皆さんは、仕事で失敗が続き自信を失ったり、やる気が出なかったりして悩んだ経験はありませんか? 疲労がたまっていくと、どうしても集中力やモチベーションが維持しにくくなってしまいますよね。

実は、運動を行うと脳が活性化され、集中力や思考力を向上させられることが分かっています。しかし、忙しい日々の中で運動する時間を確保するのは至難の業。そこで今回は、多忙なビジネスパーソンでも実践可能な運動習慣をご紹介します。

脳と運動の関係性

ランニング専門誌『ランナーズ』が独自に行った調査によると、皇居周りを走る男性ランナーの内、半数以上が年収700万円以上であったそう。もちろんこれ自体にはいろんな要因があるでしょう。でも、実感としてもまわりのランナーには優秀な人が多い気がします。運動は認知機能や記憶力の補強等に効果があるため、その分仕事にも生きるのではないかということも言われています。では、運動することによってなぜ脳が活性化するのでしょうか?

運動する際には、脳から筋肉や関節等の運動器に指令が下されます。この時、単に脳が一方的に命令をしているわけではなく、運動器から脳へも命令信号が送られているのです。そうして相互に刺激し合うことで、脳が活性化します。

また、運動をすることで、脳の神経細胞であるニューロンを増やす効果があることも分かっています。さらに、認知機能を高めるために必要な神経結合を増やしたり、ドーパミンやセロトニンといった思考・感情に関わる神経伝達物質の分泌を促したりする効果もあるのだそう。有酸素運動を継続的に行うと脳の海馬という記憶を司る部分が大きくなる、という研究結果もありますから、運動が脳の活性化に大きく関わっていることは明らかですよね。

こういった脳と運動の関係性について詳しく研究しているのが、筑波大学の征矢英昭教授です。

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征矢教授が作った概念、「脳フィットネス」とは?

征矢教授は、「脳フィットネス」という新しい概念を作り、運動が脳に及ぼす影響と脳が運動パフォーマンスを高めるメカニズムの解明に取り組んでいます。脳フィットネスとは、ストレスに負けない、元気で前向きな人間でいられるような脳の状態のこと。

この脳フィットネスを高めるためには、ハードな運動をする必要はありません。認知機能の向上を目的とするのであれば、息が上がらないくらいの軽い運動でも効果があると言われています。そのため、運動が苦手な方や、日頃まとまった時間を取ることができない方でも、短く軽い運動を取り入れることで、脳の活性化が狙えるのです。

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脳フィットネスを高める運動

では、具体的にどのような運動を取り入れればいいのでしょうか。征矢教授は、短時間の運動を繰り返す
「インターバル運動」が、脳フィットネスには効果的だと言います。

具体的には、自転車に乗る際に、空いている道は全力でこぎ、信号待ち等で小休憩を挟む、といった具合です。他にも、縄跳びを2~3分程度を1セットとして3セット繰り返すのも効果的だそう。ポイントは「全力」と「休憩」を切り替えながら行うことであるため、自分の体力や疲労度に合わせて、少しずつ取り組んでいきましょう。

アメリカのカリフォルニア州教育局が、2001年に同州の小学5年生から中学3年生約95万人を対象に行った、運動機能と学力の関係性を示した調査によると、体力調査での成績が高い子供ほど学業成績も優秀な傾向があることが分かりました。特に心肺機能が学業成績と強い相関関係を示していたそう。

心肺機能を向上させるためには、一般的にはハードな内容の運動が必要とされていますが、ヨガを行えばその効果が狙えます。ヨガは深呼吸をする必要があるため、横隔膜が鍛えられ、より多くの酸素を取り込めるようになるのです。

また、心肺機能を向上させずとも、一定時間にわたって心拍数が上がる運動を行うことでも脳を活性化させられます。例えば速足でのウォーキングやランニング等は、すぐにでも始められますよね。

運動の効果をより高めるコツ

せっかく運動するのなら、その効果を最大限高めたいですよね。そのためのコツを3つご紹介します。

1. 強制せずに無理なく続ける
必要以上のプレッシャーを感じては、ストレスを抱えてしまい、かえって脳に悪影響を及ぼしかねません。疲れた日や余裕のない日には無理に過度な運動をしようとせずに、ヨガ等の負担の少ないものを選ぶようにしましょう。

2. 筋肉の動きを意識する
運動する際には、自分の筋肉や体の動きを意識するようにしましょう。ゆったりとした動きの場合には特にやりやすいのですが、ランニング等をする場合でも、かかとを地面につけてつま先で蹴り上げる動作を細かく意識すると、脳を活性化させやすくなりますよ。

3. 勉強・仕事の前に運動する
運動を終えた後は脳の血流が増すため、思考力や集中力が飛躍的に高まります。つまり運動には、「脳が学習するための準備を整える」役割があるのです。そのため、運動した後に勉強や仕事に取り組むと普段よりも良い成果を上げやすくなりますよ。朝、少しだけ早めに起きて15分程度で良いのでランニングをしてみてください。きっとその日1日高い集中力を保てるでしょう。

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Twitter創業者のジャック・ドーシー氏は、毎朝仕事前に5kmのランニングをしているそうですよ。早朝であれば急な仕事や連絡が入ることもありませんし、存分に運動に集中できますよね。無理なく運動習慣を取り入れ、効率よく仕事に取り組めるようになりましょう。

(参考)
NIKKEI STYLE|体動かして頭も活性化 「脳フィットネス」に注目
dot.|全くつらくない軽い運動で認知症が予防できる!? “脳フィットネス”を高めよう
PRESIDENT Online|脳細胞が増える運動「3つの条件」
筑波大学 征矢研究室|研究室紹介
東洋経済ONLINE|皇居ランナーの大半は、年収700万超?
U-NOTE.|仕事がデキるビジネスマンの秘密は朝にあり!?早朝ランニングがもたらす驚きの効果