お金をかけずに教養を高めたい。新たな分野を勉強してみたいけれど、仕事で忙しくて公開講座や大学院に通う余裕がない。興味のある本全てを購入していたら、本が溜まっていってしまう。そうお悩みの方はいませんか?

そんな方におすすめなのが、MOOCをはじめとした無料のオンラインコース。通学する手間や時間が省け、学ぶのに1円もかかりません。社会人の学びなおしにも学生の勉強のお供にも、とても便利。パソコンがあれば誰でもいつでもどこでも、質の高い講座を受けることができます。

2012年にアメリカでMOOC(Massive Open Online Courses)が登場してから5年が経ち、世界中に広がったオープン・オンラインコース。2016年の時点で約7000コース以上あり、利用者は5800万人を超えるのだとか。

しかし、講座の大部分は英語によるもの。英語で学ぶのはハードルが高い、と思う方もいるでしょう。そこで今回は、今までWEB講座でお金をかけず趣味の英文学や仕事で必要なフレームワークを学んできた筆者が、日本語で学べる無料のオンライン講座をご紹介します。

1. 海外のトップレベルの大学の講義を日本語で学べる:Asuka Academy

マサチューセッツ工科大学やカルフォルニア大学アーバイン校などの海外最高峰の大学のオンライン講義を日本語で学べます。

【特徴】海外トップクラスの大学の講座を日本語字幕付きで受講できる
【講座数】約40講座(2017年12月時点)
【講座内容】科学や、60秒でわかるシリーズなど(講義例は以下参照)

・(デルフト工科大学)太陽エネルギー
・(マサチューセッツ工科大学)化学/物理学/STEMコンセプト
・(フランス通信)ワールド・グルメ
・(オープン・ユニバーシティ)60秒でわかるシリーズ お金/デザインの歴史・経済学etc

【使ってみた感想】
字幕を、英語のみ・日本語のみ、英語と日本語を併記、字幕なしのように切り替えができるので、講座のレベルと自分の英語力に合わせて勉強できるのが便利。音声は英語なので、リスニングの練習にも。

画面は大画面モードと右字幕モードから選べます。PCからなら特に大画面モードが見やすく感じました。最近受講したのは『(60秒でわかる)英国文学の歴史』。60秒でわかるシリーズには様々なジャンルがあり、面白いので特におすすめです。

【機能】今のところ無料で以下の機能全てが利用できます。

・オンライン講座の受講
・修了書の取得
・ディスカッションボードでの質疑応答

Asuka Academyを見てみる

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2. 東京大学発:UTokyo OCW/OCWx/-eTEXT・東大テレビ

東大生が受けている講義を誰でも受講できます。東京大学の「知の開放」プログラムの一部で、様々な形式があります(詳細は以下参照)。

・UTokyo OpenCourseWare
東京大学で開講されている正規授業の中から1000以上の講義を一般に公開しているサービス。

・UTokyo OCWx
上記の講義コンテンツを新しい形式でより学びやすく再編集し、確認問題などの学習課題も提供するサービス。

・UTokyo-eTEXT
動画の視聴と同時に、講義資料や講義内容を文章化したテキストも同時に見ることのできる電子教科書。

・東大テレビ
東京大学で開催された公開講座や講演会を動画で視聴できる公式サイト。会員登録不要。

【特徴】東京大学の質の高い多様な講義を一般公開。ほとんどの英語の講座には日本語字幕付き。
【会員数】UTokyo OCW:185か国以上から累計32万人(2016年時点)
【講座数】1000講座以上
【講座内容】文系から理系までアカデミックな内容(講義例は以下参照)

【UTokyo OCW】
・経営戦略
・「世界史」の世界史
・ビッグデータ時代の人工知能学と情報社会のあり方

【UTokyo OCWx】
・歴史なんていらない?
・正義を問い直す
・経済のグローバル化とひとびとのくらし

【UTokyo-eTEXT】
・グローバル化する社会に生きる ‐地球規模での競争の時代における日本‐
・情報が世界を変える -技術と社会、そして新しい芸術とは
・光の科学-未来を照らす究極の技術とアイデア-

【東大テレビ】
・ハーバード白熱教室 in JAPAN
・ノーベル文学賞受賞者の文学に関する講演会
・英語を学ぶ・英語で学ぶ

【使ってみた感想】
東大テレビで最近視聴したのは「これからの『正義』の話をしよう」で著名なマイケル・サンデル教授の講演。会員登録なしで好きな講義の動画を見ることができるので、気軽に試せて便利。UTokyo-eTEXTでは、動画で教授の話を聞きながら、すぐ隣に表示される講義用資料のPowerpointスライドも更新されていくので、リアルタイムで講義を受けている気分になれます。

【機能】すべて無料で利用できます。

・オンライン講座の受講
・資料の閲覧

UTokyo OCWを見てみる
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東大テレビを見てみる

3. 世界各国の名門大学の講義を日本語字幕で学べる:Coursera

スタンフォード大学教授によって創立された、MOOCの代表的なサービスの1つ。もともとは英語のみでしたが、今は日本語字幕付きコースもあります。

【特徴】29ヶ国、161大学と提携している
【会員数】2300万人以上
【講座数】2560講座以上、日本語字幕付きは17講座(2017年12月現在)
【講座内容】多岐にわたる(日本語字幕の講義例は以下参照)

・機械学習
・ビジネス英語(Eメールの書き方)
・マーケティング/財務会計入門
・生産性向上のためのタイムマネジメント
・データ駆動型の意思決定/データ分析

【使ってみた感想】
筆者が何年も愛用しているCoursera。ウェブサイト自体は英語なので、会員登録やコース登録は英語で行う必要がありますが、説明は簡単な英語で書かれているので安心してください。日本語字幕はまだ17講座しかありませんが、今後増えていくことに期待!

