時間がないなら "重ねて" 使う! 「ながら」作業の3つのコツ

忙しいビジネスパーソンだからこそ、家で過ごす時間は有意義に使いたいものです。将来に役立つ勉強だったり、健康な体を維持するためのトレーニングだったり……。でもなかなかそうはいかないのが現実です。仕事を持ち帰った場合は優先的に取り組まなければいけませんし、溜まった疲れを癒すためのリラックスする時間だって必要です。そうなると、本当に使える時間はさらに限られてきてしまいますよね。

なんだか時間が足りない……、そんな悩みを持つ方には「ながら」をおすすめします。なぜならば、2つの物事を同時にこなすことで時間を「重ねる」ことができるから。これだったら、限られた時間も有効に使えそうな気がしませんか?

今回は「ながら」の良さとその取り組み方を紹介していきます。

「ながら」の良さ

「ながら」の良いところは、2つの物事を同時進行させることによって時短になるという点だけではありません。うまく取り入れれば、一方の行動が他方の行動に良い影響を及ぼす“相乗効果”も期待できるのです。

例えば、勉強と運動。どちらもそれだけで取り組もうとすると、少々つらく感じるのではないでしょうか。“英語音声を毎日15分聞こう”と決めてみても、途中で飽きてしまって結局半分も聞けなかったり、“3kmをランニングしよう”と決意しても、最後のほうで疲れて「もういいや」と諦めてしまったり……。

ここが「ながら」の出番です。つまり、この2つを組み合わせて「英語音声を15分聞きながら3kmをランニングしよう」といった目標を決めてしまうのです。こうすることにより、片方ずつ取り組んでいるときにはない様々な効果が生まれてきます。

まず、この目標を達成するためには、ランニングをしながら英語音声の残りがあと何分かを把握しておく必要がありますよね。すると「残りを聞き終わるまでに3kmを走りきらなければいけない」といったタイムリミットが生まれます。このようなゲーム的な要素が加わることで、モチベーションが落ちやすい終盤であっても踏ん張りがききやすくなるのです。

また、毎回同じ英語音声を使って同じコースを走る場合は、“場所”と“音声”の結びつきが耳の集中を促してくれるでしょう。「ここを通り過ぎるときにはこの英文が流れるはずだ」といった具合ですね。意識の先が自然と英語音声に向くわけですから、集中力を維持しやすいのです。

そして、そもそもランニングは、頭脳を複雑には使わない単純なトレーニングです。この時間帯を、英語リスニングのように頭を使う勉強に充ててしまおうという考え方は、感覚的にも理にかなっている気がしますよね。

このように、2つのことを「ながら」でやれば様々な相乗効果が期待できます。 ではどうすれば「ながら」をうまく取り入れることができるのでしょうか? ここからは「ながら」を最大限活用するための3つのコツをご紹介します。

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1. “体×頭”で組み合わせる

基本スタンスは、「体×頭」です。心理学的には、脳は複数のことを同時に考えることができないのだとか。「テレビを見ながら勉強」などの「ながら」が悪いとされるのは、頭がテレビの内容を理解し、なおかつ勉強もしなくてはいけないから。頭を使うことを同時に2つやっても相乗効果は生まれず、むしろどちらも中途半端になってしまいます。また体も1つしかないですから、「ランニングをしながら筋力トレーニング」なんてことも無茶ですよね。

よって「ながら」をする場合には、先ほど例として挙げた「ランニング×リスニング」といったように、「体×頭」の組み合わせで実践する必要があります。

体だけを使っている時間があったら、「この時間で勉強ができないか」と考えてみてください。例えば髪型を整えているときには、YouTubeなどの動画サイトを利用してマーケティングや会計の講義の音声を聞くのはどうでしょう。ただ専門書の文字を追うのと違って眠たくはなりませんし、毎日繰り返し聞いていればだんだんと頭に入ってきます。

頭だけを使っている時間も同様。「この時間で体を使って何かできないか」と考えましょう。英語のラジオを聞きながら服にアイロンをかけるようにすると、勉強しながら日々の雑務を片付けることができますね。

そんな生活は慌ただしくて嫌だ、という方もいるかもしれません。しかし「ながら」で節約できた時間は、映画を見ても良いですし好きな本を読んでも良いのです。つまり、まったくの「自由な時間」。同時進行で取り組めることがないかと考えるクセをつけることで、どんどん時間を重ねられるようになり、自由な時間をグッと増やすことができます。

2. 毎日取り組んで習慣化する

「ながら」を取り入れた直後は慣れないこともあり大変かもしれません。しかし一度習慣化してしまえば、つらさや大変さはだんだんとなくなっていくもの。そして長期的に見れば、やらなければいけないことを「ながら」で片付けたほうが、心にもゆとりが生まれるはずです。「好きなことをするためにそれ以外をさっさと終わらせる」というスタンスで考えれば、さほど抵抗も感じないのではないでしょうか。

髪を整えているときには「英語の音声が聞こえないと落ち着かない」と思うくらい、毎日「ながら」を取り入れましょう。最初は違和感があるかもしれませんが、慣れてしまえば、まったく苦に感じることなく実践できます。

「ながら」に限らず、どんなことも最初は面倒くさいもの。コンタクトレンズを付けている方も、はじめのうちは「面倒くさいな」と思ったのではありませんか? 毎日やって習慣になったからこそ、だんだんと煩わしさを感じなくなったはずです。

一度習慣化してしまえば「これとこれを別々にやってたなんて効率悪すぎて信じられない」とさえ思えてきますよ。

3. 1日を見直してみる

取り組んでみようと思っても、実際に何と何を「ながら」で組み合わせれば良いのか悩んでしまいますよね。それを考える上でおすすめの方法が「列挙して組み合わせる」という方法です。

【1】1枚の紙を用意して、「体メインの(頭を使わない)作業」を右側、「頭メインの(体を使わない)作業」を左側にリストアップします。制限時間を5分と決め、思い浮かぶものを全て書いていくようにすると、あとの作業がしやすくなるでしょう。

【2】「右側×左側」で同時にできることがないか考えます。できそうなものがあったら、さっそく実践してみましょう。

アイディアに関するハウツーが書かれた本の中でも不動の人気を誇る名著『アイデアのつくり方』でも紹介されている方法です。1日の行動を冷静に見直して効率化することができるので、ぜひやってみてください!

*** 最初は面倒くさく感じるかもしれませんが、慣れれば自己投資やリラックスのために使える時間がどんどん増えていきます。「ながら」をうまく取り入れて、ゆとりのある生活を送りましょう。

(参考) 小山龍介著(2008),『STUDY HACKS!』,東洋経済新報社. 赤羽雄二著(2013),『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』,ダイヤモンド社. ジェームス・W・ヤング著,今井茂雄訳(1988),『アイデアのつくり方』,CCCメディアハウス. Study Hacker|大人の勉強は「ゲーム化」で継続! ゲームに学ぶ “続ける” しくみ。

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