みなさんは、いくら頑張っても仕事が片付かずに鬱々とした気分になることはありますか?
やらなければならないことが多すぎて、せっかくの休日にも仕事のことが頭から離れない、というのはなかなか辛いものがありますよね。そのような状況に陥っている人の中には、どうすれば仕事に追われずに済むだろうと悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、「仕事に追われている感覚」から脱却する方法についてお伝えしたいと思います。
「仕事に追われている」ってどういうこと?
そもそも、「仕事に追われている」とはどのような状態を指すのでしょうか?
例えば、仕事の締め切りが明日に迫っていてやむなく残業をしているとしましょう。この状態は「仕事に追われている」と言えます。他にも、たくさんの仕事を抱えていて、いつもはしないような小さなミスが増えてきたり、精神的に追い込まれたりしている状態も同様でしょう。
まだなんとか仕事を処理できているのであれば問題ありませんが、仕事に追われることで悪影響が出てきてしまっている場合は、仕事の取り組み方を改善する必要があります。
仕事に追われる人と追われない人の差
たとえ同じ量の仕事をしていても、仕事に追われててんやわんやになる人もいれば、ストレスなく仕事を終わらせてプライベートを楽しむ人もいるでしょう。では、その差はいったい何なのでしょうか?
それぞれのビジネスパーソンにおける仕事の段取りについて考えてみましょう。 仕事に追われている自覚がある人は、頼まれた仕事を頼まれた順にこなしていないか確認してみてください。締め切りが1週間後と1ヶ月後の2つの仕事を抱えていても、1ヶ月後の仕事の方を先に頼まれた場合、それが終わるまで次の仕事には手をつけないなどということがあるかもしれません。
仕事に追われない人は、抱えている仕事に対して見通しを立てるようにしているものです。仕事の規模や量に応じてかかる時間をきちんと計算しているため、もし予定外の仕事が入っても、作業を滞らせないよう計画的に取り組むことができています。
仕事に追われてしまう原因
上記に挙げた以外にも、仕事に追われてしまう原因は考えられます。今回は、その中からさらにいくつかをピックアップしてみました。思い当たることがある人は、ぜひ気をつけてみてください。
1.完璧にこだわる 仕事を完璧に仕上げようとすると、たいてい時間がかかってしまうもの。そのせいで締め切りに遅れてしまうようでは元も子もありませんよね。
分かりやすいプレゼン資料や細部まで綿密に練られた企画書など、完成度の高い仕事は理想的ではあります。しかし、作業に多くの時間を要するというのは、常にいくつもの仕事を抱える原因の1つとなるのです。もし仕事に追われていると感じるのであれば、上司がOKを出せばそれで良いと考えるだけでも気が楽になるはずです。
2.仕事を断れない 自分の許容量を超えて仕事を引き受けてしまうと、計画を立てて頑張っても締め切りに間に合わないということが起こりかねません。
期限ギリギリになってから無理だったと作業を放棄するよりも、最初から他の人に仕事を回してもらう方が、自分の時間や気持ちに余裕ができるだけでなく、職場全体にとっても良いものです。できない仕事は思い切って断るようにしましょう。
「仕事に追われている感覚」から脱却する方法
では、私たちはどうすれば「仕事に追われている」という感覚から脱することができるのでしょうか?
1.マニャーナの法則を活用する 「マニャーナの法則」というものをご存知ですか? これは、イギリスのビジネス・コーチであるマーク・フォースター氏が提唱している、「明日やる」を根底に置いた考え方のことです。
忙しいビジネスパーソンなら毎日仕事に関するたくさんのメールを受け取っていることでしょう。しかし、それぞれのメールにいちいち目を通していると他の作業が手につかなくなってしまいます。全てのメールが緊急のものという訳でもないはずです。
そこで、マニャーナの法則に従って「今日は昨日来た分のメールを分類して必要ないものは削除するだけ、あとは明日に回す」などというように、あらかじめやるべき作業を決めておきます。また、メール確認以外の仕事に関しても、1日分の作業量を最初に決めてしまいましょう。そうすれば、たくさんの仕事を一度に抱えずに済みます。また、仕事に追われる感覚を取り払うこともできるでしょう。
3.集中力を上げるきっかけを増やす 独立行政法人産業技術総合研究所研究員の松尾豊氏によれば、作業に必要な時間を増やすことよりも、作業に費やす集中力を高めることの方が重要なのだそう。
確かに、もし時間がたくさんあったとしても、私たちは逆にその分ダラダラと過ごして結局時間を無駄にしてしまうことが多々ありますよね。余裕があればあるほど「まだ大丈夫」という思い込みをしてしまいやすいものです。
ストップウォッチを用いて作業にかかる最短の時間を計測する、1時間ごとに休息を10分挟む、というように集中力を高める方法を仕事に取り入れてみてはいかがでしょうか? そうすれば自分自身の仕事の効率を上げることができ、仕事に追われるということはなくなるはずです。
*** みなさんも、ぜひお伝えした方法を試してみてください。きっと能動的に仕事に取り組むことができるようになりますよ。
(参考) 豊田圭一著(2011),『仕事に追われる毎日を変えよう』,クロスメディア・パブリッシング 日経ウーマンオンライン|締め切りに追われない人は〇〇を多く持っている! ダイヤモンド社 書籍オンライン|仕事に追われる人が陥る「今週中に終わればいい」という甘い罠 ITmediaエンタープライズ|5分で読むビジネス書:『マニャーナの法則』—今日ではなく「明日やる」ことにする