勉強時間の "最後の1分" を意識する。京大生がオススメする『1分間記憶術』

何度も勉強しているのになかなか覚えられない、定着しないということはありませんか?

この前解いた問題と全く同じ問題なのに解き方を思い出せない、何度も繰り返した単語が出てこないなど、勉強した事実は覚えているのに勉強した内容を思い出せないという経験は、学生はもちろん、社会人でもあるでしょう。

せっかく勉強したのに効果が出ないともったいないもの。やる気もなくなってしまいますよね。そこで今回は、たった1分で勉強したことを確実に定着させていく方法を紹介します。

解説してみよう

学習者として問題を解いたり、内容を覚えた後は、先生の立場になって解説してみましょう。教えられる側から教える側へとチェンジします。

具体的には、「この問題は××で○○を使って解きます」という風に勉強したことにナレーションを入れるのです。理解したことを簡潔にわかりやすく説明できれば大丈夫。

記憶を定着させる上で、もっとも効果的なのは「だれかに教えること」で、だれも教える相手がいない場合には、自分相手に解説してみる「セルフ解説」が有効です。

(引用元:清涼院 流水(2015), 『努力したぶんだけ魔法のように成果が出る英語勉強法』, PHP研究所)

記憶を定着させるには、人に話してみるのが1番なのですが、自分で解説してみるのも有効です。解説できると言うことは、本当に理解できているということですから、ただ定着させるだけでなく“わかったつもり”を防ぐのにも効果的ですよ。

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授業をしてみよう

解説が上手になってきたら、身振り手振りを入れて体を動かしてみましょう。少し難しく感じるかもしれませんが、生徒の前に立って教えるつもりで授業をするように解説してみてください。実際に声に出してみたり、黒板に見立てたノートにわかりやすく書いて説明してみたり、少し動きを付け加えるだけで大丈夫です。

これも実際に誰かに向けてやってみるとより効果がありますが、セルフ授業でも大丈夫。何よりも体を動かして表現するというのに意味があるのです。ジェスチャーすることで記憶や再生に効果があるという研究は、主に第2言語学習において示されています。

脳の言語に関わる領域である言語野(特にいわゆるブローカ野)が運動野にも密接に関連していることを示す研究も多くなされている(Gibbs 2005 および Iverson and Thelen 1999 に諸研究の要約がある)。つまり脳生理学的にも言語と運動は関わっていることになる。

(引用元:濱本 秀樹(2015), “統語構造を反映したジェスチャー: 記憶・再生効果に関する予備的研究,” 文学・芸術・文化/第 26 巻第 2 号/ 2015.3)

「身体運動」を観察し実行する、それと同時に「発話」をするというようなマルティモーダル的学習は記憶、また再生においても有効であるとされる(Dual Coding Theory:Clark and Pavio 1991)

(引用元::濱本 秀樹(2015), ‘’統語構造を反映したジェスチャー: 記憶・再生効果に関する予備的研究,” 文学・芸術・文化/第 26 巻第 2 号/ 2015.3)

このように、ジェスチャーがあることで、思い出すきっかけとなったり、情報がパッケージ化されて思い出しやすくなったり、内容のイメージが具体的になって記憶に残りやすくなることがわかっています。ぜひ勉強に取り入れてみてください。

最終的には大きなアウトプットが待っているわけだ。それなら、勉強の段階から小さなアウトプットで繰り返したほうが、自分の理解度を測れるし、’’慣れ’’にもつながる。

(引用元:齋藤 孝(2011), 『必ず覚える!1分間アウトプット勉強法』, PHP研究所)

勉強であれば試験がありますが、勉強以外でも使える技術としてアウトプットできる力が求められます。インプットして満足するのではなく、覚えたことを表現してアウトプットしてみてください。

たった1分だけなら今からでも始められますよね。ラストの1分が勉強の効果を劇的に変えてくれるはずですよ。

(参考) 清涼院 流水(2015), 『努力したぶんだけ魔法のように成果が出る英語勉強法』, PHP研究所 濱本 秀樹(2015), “統語構造を反映したジェスチャー: 記憶・再生効果に関する予備的研究,” 文学・芸術・文化/第 26 巻第 2 号/ 2015.3 吉田 たかよし(2003), 『不可能を可能にする最強の勉強法―究極の鉄則編』, PHP研究所 齋藤 孝(2011), 『必ず覚える!1分間アウトプット勉強法』, PHP研究所 Gibbs, R.(2005), Embodiment and Cognitive Science, Cambridge, Cambridge University Press. Iverson, J.M. and Thelen, E.(1999). Hand, Mouth and Brain, The Dynamic Emergence of Speech and Gesture, Journal of Conscious Studies, 6, No.11-12, pp. 19-40. Clark, J. M. & Paivio, A.(1991). Dual coding theory and education. Educational Psychology Review, 3(3), 149-170.

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