斬新なアイディアを考えようと思っても、何も思いつかないことはありませんか。
実は、小さな工夫や目の向け方一つで、アイディアはいくらでも出すことができます。
今回は、新しいことを生み出すための簡単な方法をご紹介します。

言葉の使い方一つで、なんでも新しくなる

小西利行さん(株式会社POOL INC.のCEO。数多くの広告を手掛けるクリエイティブ・ディレクター)は、その著書『伝わっているか?』の中で、「イメチェン」というメソッドを紹介しています。これは、言葉の使い方を見直すだけで、相手への伝わり方に圧倒的な違いをもたらすことができるというものです。

例えば、イオンの商品企画部に呼ばれた小西さんは、「企画上申会議」という名前の会議を「いまいちばん欲しい服を作る会議」に変えました。すると、若い社員の参加率が上がり、面白いアイディアがたくさん出てくるようになったと言います。会議の名称を目的が明確になるように変えただけで、会議を円滑で生産的なものにすることができたのです。

また、ザ・プレミアムモルツのプレゼントキャンペーンでは、従来なら応募券を集めて送れば「必ずもらえる」とする謳い文句を、「絶対もらえる」に変えただけで、消費者の反応が明らかに変わったんだそうです。日常会話では、「必ず来いよ! 」とは言わなくても、「絶対来いよ! 」とは言いますよね。相手にとって親しみのある、寄り添った言葉を使うだけで、相手の感じ方を変えることができるのです。

はなまるうどんで展開した「生こどもクーポン」では、お子さん連れの方は割引、という一見普通のキャンペーンを、「あなたのお子さんがクーポンになります! 」と伝え方を工夫しただけで、大きな話題を集める結果になりました。(これについては、こちらの記事で詳しく紹介しています→Study Hacker|はなまるうどんのギリギリ戦略に見る「伝わる」技術 嘘サイトでアクセス24倍!?

このように、新しいものを生み出そうと考えすぎずに、言葉の選択や使い方を工夫してみるだけでも、まったく違うものとして相手に受け取ってもらうことが可能になるんです。

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自分の常識を疑う

自分が普段から当たり前にやっていることが、他の人から見たら画期的なことがあります。

様々なメディアで「画期的なこと」として紹介されていることに対して、こんなの普段からやっているよ! と思ったことはありませんか。例えばInstagram等で、「沼サン」というサンドイッチを投稿するのが大流行したことがあります。この「沼サン」は、陶芸家の大沼道行さんのいつもの朝食を、奥さんが「沼夫サンド」と名付けて投稿したことがきっかけでした。

こうした、自分は普段からしているけれど他の人は知らなかったという経験は、多くの人がそれぞれにあるのではないでしょうか。

このことは大きなヒントになります。例えば、コクヨの「ドット入り罫線」のノートです。このノートは、東大合格生のノートの取り方を参考にして、「学習に最適なノート」として開発されました。東大に合格した人達にとって当たり前だったノートの取り方が、他の人の手によって調査されることで普通とは違うことがわかり、一般の人にもそれを伝えることで大ヒット商品になったのです。

このノートの例は誰か特定の人の当たり前を調べてみたとことから始まっていますが、特に自分が当たり前だと思っていることは他の人もやっているだろうと無意識に思ってしまい、疑いにくいものです。何か新しいことを発信したい時には、灯台下暗しでまずは自分の習慣や常識を見直してみるといいかもしれません。

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自分のコンプレックス=自分の普通を起点にする

ハヤカワ五味さんは、多摩美術大学の現役大学生でありながら、大学入学後すぐに自身のブランドを立ち上げたファッションデザイナー。今注目を集めているのは、ハヤカワさんが手掛ける、胸が小さい女性向けのランジェリーブランド『feast』です。

そもそもこのブランドは、ハヤカワさんが胸が小さいことをコンプレックスに感じていて、一般的な下着販売店でもサイズがなく、

なんで、胸がある子にはランジェリーを選ぶ楽しみがあって貧乳にはない?!

(引用元:Twitter|ハヤカワ五味

と感じたことから始まりました。

そして、「貧乳」という言葉を「品乳」「シンデレラバスト」と言い換え、小さい胸を大きく見せる商品ではなく、小さい胸の人が快適に過ごせて、小さいままかわいく見せることができる商品を実現したのです。『feast』のブランド名で売り出した下着は、初回発売の200セットが発売日に即完売、2016年6月までには年商1億円を見込む大ヒットとなっています。

自分が普段から感じているコンプレックスは、多くの場合、自分の中で当たり前のものとして諦めたり、受け入れたりしてしまうことがほとんどです。その自分の中で普通になってしまっているようなことに目を向け、そこを起点にすることで、新しいことを生み出すこともできるのです。

何より、自分のコンプレックスを解消するために新しいものを生み出すことは、自分が欲しい機能を一番理解しているからこそ、充実した内容のものになるのではないでしょうか。

言葉に工夫をしたり、自分自身の常識や性質に目を向けてみれば、「新しい」物は見えてきます。
アイディアを出したいのに行き詰っている! という人は、ぜひ試してみてくださいね。

参考・引用サイト
KOKUYO|~横罫に等間隔のドットが入った「ドット入り罫線」~東大合格生のノートのとり方を研究して生まれたキャンパスノート
feast|CONCEPT
週刊アスキー|小さな胸、折れない心 美しい19歳 feast ハヤカワ五味代表
macaroni|話題の「沼サン」って何?みんながハマるおしゃれなサンドイッチ♡
参考文献
小西利行著(2014),『伝わっているか?』,宣伝会議.