みなさんの職場には、「残業禁止」や「定時上がり推奨」というルールがありますか?

このルールによって、以前と業務量があまり変わっていないにもかかわらず職場で働く時間が制限され、実際には仕事をするのがむしろ大変になってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。

企業方針が簡単には変えられないことを考えると、自身の仕事をできる限り効率化して生産性を上げるのが手っ取り早い改善案でしょう。そこで今回は、仕事にひそむムダを省く方法についてお伝えします。

「働き方改革」が叫ばれているけれど……?

公益財団法人日本生産性本部が2017年12月に発表したデータによれば、2016年の日本における就業者1人あたりの労働生産性は81,777ドルで、アメリカの約66%だったそう。主要先進7ヵ国においては、データ取得可能な1970年以降、日本は最下位から脱出できていません。

そんな中、政府が推進する重要なテーマの1つである「働き方改革」では、長時間労働の削減と生産性向上が謳われています。しかし、企業の改善策として単に労働時間を減らすことだけに焦点が当てられている場合も少なくありません。

そのため、働き方がむしろハードになり、以前よりもストレスを抱えてしまうようになったビジネスパーソンの方ももしかすると中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

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実際に仕事効率化を行っている企業

そうはいっても、企業全体で仕事効率化のための工夫を行っているところもあります。
例えば、西川物産株式会社では、これまで材料発注の際に発注伝票を手書きで作成し、さらにその結果をコンピュータに入力していたところを、新たな生産管理システムを導入することで手間を減らし効率化を実現したのだそう。

このように、仕事のやり方によっては、生産性を上げることも不可能ではありません。たとえ企業全体でなくとも、自身の業務を見直しムダを省いた上で効率化を行うことができれば、仕事の大変さを少しは緩和できる可能性があるのです。

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仕事のムダを省き、効率化する方法

では、私たちはどうすれば自身の仕事を効率化していくことができるのでしょうか。業務のムダを省くには、「ECRS」という改善の4原則がきっと役に立つはずです。「ECRS」とは、Eliminate(排除)、Combine(結合と分離)、Rearrange(入替えと代替)、Simplify(簡素化)の頭文字をとったフレームワークで、業務改善のための順番と方法を示しています。これらのステップを具体的にご紹介しましょう。

1.Eliminate(排除)
4つの中で最も改善効果が高いのが「Eliminate(排除)」です。現在行っている業務の中で、やらなくても問題ないと考えられるものはありませんか。もし不必要な作業を排除することができれば、業務の手間がよりかからなくなるでしょう。

例えば、ただ長いだけの会議の時間を短縮した分、他の作業に回せるとしたらどうでしょうか。今よりも多くの業務をこなすことができ、わざわざ残業する必要がなくなるかもしれませんよ。

また、ある業務において厳しすぎる決定基準があれば、支障のない程度に緩めてみるのも良いでしょう。完璧主義になるのは悪いことではありませんが、簡単な書類作成に対してもこだわりすぎていると他の業務に遅れが出てしまう可能性があります。

2.Combine(結合と分離)
類似していたり重複したりしている業務を一部に集中させることで、効率化を目指すことができます。

例えば、これまで部署内で分業していたことが1人でもできる作業だとします。他の人と余計なやり取りをせずに済ませてしまう方がおそらく作業スピードは早くなるでしょう。業務に必要な設備や人手も減らすことができるため、より幅広い業務をより短い時間で行うことが可能なのです。

3.Rearrange(入替えと代替)
決まった業務プロセスをそのまま鵜呑みにして作業をしてはいませんか。「Rearrange(入替えと代替)」では、業務量自体を減らすのではなく、作業順序や場所、人などを置き換えることによって業務の適正化を計ります。

先ほど挙げた生産管理システムの導入がこれにあたるでしょう。また、個人レベルであれば、取り組む順番を一部変えたり2つの作業を並行させたりするだけで、効率を上げられるようになるかもしれません。例えば、他の人に頼まれた仕事が3つあるとしましょう。しかし、必ずしも頼まれた順に1つ1つ取り組む必要はなく、前後させても構わないのです。

4.Simplify(簡素化)
最後に取り組むべき「Simplify(簡素化)」は、作業時間やルートを短くしたり、手順や仕様を簡略化したりする方法です。

例えば、商品開発において、製造が複雑なものよりも簡単なものを選べば、かかる時間や抱える負担は単純に少なくなると考えられます。ただし、簡素にしてしまっても本当に良い部分かどうかの判断が重要となるため、効率のためと称してやみくもに簡素化を行うのは注意が必要です。

***
時短のみに固執せず、生産性にも注目してみると効率化のカギが見えてくることでしょう。適切な現状把握を行いながら、お伝えしたフレームワークをぜひ活用してみてください。

(参考)
公益財団法人日本生産性本部|労働生産性の国際比較2017年版
Microsoft For Business|小さなことからコツコツと。仕事効率化が『働き方改革』って知っていましたか?
株式会社 日本能率協会コンサルティング|ECRS(改善の4原則)
DIAMOND online|なぜ仕事が終わらないのか?生産性をあげる究極のコツ
日経Bizアカデミー|第6回 解決策を見つける切り口、ECRS
日経ビジネススクール|効果てきめん、「仕事のムダを一掃する」4つの視点
NEC|西川物産株式会社様:事例紹介