成功したいなら怠けるべし! 生産性をあげる「怠け方」の技術

集中力が続かずついつい休憩を多めにはさんでしまい、思ったほどのスピードで仕事が進まない。そんな自分を責めていませんか? 勤勉さが重視される日本の風潮もあり、就業時間中は100%仕事に集中しなければならない、怠けた姿を上司に見せるわけにはいかないと、頑張りすぎてしまう人は多いですよね。

しかし、実は怠けることも仕事のうちなのです。「バッファ」と呼ばれる正しい怠け方を取り入れることで、今まで以上に仕事がはかどるかもしれませんよ。今回は、どうして怠けることが必要なのか、仕事をするうえで効率的な怠け方を紹介します。

怠けることの必要性

では、仕事中に「怠けること」が必要なのはどうしてでしょうか。これには人間の脳の特性が関係しています。私たち人間の脳は非常に高度に発達しているため、脳がフル稼働したときは多くの糖分を消費してしまい、疲労がたまってしまいます。

たとえば、チーターは獲物を狩るときに時速100キロ以上という驚異的な速さで走ることができますが、実は彼らの能力は短距離限定。そんな速度で走り続けられるのは10秒から数10秒、彼らは長時間速く走ることはできないのです。そして人間の脳も同じように、脳にきちんと仕事をこなしてもらうには、正しく休憩をはさんでクールダウンする必要があります。

怠けている=待機している

このように、仕事全体の効率アップのためには怠けることが必要なのですが、だからといって思いついたときに好きなだけ怠けてよいわけではありません。仕事の中で怠ける割合は、約「2割」と考えておきましょう。「2割も怠けていいの?」と思うかもしれませんが、その2割の中にはお昼休みやコーヒーブレイク、喫煙などの気分転換も含みます。就業時間のうちで「しっかりと仕事に打ち込む時間」を2割作り、脳を休める時間を2割残すというのが理想なのです。

これは2-6-2の法則という経験則に基づいています。この法則は働きアリの法則とも呼ばれており、アリのコロニーは「2割の働きアリ」、「6割の普通のアリ」、「2割の働かない(怠け)アリ」から構成されているからです。この割合は状況によって再編成され、2割の働きアリを取り去っても、2割の怠けアリを取り去っても、それぞれのアリの役割が変わって再び2-6-2になることが研究でわかっています。

これは非常に不思議な事実ですが、つまりこの2割のアリは「怠けている」というわけではなく、「待機している」と考える方が自然なのです。私たち人間にも、この怠けアリのような「怠ける時間」が日々の仕事スケジュールの中に必要となってくるのです。

予備の時間としての怠け

バッファという言葉をご存知でしょうか? この言葉は英語で「緩衝材」という意味を持ち、スケジュール管理をするときに使われ、主に「予備の時間」や「もしもの時のための余裕や助っ人」という意味になります。

そしてこれがまさに正しい「怠ける時間」なのです。スケジュールに、この予備の時間を差し込むことで、万が一急な予定変更があった場合でも、焦ることなく対応でき、その先のスケジュールに影響が出ることが少ないのです。つまりこのバッファの時間は、具体的に仕事を進めているわけではありませんが、仕事を円滑に進めるために必要な時間ということになります。

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怠ける時間の確保

それでは、正しく怠ける時間を確保するための計画を立てましょう。

たとえば、現在午前10時だと想定して3時間後の会議までに2つの仕事(どちらも1時間程度の会議用書類)を片付ける必要がある場合は、以下のように、あらかじめ怠ける時間を確保することで、急なトラブルや予定変更にも対応することができます。

10:00~11:00【仕事1】 11:00~11:15【怠ける時間(バッファ)】 11:15~12:15【仕事2】 12:15~12:30【怠ける時間(バッファ)】 12:30~13:00【昼休憩】 13:00~   【会議】

このように怠ける時間を確保しておくことで、取引先からの電話が長引いてしまったとしても、上司からちょっとした頼まれごとをされても、焦ることなく無事に2つの仕事を会議までに終わらせることができるでしょう。

もし怠ける時間を確保せず、10:00~12:00の2時間で2つの仕事を終わらせようとした場合、昼休憩を含む1時間の余裕ができます。すると空き時間を有効活用させようと、新たな仕事を入れてしまうかもしれません。そうなった場合、取引先への電話応対がぞんざいになってしまったり、時間に追われてしまったがためにミスの多い書類になってしまう可能性が出てきます。そして結果的に大きな被害や損害を生んでしまうかもしれません。

また、「30分くらいで終わるだろう」と新たな仕事を気軽に引き受けたはいいものの、新たな仕事に時間を費やしてしまい、自分の仕事が終わらないといったトラブルも、「怠ける時間」を確保することで防ぐことができるでしょう。無理なスケジュールを立てることがなくなるので、結果的に仕事効率が上がります。

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怠けてはいけない、という意識は大切ですが、きちんとメリハリをつけながら上手に「怠け」られるようになりましょう。

(参考) ITmedia エンタープライズ|バッファ管理で、想定外のトラブルを乗り切る――スケジュール管理の手順を図解する 起業tv|“バッファ” 管理すれば仕事が楽しくなる!? OL2人のスケジュールから見るバッファの効果 Weblio辞書|2-6-2の法則 カタリスト|人はなぜ変われないのかーー計画の錯誤、"イエスマン"ばかり集めない

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