皆さんは寝る前の時間をどのように過ごしていますか?

翌日の用意をしたり、早く寝たいからと慌ただしくベッドに入ったり、ベッドに入ってからしばらくスマートフォンをいじっていたり、いろいろな過ごし方があると思います。

しかし、この「寝る前の時間」というのは、実はとても貴重で価値のある時間なのです。たった30分だけでもその時間を有効利用することで、最大限の効果を発揮するという試みを私自身の経験を交えて紹介したいと思います。

寝る前の時間が重要なワケ

寝る前の時間が重要だというのには、大きく分けて2つの理由が存在します。

1.睡眠の質の確保
人間の脳は日中に非常に大きな疲労を抱え込んでいます。そのため、翌日までにしっかり脳の疲れを癒すために睡眠の質の確保はとても重要になってくるのです。

特に入眠前の時間の過ごし方、精神状態によって睡眠の質は左右される傾向がありますから、睡眠前に何をするかというのは重要なことだといえるでしょう。

2.睡眠の記憶定着機能
人間の脳は、入ってきた情報を一時的に海馬と呼ばれる器官にストックし、その後、大脳新皮質へと移すことで記憶を定着させていきます。その記憶定着の段階で、睡眠は非常に大きい役割を果たすことが明らかになっているのです。リューベク大学の研究によると、人間は、睡眠を開始した直後から記憶の定着が開始され、その後の記憶の脱落が抑制されるのだそう。

つまり、この性質を利用すれば、暗記が重要になってくる語学学習などで高い効果が期待できるのです。

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1日1時間しか勉強できない超多忙な私が、90日でTOEIC800越え。「私に合った勉強法」のほんとうの意味。
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寝る前の時間を単語の暗記に使ってみた

寝る前の時間の使い方が重要であることを踏まえて、私はその時間を英単語の暗記に利用してみようと思いました。

私は、もともと暗記科目が得意ではなく、その中でも英単語の暗記は非常に苦手な部類。1日の終わりである就寝前に単語の暗記をすることは、「単語の勉強をしよう!」という気持ちがなかなか湧かずに後回しにしてしまう私に合いそうです。睡眠は毎日のことですから、その前にやると決めておけば勉強も継続しやすくなるでしょう。

実際にこの習慣を2週間ほど継続したところ、思った以上の効果の高さに私自身が驚かされることになりました。

私は普段から単語を勉強するときに「正解したものには○、間違えた物には×を書き加え、×が○になるまで繰り返す」という方式を利用しており、この方法だと1単語にかける時間も少なく、1分間に4、5個の単語に触れることが可能になります。しかし今までこの方法をやってきて、思った以上に×が積み重なり、いつまで経っても覚えられない単語に出会うことが多いと感じていました。

しかし「寝る前学習」を始めてからは、×が重なる単語の数が目に見えて減少し、重なったときも2、3回までで覚えきることができるようになったのです。
また、初めて見たときに「この単語はなかなか覚えられなさそう……」と感じた単語でも、思いの外すんなりと記憶できているという経験が増え、1週間も経つ頃には寝る前の単語学習が楽しみにさえなっていました。

私の場合は単語の単純な暗記作業を行いましたが、この方法は資格の勉強や技術の習得にも広く応用できるでしょう。

記憶力をさらに向上させるために

この方法をやる上で、私が個人的に気を付けたことがあります。

それが、30分間を2つに分けて特定の範囲を2周ずつする、ということです。
そのために、単語を勉強し始めてから15分経ったら最初に戻って同じところまでを勉強する、ということを毎日繰り返し行いました。そうすることで1日に6~70単語程度に触れていく計算になります。

この方法は、人間の記憶のメカニズムを取り入れているのです。
通常、人間は1度勉強したものについては記憶の摩耗が激しいのに対し、2度目以降はその記憶の摩耗率が大きく減少するという性質を持っています。このことはウォータールー大学による忘却曲線の研究でも証明されており、復習が大切だと言われるのにはこのような理由があるのです。

つまり、最初の夜に1度目と2度目の学習を行い、睡眠で記憶の定着を図ることで記憶の定着率を大幅に上昇させることが可能になります。そして、私の場合は、さらに翌朝の電車の中で再び復習をすることで3度目の学習を行うことも習慣にしました。その際は、間違えた単語の意味だけをサッと確認し、しっかりと思い出して記憶に刻み付けていきます。ここまでを1セットにすることで、そのあと驚くほど長い時間記憶を保存することができるのです。

この方法を導入したことで、今まで私の英語力のアキレス腱とも言えた単語力はみるみるうちに上昇し、かつては1時間かけてようやく読みこなせていた文章が約半分もの時間で処理できるようになりました。少し語彙レベルが上がると立ち止まったり、辞書を引いたりしながら英文を読むのが普通であった私にとって、この変化はまさに世界が変わるものでした。

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寝る前だからこそ注意すること

最初に注意すべきことは、寝る前の活動が睡眠の質を落としてしまわないように配慮しましょう。なぜなら、きちんとした睡眠で記憶を定着させるというのがこの学習法の鍵になるからです。

そのために、単語の学習にはスマートフォン等の液晶画面を使用せず、全て紙と鉛筆を使って行うように心がけました。ブルーライトが目から入ると、睡眠ホルモンであるメラトニンが抑制されて、身体が覚醒モードに入ってしまうからです。それと同時に、明るすぎる照明で身体が覚醒モードに入るのを防ぐため、部屋の照明を少し暗めにして学習するように気をつけました。そうすることで、30分の学習が終わる頃には心地良い眠気を感じるようになります。

また、寝る直前だからと言ってベッドの上で勉強しないように気をつけました。
人間は習慣づけに強く左右される生き物ですので、ベッドの上で「睡眠」以外の行為をしてしまうと、身体がそれを覚えてしまって素直に睡眠モードに入れなくなってしまうことがあります。ベッドの上で読書をしたり、スマートフォンをいじったりする習慣がある人は、その習慣を取り除くだけでも寝つきが良くなるかもしれませんよ。

睡眠の質を守ることも、この記憶法にとっては非常に重要な部分なのです。
このようなリズムを使って適切な復習を入れていくと、睡眠による定着効果も相まって驚くようなスピードで単語の暗記を進めることが可能になります。

***
忙しい中で勉強する以上、その効果はなるべく最大化したいもの。寝る前の時間を使って、その願望を達成してみてはいかがでしょうか。

(参考)
AFP BB NEWS|記憶定着には「すぐ睡眠」が効果的、独研究
PRESIDENT Online|「復習4回」で脳をダマすことができる
CAMPUS WELLNESS|Curve of Forgetting
Wikipedia|忘却曲線
Fuminners|不眠を感じたら試してほしいベッドとの付き合い方6つのポイント
メガネ本舗|ブルーライト対策/ブルーライトとは
Wikipedia|メラトニン