英語の講座なら他のオンライン学習サービスでは見つからないようなコアな学問分野の授業もあり、とっても便利です。私は今まで他のどのサービスでも見つからなかった専門性の高い言語学の分野のコースを受講してきました。日本語字幕なしで英語学習も兼ねて勉強してみようかなという人にもおすすめ。

【機能】自主学習に活用したいだけなら無料で利用できます。修了証を履歴書に使いたい場合などは有料になります。

【無料】
・オンライン講座の受講
・参加者同士のディスカッション

【有料】
・特別コースのオンライン講座の受講
・大学による公式の修了証書の発行

Courseraの日本語字幕付き講座一覧を見てみる

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4. スキマ時間に大学教授による本格的な授業を受けられる:Gacco

大学教授陣による本格的な講義を誰でも無料で受けられます。

【特徴】講座は1つ10分程度で、スキマ時間に視聴するのにぴったり。
【会員数】38万人以上
【講座数】188講座(2017年4月時点)
【講座内容】多岐にわたる(講義例は以下参照)

・IT(ICTスキル総合習得プログラム、プログラミング入門(Java)、情報セキュリティ基礎)
・ビジネス(上司を活かし組織を動かすフォロワーシップ、社会人のためのデータサイエンス演習)
・教養(観測的宇宙論入門、グローバリゼーション時代の国際政治、解明:オーロラの謎)
・趣味(お菓子の世界の歩き方、食文化の本来と将来)
・教育(子ども達が最高の選択肢を掴むために)

【使ってみた感想】
オンライン講義の動画の質が高く、テレビのように面白く受講できます。講義の音声が動画の隣に表示されるので、音声を聞けない状況下でも利用可能。再生スピードを0.5、0.75、1,0、1.25、1.5、2.0倍の中から選べるのが便利。私は聞き取りやすくて且つ効率よく再生できる1.25倍で視聴しました。確認テストは理解度のチェックにぴったり。

修了書の取得ではなくスキルアップや教養を高めることが目的で、あまり時間がなく効率よく学習したいという人は、音声テキストを見て、導入部分やすでに知っている情報についての講義を飛ばして受講してもいいかもしれません。

【機能】発展的な対面学習のみ有料ですが、ほとんど全ての機能が無料で利用できます。

【無料】
・オンライン講座の受講
・掲示板で仲間とディスカッション
・修了書の取得
・相互採点(受講者同士でレポートを評価し合うことで新たな気づきが得られる)
・ミートアップ(受講者同士のオフ会)

【有料】
・対面学習(講師や受講生との議論を通じて発展的な内容を学べる)

Gaccoを見てみる

5. ハーバード大の学生も利用する教材を日本語で:Khan Academy

サルマン・カーン教授によって創立された教育系の非営利団体で、YouTubeベースの教育コンテンツ提供サービス。スタンフォード大の学生65%、ハーバード大学・イェール大学・マサチューセッツ工科大学をはじめとする最難関大学の学生57%が活用するなど、世界トップクラスの学生も多く利用しています。

【特徴】受講生のレベルチェック機能と10分程度で学べる動画
【利用者数】毎月数百万~数千万人以上(40の言語に翻訳)
【講座数】3000講座以上、完全に日本語訳されているものは7講座(2017年12月現在)
【講座内容】数学・物理・科学・経済・金融・歴史・美術など(日本語字幕の講義例は以下参照)

・マクロ経済学(トマ・ピケティの資本論)
・算数

【使ってみた感想】
最近受講したのは、以前話題になったトマ・ピケティ教授の『20世紀の資本』を題材にマクロ経済学を学ぶ講座。チャートや黒板を使い、日本語でわかりやすく解説されていました。短い動画で、14本に分かれており、飽きのこない作りです。この本を読んだことがまだない人や、読んだことがあるけれどさらに理解を深めたいという人におすすめ。

経済学や算数以外にはまだまだ日本語での講座は少ないので、美術などの講義をよく英語で受けていました。リスニングに自信がなくても、英語字幕をつければ理解度が上がるもの。

簡単な英語なら大丈夫という人におすすめなのは、映画製作で大成功を収めているディズニーのピクサーがストーリーテリングについて教えてくれる“Pixar In A Box”シリーズ。映画モンスターズインクの監督をはじめとした第一線のプロの講義に加えてエクササイズもあり、面白いですよ。

【機能】すべて無料で利用できます。

・動画講義の受講
・レベルチェックテスト

Khan Academyの日本語の講座一覧を見てみる

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以前は主に英語だけだった海外のオンライン学習プラットフォームが日本語対応になり、日本国内で新たに第一線の学びを提供するサービスも増えてきました。世界の一流大学の学生が使うオンラインコースを活用して、みなさんもお金をかけずスキマ時間に教養を高めてみませんか?

(参考)
Class Central|By The Numbers: MOOCS in 2016
大学ジャーナル|東京大学 世界初「UTokyo OCWx」でよりわかりやすく講義を無償公開
Globis|MOOC前夜: カーンアカデミーの衝撃