「ありきたり」 自分のアイデアにそんなイメージを持っていませんか? あるいは、今までにそんな言葉を投げかけられたことのある方もいるかもしれませんね。やはり真新しいアイデアを生む鋭い視点は才能であって、一般人には備わっていないものなのでしょうか?
いいえ、決してそんなことはありません。真新しいアイデアは誰でも生みだすことができます。なぜならば、アイデアを生み出す鋭い視点は、やり方次第で身につくものだから。
今回は、独創的な視点を得るための方法について紹介します。
アイデアの独創性は視点次第
『1時間の仕事を15分で終わらせる 最速で稼ぐ外資系コンサルの時短術』の著者である清水久三子さんは、「ありきたりなアイデアしか生まない思考は、問題を捉える角度が一定である」といいます。そのため、常に一方向からしか問題にアプローチできず、結果「ありきたり」な思考になるのです。
この状況から脱するためには「思考の型」を知ることが大事なのだそう。
私はコンサルタントとして駆け出しの頃、先輩や上司に、会議中にものすごい速さで矢継ぎ早に質問され、「パッと見ただけなのに、よくそんなにいろいろな視点が思いつくものだ。きっと経験が違うんだな」と思っていましたが、次第にこれは経験だけではなく、思考の型を知っているかどうかの違いだということがわかってきました。
(引用元:東洋経済Online|考えが「浅い」と言われる人が知らない思考法)
例えば、数学の問題で新しい公式を使わなければならない場合、解くまでに時間がかかるでしょう。しかし、一度見た問題であれば、どんなに数字が変えられたとしても簡単に解くことができるはずです。これと同じようなことが視点の転換にも言えます。だからこそ「公式」=「思考の型」を知ることが大切なのですね。
では、その思考の型とは具体的にどういったものなのでしょうか?
アイデアの質を変える3ステップ
さまざまな視点から問題解決のために自由にアイデアを生み出す思考法を、水平思考と呼びます。
『コトラーのマーケティング思考法』という本の中で、水平思考をするための3ステップが紹介されています。
1.発想したいテーマについて、今ある特徴を考える 2.特徴について変化を加える 3.変化を現実的にできる方法を考える
(引用元:Web活用術。|水平思考とは?天才たちの思考法で斬新なビジネスアイデアを出す方法)
では、実際にこの3ステップをどのように活用していくのか、「新しい文庫本」というテーマで具体的に考えていきましょう。
1.発想したいテーマについて、今ある特徴を考える まずは、現状の文庫本について特徴を挙げていきます。筆者が思いついたのは以下のような特徴です。きっともっと多くの特徴が考えられると思います。 ・情報が記載されている ・紙に文字が書かれている ・作者名が書かれている
2.特徴について変化を加える 次はこれらの特徴について、逆転・代用・結合・強調・除去・並べ替えといったキーワードに従って、変化を加えていきます。例えば「紙に文字が書かれている」について考えてみると、次のようになります。 ・逆転:紙に文字は書かれていない ・代用:紙以外のものに文字が書かれている ・結合:紙+データに文字が記されている ・強調:高級紙に文字が書かれている ・除去:文字だけが残っている ・並べ替え:紙に文字が書かれていく
3.変化を現実的にできる方法を考える 最後に、「そのためには何をするか」をキーワードに、これらを実現する具体的な方法を考えましょう。
例えば、先ほどの「強調:高級紙に文字が書かれている」ならばどうなるでしょう。「国産の超高級和紙を使用して、最高の手触りを感じられる特別な文庫本をつくる」なんて独創的なアイデアも生まれますね。
その後は何度も同じ質問を繰り返すことで、よりよい解決策が見つかりますよ。
*** 「独創的」と聞いてしまうと、なんだか特別なもののように聞こえますよね。しかし、独創的な視点はただ思考法を知るだけで意外と簡単に手に入るものなのです。ぜひ試してみてください。
(参考) 東洋経済Online|考えが「浅い」と言われる人が知らない思考法 Web活用術。|水平思考とは?天才たちの思考法で斬新なビジネスアイデアを出す方法 Wikipedia|水平思考