がんばって勉強するからには成果をあげたいもの。そのためにはインプットだけでなく、アウトプットが重要です。もちろん、それを十分承知している人は多いでしょう。しかし同時に、「一人では簡単にできないので日常的なアウトプットは難しい」と考えていませんか?

そんなあなたに、思い立ったら気軽に自分一人で行えるアウトプットの方法をご紹介します。

勉強における「アウトプット」の重要性

アウトプットの方法をお伝えする前に、勉強におけるアウトプットの重要性をお伝えします。

本を読み講義などを受け、知識を貯金していくインプットはもちろん大切です。しかし、インプットばかりでアウトプットせずにいると、思考力を低下させてしまう可能性があります。200万部を超える大ベストセラー『思考の整理学』を著した外山滋比古氏は、その状態を「知的メタボリック症候群」と呼ぶのだそう。なぜならば、膨大に増えた知識は頭の容積をほとんど奪うので、考えるためにつかう部分を縮小してしまうから。

また、米パデュー大学のカーピック博士は『サイエンス』誌の2008年2月15日号で、「入力を繰り返すよりも、出力を繰り返すほうが、脳回路への情報の定着がよい」と報告しています。その理由は、4つのグループに言語を覚えてもらい1週間後テストを行った実験で、途中アウトプット(確認テスト)しながら覚えた2グループのほうが、覚える(インプット)ことに集中した残りの2グループよりもはるかに点数が良かったからです。

そもそも、英単語や文法を余すことなく完璧にインプットできたとしても、それだけでは英語を話すことができませんよね。インプットすると同時に、何度も何度も会話してアウトプットするからこそ話せるようになるのです。

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インプットとアウトプットの理想のバランス

アウトプットの重要性がわかったところで、インプットとアウトプットの理想のバランスについて考えてみましょう。

『3000人の指導実績を誇る人気No.1カリスマ講師が教える 資格試験の合格技術』の著者、多田健次氏は、択一試験の対策としてインプットとアウトプットの比率を「基礎期は5:5、応用期は3:7、直前期は1:7」と考えています。つまり、試験直前はアウトプットに比重を置くということ。

また、通信教育の株式会社フォーサイトで宅地建物取引士資格試験を担当する窪田義幸氏は、インプットばかりに固執していると、いつまでもゴールに辿りつけないので「インプット4:アウトプット6」が黄金比率だと言います。次へと進むためには、インプットをある程度で切り上げアウトプットすることが必要なのです。

先にご紹介した米パデュー大学カーピック博士の研究においても、確認テストでアウトプットしながら言語をインプットした被験者が、一定期間を置いたテストで成果をあげています。もちろん、インプットがあまりにも少なければアウトプットすらできないので、ある程度のインプットは必要です。

それらを総合的にとらえると、インプットを完璧に終わらせてからアウトプットするのではなく、スタート地点ではしっかりとインプットして、途中はインプットとアウトプットを交互に繰り返し、ゴールへと近づくにつれアウトプットを強化していくのが良いと考えられます。

しかし、そこで気になるのは「そんなに簡単にアウトプットできるの?」ということですよね。

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アウトプットは一人じゃできない?

アウトプットというと誰かに会って説明する、まとまった時間をとっての問題演習、もしくはプレゼンテーションや試験などを想像するのではないでしょうか。何にせよ、一人で気軽に行える印象ではありませんね。しかし、アウトプットは改めて何かをすることではなく、「入力したものを頭から出力する」だけのことなのです。

つまり、本来は気軽に行えるのがアウトプット。学んだことをノートにまとめ直すのも、ただメモすることもアウトプットなのです。これなら十分一人でできますよね。

一人でアウトプットをするコツ

アウトプットが気軽に行えるとわかったところで、より効果的な「一人でできるアウトプット方法」をご紹介しましょう。

1.備忘録ブログを書く
学んだことをノートに書き直すのも良いですが、それを他の誰かが見るかもしれない状況をつくると効果が高まります。そこで、おすすめなのが備忘録ブログ。あくまでも、忘れたときに備えて要点を書きとめておくメモがわりなので、綺麗な文章でまとめる必要がありません。また、読者からコメントを待つようなものでもないので、一方的に書くことができます。

しかし、多少なりとも誰かに見られる可能性があるので、あなたはブログに書いたことが正しいか何度も見直したり、書き直したりするはず。つまり、必然的にインプットとアウトプットを繰り返せるのです。

2.覚えながらテスト
説明形式のテキストを活用して、覚えながら思い出すを繰り返します。つまり、覚えながら確認テストを行うわけです。まずは一通りテキストの要点だけをインプットします。その次に、再度テキストをインプットする際、小見出しのところでいったん読み進めるのをやめ、そのあとに書かれている大事な部分を思い出そうとしてください。それができなければ、さらにテキストを読み進めます。

小見出しの部分だけが見えるように、そのほかの部分をなにかで隠しながら行うのが良いでしょう。こうすることで、小刻みなインプットとアウトプットが繰り返され、記憶が定着しやすくなります。この方法は、5ヶ月間の短期学習で司法書士試験に合格した松本雅典氏が推奨しているアウトプット法です。

3.インプットを図式化する
頭のなかにインプットしたものを図式化してみましょう。とはいえ、大層な図を描くわけではありません。ノートに自分の脳を仮定した楕円をひとつ描き、そこに今日学んだことを思い浮かべながら箇条書きするのです。

楕円が100%埋まったら、それが今日のあなたの頭のなか。睡眠が脳をリセットすると考えて、また翌日、同じように自分の頭のなかを描いてみてください。とても効果的なアウトプット習慣で、確実に学んでいることも実感できます。

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一人でできるアウトプットのコツをお伝えしました。難しく考えず、入力と出力を繰り返し、無理なく成果をあげてくださいね

(参考)
Study Hacker| “完璧なインプット” にこだわらない! 勉強効率をあげるための『アウトプットのタイミング』
nikkei BPnet|潜在“脳力”:【1】脳は「入力」より「出力」で覚える
All About|勉強における「インプット」「アウトプット」とは?
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多田健次著(2009),『3000人の指導実績を誇る人気No.1カリスマ講師が教える 資格試験の合格技術』,マガジンハウス.