすることで自信が湧くことや、やり方を丁寧に教えてもらうことで「自分もやればできそうだ」という感覚を持つことを指します。信頼する先生や尊敬する先輩から「こうすればあなたにもできるよ」とアドバイスをもらうことで、自信を深めるようなことです。

4つ目は「生理状態」。やる気が続くためには、心身の状態が健康であることが大切であるということです。例えば、イライラして集中できないとか、緊張して心臓がドキドキするといったような状態ではなく、平常心を保つことで、自信をもって行動し続けることができるのです。

この中で最も自己効力感を高める効果が高いのは、1つ目の「直接の成功体験」だと言われています。そのため、いかにして成功体験を積むかが、勉強を継続するためのポイントとなるといえるでしょう。

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自己効力感を高めるためには

では、これら4つの点を踏まえて自己効力感を高めることにより、勉強を続けるモチベーションを保つ具体的な方法について、考えていきたいと思います。

1.「直接の成功体験」を積む方法

もちろん成功を重ねていけば一番手っ取り早いのですが、それができていたら「勉強が続かない!」などと悩むことはないはずですよね。そこで紹介したいのが、小さな成功体験を作るという方法です。

オススメは「タイムプレッシャー勉強法」。脳科学者の茂木健一郎先生が提唱している方法で、自分で制限時間を定めて自分でプレッシャーをかけながら勉強するというもの。問題を解いたり暗記をしたりするのにこまめに制限時間を設け、それに間に合うようひとつずつ課題をクリアしていきましょう。小さな成功体験を重ねれば、モチベーションの維持につながります。

ここで注意したいことが、制限時間を短くし過ぎないことです。脳の働きを高めるためには脳に負荷をかけることが大切なので、ギリギリクリアできるくらいの時間を定めるようにしましょう。

2.「代理的体験」を積む方法

同じ目標を達成したことのある知り合いや先輩を観察してみてください。彼らは、どのような方法で勉強の時間を捻出したのか、どんな本を使って勉強していたのか、自分が実践するつもりで見てみるのです。また、成功体験談を聞くのも効果的。成功を身近に感じることでモチベーションを保ちましょう。

3.「言語的説得」を得る方法

同じ目標を持つ仲間を持つことが効果的です。自分と同じように仕事をしながら英語を勉強する友人、同じ資格を目指す同僚などを見つけましょう。行き詰った時には互いに励ましあい、進歩が見えたときには互いに褒めあう、そんな関係でいることのできる仲間が理想です。「代理的体験」とも似てきますが、すでに成功した先輩などから具体的に励ましてもらうのも良いでしょう。

4.「生理状態」を良好に保つ方法

当たり前のようではありますが、無理をしすぎないことが大切です。睡眠時間を削り過ぎたり、1人で考え込みすぎたりすることのないようにしましょう。勉強にはリフレッシュも大切です。やる気が長く続くよう、工夫してみてください。

*** 成功するかわからない状況で努力を続けることは、本当に難しいものです。今回紹介したことを意識して、自分が成功する姿をできるだけ明確に想像して、勉強するモチベーションを保つようにしましょう。

(参考) HITACHI|【第3回】自己効力感 ~小さな成功の積み重ねを大切に~ コトバンク|自己効力感 茂木健一郎著(2010), 『脳を活かす勉強法』, PHP研究所.

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