「あ、この人は何か違う」と思わせるための、プレゼン・自己紹介7つのポイント。

「エレベーターピッチ」をご存知でしょうか。

「エレベーターピッチ」とは「ピッチ」とも呼ばれますが、起業家の多いシリコンバレーでベンチャーキャピタリストやエンジェルと呼ばれる投資家たちと偶然エレベーターに同乗したときに、相手がエレベーターを降りるまでのわずか30秒〜1分ほどの間に、自分のビジネスプランや想いを的確に伝え、出資を取り付けられるほど気持ちを動かすような超短時間プレゼンを指します。

(引用元:杉本真樹著(2014),『医療者・研究者を動かす インセンティブプレゼンテーション』,KADOKAWA/アスキー・メディアワークス.)

起業家にとって、有名投資家とエレベーターに乗り合わせるのは千載一遇のチャンス。自分のビジネスプランに賛同してもらえれば、多額の出資を得られますから。まさに「人生を変える」瞬間なわけです。

……とまあ、ここまで極端でなくとも、あなたが「自分の思い」を伝えなければならない機会は山ほどあるはずです。それは、会議でのプレゼンかもしれませんし、入社面接かもしれませんし、恋人にプレゼントをねだる時かもしれません。人生を大きく変える一瞬から、何気ない日常の一コマまで、そのシーンは様々です。そんな時、自分の思いをきちんと伝えることはできますか? 思いを伝えたことで、物事を確実に成功に導くことはできるでしょうか?

どの場面にも共通するのは、「思い」が伝わらなければ損をするということ。自分の企画書がボツになったり、入社試験に落ちたり、恋人に嫌われたり。自分の思いを「短く正確に伝える技術」は誰にでも必要なのです。

今回は、誰でもできる「ピッチ」の練習方法をご紹介しましょう。

あなたはできますか? 「1分で自己PRをしてください。」

1分で自己PRしてくださいなんて言われたら、あなたはどうしますか? モゴモゴと口ごもって、何を言おうか考えて目を泳がせているうちに1分過ぎてしまうのが関の山でしょう。

同じ問いを、スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏に投げかけたら、どうでしょうか。おそらく、堂々と語り始めるはずです。「私にはこんなことができます、あんなこともできます、そして~」と。

これはなぜでしょうか。ジョブズ氏や孫氏にはアピールポイントがたくさんあるから? 彼らがプレゼン、スピーチの天才だから?

確かに、彼らにはアピールポイントがたくさんあるでしょうし、スピーチも上手ですが、それだけが理由ではありません。より正解に近い理由は、「準備しているから」。

ジョブズ氏は、新商品発表のリハーサルでは、照明の位置からスライド切替のタイミングまで、細かく確認していたそうです。また、孫氏はプレゼンの際に一切メモを見ないことで有名ですが、それは入念な準備と話し合いを前日までに行っているからだといいます。(参考:PRESIDENT Online|孫正義流“冒頭から聴衆を引きつける”プレゼンの始め方

あなたが日常生活で「思い」を伝えられないのは、準備をしないからなのです。

「1分間の自己紹介」をしよう!

「確実に思いを伝える」トレーニングのために、1分間の自己紹介を練習しましょう。

営業に、昇進試験に、プロポーズに、おねだり。いろいろな「思いの伝え方」があるのに、どうしてその練習が自己紹介なのか。それは、「魅力をアピールする」ことがすべてのプレゼンの根幹にあるからです。

会社の営業であれば、商品・サービスの魅力を。昇進試験であれば、自分がリーダーに昇進することによって会社が得るメリットを。プロポーズであれば、自分との結婚生活の魅力を。おねだりであれば、欲しいものがいかに魅力的であるかを伝えなければなりません。

自己紹介とは、自分自身の魅力を相手に伝えるプレゼンなのです。面白く興味深い自己紹介ができれば、相手に覚えてもらえるでしょう。でも、平凡で退屈な自己紹介では、大した印象は与えられません。自分が一番よく知る「自分」を魅力的にアピールできなければ、何事においても魅力を上手く伝えられるわけがないのです。

さらに、誰か自分をよく知る人に自己紹介を見てもらうのも効果的です。「自己紹介では◯◯って言ってたけど、▽▽のこともアピールしてみたら?」「そのアピールポイント、正直お前らしくないよ」という風に、客観的な視点からのフィードバックをもらうことができます。営業の練習を同僚・上司に見てもらうのと同じですね。

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型にはめれば、なんでもできる。

医師でありながら優秀なプレゼンターとしてプレゼンセミナーを多数開催する杉本真樹氏は、著書の中で「Pitch intro」というピッチ式自己紹介のテンプレートを紹介しています。まずは、このテンプレに従って練習するのがおすすめです。

わたし(名前      )は (1. 課題       )に対して (2. 解決法      )によって (3. 対象者      )を (4. ゴール      )にする (5. 特徴       )です。 一緒に(6.メリット   )に向け まず(7.1st step     )から始めましょう。

(引用:杉本真樹著(2014),『医療者・研究者を動かす インセンティブプレゼンテーション』,KADOKAWA/アスキー・メディアワークス.)

このテンプレートに当てはめると、私の場合は、以下のような感じになりました。

わたし(名前)は (1. 課題)「勉強・仕事の悩み」に対して (2. 解決法)「解決策となる記事の執筆」によって (3. 対象者)「学生・社会人の方々」の (4. ゴール)「悩みを解決し幸せ」にする (5. 特徴)「webライター」です。 一緒に(6.メリット)「効率的な学びと仕事の達成」に向け まず(7.1st step)「この記事を『いいね!』すること」から始めましょう。

一見すると、とても自己紹介には見えませんが、これらの項目を一つずつ埋めていけば、多くのプレゼンをすっきりとまとめることができます。特に6, 7の項目は、「人を動かす」ために思いを伝える、という意味において、あらゆるプレゼンで必要になることです。

自己紹介だけでなく、プレゼンの冒頭の簡単なアブストラクトとして実践してみてもいいかもしれません。

ぜひお試しあれ。

(参考) 杉本真樹著(2014),『医療者・研究者を動かす インセンティブプレゼンテーション』,KADOKAWA/アスキー・メディアワークス. PRESIDENT Online|孫正義流“冒頭から聴衆を引きつける”プレゼンの始め方 MR’s buddy|自己紹介の練習は、プレゼンテーションの基本

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