私たちの人生は1回きり。だからこそ誰よりも充実した毎日を送りたいものですし、特にビジネスパーソンの方であれば、自分なりの仕事の成果もしっかり出したいと考えているはず。
とはいえ、生きていく際にどうしてもついてまわるのが「悩み」。仕事やプライベートを問わず、悩みから解放される時間がほとんどなくて毎日が少しつらいと感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし裏を返せば、「悩み」は “向上したい” という思いの表れ。それをうまく糧にすることができれば、私たちはより成長していけるはずです。そこで今回は「悩み」を成長に結びつける方法をご紹介します。
なぜ人は悩むのか?
そもそも私たちはどうして悩んでしまうのでしょうか。仕事がうまくいかない、今の給料に満足していない、恋愛で失敗してしまった、思い通りの人生を歩めていないような気がする……。ひと口に「悩み」といっても、そこには様々な種類がありますよね。
しかし、心理カウンセラーの小杉茂氏は、そういった悩みの根本的な原因について以下のように述べています。
実は、その悩みのパターンは本当はたった一つのことなのです。「本当になりたい自分になれない。」という「無意識」と「意識」の葛藤です。
(引用元:ボトルボイス|人はなぜ悩むか?悩みから抜け出す方法は?)
私たちは心のなかで「自分は〇〇でありたい」「これは△△であるべき」といった理想や価値観を持っています。しかし、今の自分自身がその理想に到達していなかったり、見たり聞いたりしたことが価値観とかけ離れていたりすると、現実との間にギャップが生じてしまうことになります。そのギャップをネガティブに解釈してしまうことで「不安」「悲しみ」「不満」といった負の感情が湧き起こり、結果として「悩み」に陥ってしまうのです。
悩むことにもメリットはある!
「悩み」は確かに、私たちを煩わせるものです。悩むこと自体が精神的な負担になりますし、悩みを早急に解決しようと思うあまり、過度に自分を追いこんでしまうこともあるでしょう。あるいは、なかなか悩みが解消されないがゆえに「自分はできない人間だ」などと自己嫌悪に陥り、さらなる深みに嵌りこんでしまうことも。
しかし、悩むことを別の角度からとらえてみると、そこにはポジティブな側面も存在することがわかります。心理学者の東山紘久氏は次のように言っています。
悩みとは すなわち向上したい思いです。
(引用元:名言コツコツ|悩みとは すなわち向上したい思いです。)
先ほども説明した通り、悩みは単に「現実」があるだけで生じるものではありません。私たちの心の中に、信念や価値観といった「理想」があるからこそ生まれると言ってもよいでしょう。
つまり悩んでいるということは、自分の理想と現実との間にあるギャップを自らしっかりと認識しているということ。そこには「決して現状に満足していない」という向上心が潜んでおり、理想に近づくチャンスが眠っているのです。
そのチャンスを無駄にしないために、ここからは実際に「悩み」を成長に結びつける方法を2つご紹介していきましょう。
1. 「大きな理想」を「小さな理想」に分割する
理想があまりにも果てしなかったり漠然としていたりすると、たどり着くまでの道のりも非常に長く困難なものになってしまいます。それでは「理想」はいつまで経っても「理想」のままであり、私たちは悩み続けてしまうことになりかねません。
漠然と「できるビジネスパーソンになりたい」という理想を抱いていたとしても、そもそも何を満たせば “できるビジネスパーソン” と呼べるのかがわかっていなければ、理想に向けて動き出すことさえできません。
そこで、こういった「大きな理想」は「小さな理想」に分割してみることから始めましょう。「できるビジネスパーソン」の例でいえば、「基本的なビジネスマナーをしっかりと使いこなせる」「数値目標を毎回きちんと達成できる」「職場の仲間と良好な人間関係を築けている」「専門的な知識が身についている」など様々挙げられるでしょうし、これらひとつひとつも、さらにもっと細かく分割していけるはずです。
このようにして分割した「小さな理想」を達成することを毎週の目標として定め、1週間を過ごしてみてはいかがでしょうか。目標に基づいてきちんと行動しているという自覚がモチベーションのアップにもつながるでしょうし、たとえ小さくともそれらひとつひとつを達成していくことができれば、それはすなわち大きな理想に着実に近づいているということにもなります。
もともとの「大きな理想」ももちろん大切にするべきではありますが、それに過度に執着してはいけません。まず達成すべきはあくまで「小さな理想」であることを意識したうえで、日々行動してみましょう。
2. 心の棚卸しを行なう
多くの悩みが心に溜まっている状態では、目の前の物事に集中することができません。そこで、心の棚卸しを行なうことをおすすめします。
紙とペンを用意して、心のなかに渦巻いているネガティブな感情を言葉として書き出してみましょう。自分が何について悩み、何に対して不安を感じているのかを客観的に視認できるようになりますよ。
心理学者の内藤誼人さんも、以下のように言っています。
もやもやしたときに思いを言葉にすると、気持ちを外に取り出すことができる。書くこと自体がストレス発散になる
(引用元:日経ウーマンオンライン|書くとなぜこころが整理でき、強くなるの?)
このとき、悩みの理由などをいちいち細かく分析する必要はありません。とにかく思いついたままで大丈夫ですので、悩みを外に出すことに注力しましょう。
ネガティブな感情に苛まれている状態では、物事を悪くとらえてしまう傾向にあります。紙に書き出して悩みをアウトプットすることで冷静な思考が取り戻されますから、どこから改善していけばいいかといった具体的な対処方が見えやすくなり、実際の行動にもつなげやすくなりますよ。
*** 悩むことに過度の抵抗を持つ必要はありません。悩んだ分だけ、あなたの可能性は広がっていくはず。「悩み」をどんどん自分自身の武器に変えていきましょう!
(参考) ボトルボイス|人はなぜ悩むか?悩みから抜け出す方法は? ITmedia エンタープライズ|なぜ、人は悩むのか? プラス思考が難しい理由 “未来を変える” プロジェクト|悩むことは悪くない。“もやもや”から学ぶ、良い悩み方 名言コツコツ|悩みとは すなわち向上したい思いです。 マイナビウーマン|不安になってしまうときの対処法「悩んだら紙に書くべき」 日経ウーマンオンライン|書くとなぜこころが整理でき、強くなるの?