『80/20の法則』——リソース配分の基本は、スケジューリングにこそ有効だ。

「大事なことに時間が使えていない」 「こんなことに時間を割いていていいのだろうか」 「うまく時間管理ができない」

日常生活や仕事をしていて、このようなことを感じたことはありませんか?

1日は24時間と決まっているため、私たちはその時間を有効に使う必要があります。しかし、ToDoリストに従って、ただ単に1分1秒を大切にするだけでは「有効な」時間の使い方とは言えません。なぜなら、重要度の低い些細なことに膨大な時間を割くのは賢明ではないからです。

今回は、上手な時間管理ができなくて困っている方に“80/20の法則”というものを紹介します。この法則を実生活に応用することによって上手な時間管理をすることができるのです。

80/20の法則とは

80/20の法則をしっていますか? これは、別名パレートの法則と呼ばれているもので、マーケティングの分野でよく考慮されるごく基本的な法則です。

パレートの法則(パレートのほうそく)は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが発見した冪乗則。経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという理論。

(引用元:Wikipedia|パレートの法則

この法則はマーケティングにおいて、「全商品の上位20%の商品が全売上の80%を占めている」、「全顧客の上位20%の顧客が売上の80%を占めている」という事象に当てはまります。

マーケティングとは無縁の人にとっては、この法則が時間管理にどう役立つのかわからない、という人も多いでしょう。しかし、実はマーケティングだけに当てはまることではなく、「仕事の成果の8割は、費やした時間全体の2割の時間で生み出している」とも言われているのです。

最優先すべき上位20%を見極める

タイムマネジメントで重要なのは、優先順位を決めることです。やるべきことはたくさんありますが、自分にとって本当に重要なことは何でしょうか?

1番大事なことというのは選びづらいですし、逆に1つのことに全部の時間を費やす訳にもいきませんよね。 まず、やるべきことの中で最優先すべき上位20%を見極めてしまいましょう。ここにランクインした事柄に全時間の80%を費やすというのが80/20の法則です。

さすがに活動時間の80%をかけるのは難しいと思う場合は、なるべく上位20%の時間をしっかり取る心構えを持ってください。

その際にオススメなのが書き出すこと。なぜなら、闇雲に上位20%を選び抜くのは難しいからです。きちんと自分の目標を明確にし、自分のタスクを書き出していきましょう。そのタスクの中には目標に直接関係ないものもあれば、必要不可欠のものもあるはずです。

例えば、あなたの当面の目標が「英検2級合格」だとしましょう。今週末、あなたがやらなければいけないことは下記の6つです。 ・買い物 ・洗濯物 ・洗車 ・英検問題集第1章 ・英単語の暗記 ・リスニング対策演習

この中から、自分にとって重要なもの1,2個を選んでください。もしリスニングで苦労していると感じるのであれば、リスニング対策演習を重点的に行うことが妥当でしょう。

そして、週末は、その他のことになるべく時間をかけないことが賢明です。洗濯機を回している間に覚えたい英単語を見ておく、といった一工夫を組み込むといいでしょう。そういったちょっとした工夫の積み重ねで、リスニング対策にかける時間を多く確保することができます。

重要度の低いものは他人に頼む

他人に自分の仕事の一部を頼むのもひとつのやり方です。

先ほど述べたように、上位20%に入らなかったことに時間をかけるのは非効率的。下位80%の項目のうち、とりわけ重要度の低いものは他人に頼んでしまいましょう。

上記の例で言えば、週末買い物に行くと言っていた友人や家族におつかいを頼むことも可能ですよね。

他人を頼るというのは、自分の能力のなさの現れに感じる方もいるかもしれません。しかし、自分の時間を有効に使うためには他人の力を借りることがひとつの戦略なのです。

数字で考えるなら、時給850円で済むような簡単なタスクに時間をかけるのではなく、将来的には一時間あたり2000円稼げるような内容に時間を投資するという発想になります。

adobestock_60506368

人付き合いもしかり

80/20の法則は、人付き合いにも応用できます。知り合いが100人居れば、そのうち自分にとって大事な20人は誰なのかをきちんと把握しておくことが必要です。

一緒にいて楽しいのは誰ですか? 一緒にいて落ち着くのは誰でしょうか? 少し寂しく感じるかもしれませんが、自分に与えられた時間を有効に使うには必要なことかもしれませんよ。

例えば、知り合いからご飯に誘われた場合、時間が合えば誰とでもご飯に行ってしまう、ということはありませんか? 確かに、友人とのご飯は楽しいものですが、あまり付き合いのない人のために時間を費やしてしまうのは賢明ではないかもしれません。なぜなら、その時間でもっと自分のために何かできたかもしれないからです。

だからと言って、上位にランクインしなかった人と全く交流しないでいると、非社交的と思われかねません。ここで大切にしていただきたいのが、メリハリを持って人付き合いをするということ。

大切な人との時間は十分とり、一方であまり深い付き合いのない人とはだらだらと時間を過ごさない、ということを心がけましょう。

もちろん、全ての事柄を上位20%と80%に分解し、上位20%のみに注目することはできません。しかし、あまりにもやることが多すぎたり、うまく時間が使えてないと感じたりしたら、ぜひこの80/20の法則を思い出してみてください。

今、重要な上位20%は何なんだろう、と自分に問いかけてみてくださいね。

(参考) Lifehack|You’ll Never Complain Of Not Having Enough Time If You Can Apply This Rule Family Practice Management|The 80/20 Rule of Time Management マーケティング用語 Weblio辞書|パレートの法則とは Entrepreneur|The 80/20 Rule of Time Management: Stop Wasting Your Time Wikipedia|パレートの法則

会社案内・運営事業

  • 株式会社スタディーハッカー

    「STUDY SMART」をコンセプトに、学びをもっと合理的でクールなものにできるよう活動する教育ベンチャー。当サイトをはじめ、英語のパーソナルトレーニング「ENGLISH COMPANY」や、英語の自習型コーチングサービス「STRAIL」を運営。
    >>株式会社スタディーハッカー公式サイト

  • ENGLISH COMPANY

    就活や仕事で英語が必要な方に「わずか90日」という短期間で大幅な英語力アップを提供するサービス。プロのパーソナルトレーナーがマンツーマンで徹底サポートすることで「TOEIC900点突破」「TOEIC400点アップ」などの成果が続出。
    >>ENGLISH COMPANY公式サイト

  • STRAIL

    ENGLISH COMPANYで培ったメソッドを生かして提供している自習型英語学習コンサルティングサービス。専門家による週1回のコンサルティングにより、英語学習の効果と生産性を最大化する。
    >>STRAIL公式サイト