みなさん、PDCAサイクルは上手に回せていますか?

PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(検証)、ACTION(行動・調整)のPDCAサイクルは、ビジネスではもうすでに古典的なフレームワーク。多くのビジネスパーソンが知り、実践しているものだと思いますが、正しく効果的に使えているという自信はあるでしょうか。

PDCAは使い方を間違えると、仕事に悪影響を及ぼすものとなってしまいます。例えば、ムダな進捗確認をしてしまったり、ダメな計画を立ててしまったりして、仕事の動きがむしろ遅くなるといったようなことです。

そんなPDCAサイクルを、効果的にかつ、高速で回すやり方を紹介しているのが、こちらの書籍です。

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鬼速PDCA

冨田和成著

クロスメディア・パブリッシング・2016年

(以下引用は本書より)

著者の冨田さんは、元野村證券の伝説的営業マン。数々の最年少営業記録を出し続けたことで知られる人物で、大学時代を含めて10年以上、毎日PDCAを回してきたというPDCAの達人です。著者によれば、PDCAを高速で効率よく回すと、どんな案件も10倍速で動き出し、周囲からの評価が変わり、その結果まわりを抜き去って成長できるのだそう。そのことを、著者自身が身をもって証明してきたのだといいます。

どんなに真新しいビジネスモデルや技術であっても、瞬時に世界に広まり陳腐化してしまうように、現代では個人の英語力などのスキル、またMBAスキルでさえどんどんコモディティ化(日用化)しています。

著者は、PDCAはすべてのスキルの習得を加速させるためのベースになると言います。自分のビジネスパーソンとしての価値がコモディティ化しないよう、PDCAに基づき新しいスキルを「鬼速」で習得しなければ、変化に対応できる柔軟性のある人材として、激動の時代を勝ち残ることはできないのです。

「これだけビジネス環境の変化が大きくなった今の時代こそ、成長スピードが速く、柔軟性の源にもなる『PDCA力』は、会社にとっても個人にとっても、最強のスキルであると声を大にして言いたい」

では、最強のビジネススキルであるPDCAは、どのようにすればクオリティを高めることができるのか、またその効果とはどのようなものなのか、ポイントを見ていきましょう。

要因分析と因数分解

PDCAを使って物事の成功の再現性を高めるには、「自分の成功法」を分析し、料理でいう「レシピ」、つまりフレームワークを作ることが必要です。まず、原因を抽象化(=要因分析)し、ロジカルシンキングによって具体化(=解決案策定)することで、成功の本質を理解することに努めましょう。

「成果=質×量」であると考えれば、「ビジネスパーソンとしての成長=スキル学習×PDCAのスピード」になります。このうち「スキル学習」の部分は、例えば次のようにして、細かく分解するクセを身につけましょう。

例えば、「営業力スキルを上げたい」という目標があったとします。その目標を達成するためにすべきことは、「うまい人のトークを覚える」「笑顔を鍛える」「相手の興味を聞く」「商品の価値を整理する」などに分解できます。

ではこのうち、「うまい人のトークを覚える」ためにすべきことをさらに分解すると、「真似る人の数を増やす」「先輩への同行回数を増やす」「セミナーで質問する」「本を読む」「YouTubeで見る」などに分解できるでしょう。

このようにして、目標達成までにするべき要素を分解したら、あとはPDCAサイクルを回しながら、その中から自分が身に着けやすくて結果に繋がりやすい行動を見つけるのです。

この因数分解グセを続けると、具体的行動やスキル(例えば「取引先に断られにくい具体的なフレーズ」など)のリストがどんどん増え、PDCAの速度と仮説精度(=速さと深さ)が高まります。

PDCAの過程では、仮説の想定通りにいかないこともあるでしょう。そのような時は、因数分解を素早く行い、仮説そのものをどんどん疑いましょう。これが「鬼速でPDCAを回す」秘訣です。

yoko815
苦手の文法を克服! TOEIC815点を獲得し、国際会議でスピーチ。英語力を大きく変えた3ヶ月の科学的トレーニング。
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KPI(結果目標)だけでなく、KDI(行動目標)も管理

KPI(結果目標:Key Performance Indicator)はさまざまな外部要因で変動し得るものです。そのため、KPIだけでなく、KDI(行動目標: Key Do Indicator)も立てるようにしましょう。これによって、行動の進捗管理をするとき、予定作業をやれているのに目標未達なのか、計画していた作業をやれなかったために未達なのかがわかります。

また、KPIの結果が出るまでにはタイムラグがあります。そこでKDIについても確認するようにしておくと、がんばっているのに結果が出ないような場合でも、「行動目標」(例:1日に2件訪問する)を追い続けることで諦めずに済むようになります。「結果は変えられないけれども、行動は変えられる」ので、DO(行動)のアイデアが出たら、すぐタスク化しましょう。

行動進捗管理は、1週間に1回といったスパンではなく、できるだけ短いスパン(例えば毎日)で行ってください。KDIを日々確認し改善を積み重ねることで、PDCAの速度が上がり、自身の目標にいたるまでの到達点が変化していきます。また、問題が起こってもボトルネックが早くわかるので、軌道修正が容易になるというメリットもあります。

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PDCAでモチベーションを維持する

成長するために最も必要なのは自分自身の「諦めない気持ち」ですが、PDCAを高速で回し続けることには、その気持ちを維持する効果も期待できます。

PDCAを回し続けると、ゴールまでの道のりが把握できます。そうすれば、「なんでこんなことをやっているんだろう?」と目標を見失い不安感を覚えることは無くなり、「確実にゴールに近づいている感覚」を味わえます。行動の意味を常に意識することになるので、小さな前進を実感することができ、モチベーション高く働くことができるのです。

そして、前に進んだという事実を自分に語りかける「対話」によって自信を積み上げていけば、困難にあたっても、すぐに戦略を考えて行動に移すことができるでしょう。

自分を鼓舞するためにはこの「自分との対話」が欠かせません。やる気が下がっているときは、「ゴールが見えない」「道が見えない」=「前に進んでいると実感できない」状態に陥っています。ですから、「小さな自信」を積み重ね、前進していることを自分に伝えることで、より前に進む原動力を得ましょう。

「鬼速 PDCAは究極の前向き思考だ。」
「でもこれだけは言える。『前進を続ける人生の方が絶対に楽しい』と。」

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鬼速PDCAを身につければ、毎日「さあ、今日も前に進もう!」と元気になれるし、壁にぶつかったとしても「これは想定内だ。さあ、どう乗り越えよう」とポジティブに考えることができます。

さああなたも「スキルの成長」×「成長スピードの加速」でみんなをゴボウ抜きしましょう!

(参考)
冨田和成著(2016),『鬼速PDCA』,クロスメディア・パブリッシング.
ZUU社長 冨田和成の鬼速ブログ|野村證券時代に書いた『入社以来、自分自身が感じてきたこと、大切にしてきたこと』を鬼速PDCAの視点から振り返る
ZUU社長 冨田和成の鬼速ブログ|鬼速PDCA解剖図〜PLAN→DO→CHECK→ADJUSTをどう行き来するか?〜