上手なプレゼンには、必ず「動き」があります。

プレゼンの上級者がそろうTEDの動画を見ていても、直立不動でプレゼンしているプレゼンターはまずいません。テレビで見る政治家や経営者の演説にも、力強く、かつ自然で効果的なジェスチャーが取り入れられていますよね。

ビジネスの場においても、プレゼンでは棒立ちにならないように気を付けましょう、とよく言われます。しかし、実践するのは案外難しいもの。気にはしていても、一か所に立ち止まったまま身振り手振りもせずに最後までしゃべってしまう、という人は少なくないでしょう。特にあがり症の人は、自分の姿勢に気を遣う余裕なんてないですよね。

では、どうすればプレゼンの最中に自然なジェスチャーをすることができるのでしょうか。実は、プレゼンで緊張しているときほど、ジェスチャーを取り入れるべきなのです。

どうしてジェスチャーが必要なのか。どうやって使ったらいいのか。その原理と基本を学んでいきましょう。

ジェスチャーの効果:聞き手を惹きつける

そもそもなぜジェスチャーが必要なのか、その理由は大きく分けて2つです。

1つ目は、聞き手を飽きさせないため。

話し手は直立不動、静止画のスライドだけが淡々とめくられていく……。これでは、聞き手の視界で動くものがありません。そういった変化のないプレゼンを見続けるのは非常に退屈ですから、聞き手の興味を少しでも引き付けるために、ジェスチャーを用いて視覚的な変化を付けるのは、効果的な方法だと言えます。

そして2つ目は、「動きのノイズ」を隠すため。

人間は誰しも動きの癖を持っています。これは「動きのノイズ」と称されるもので、例えば髪や口元を触ったり、体が小刻みに揺れたりする動きのこと。これらの行為は、自分の不安を無意識のうちに解消しようとする行為であり、言い換えれば、自信がないことの現れなのです。プレゼンの最中に動きのノイズを見せてしまえば、聞き手に「ああ、自信がないんだな」と感づかれてしまいます。

棒立ちしている人が時々髪をさわる仕草をしていると、どうしても気になりますよね。しかし、そこに効果的なジェスチャーが加わると、動きのノイズの小さな動きは目につきにくくなるのです。自信がない人ほど動きのノイズが増えますから、緊張を悟られないためにはむしろジェスチャーを使うべきだと言えるでしょう。

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ジェスチャーの効果:動くことで話者の緊張がほぐれる

ジェスチャーは、聞き手に対してのみ効果を発揮するものではありません。実は、話し手自身の緊張をほぐす効果もあるのです。

そもそも、なぜプレゼンで緊張してしまうのかというと、人の目にさらされることで交感神経が強く働いているから。交感神経の働きが強くなると、筋肉が硬直し、血行が悪くなります。それを解消するために、心拍数が上昇してしまうのです。

心拍数の上昇を解消するためには、引き金となっている「筋肉の硬直」をやわらげることが必須。そのためには、まず筋肉を動かす必要があります。でも、プレゼン中に体操するわけにもいきませんから、もうできる動きといったらジェスチャーくらいしかありませんよね。ゆえにジェスチャーは、プレゼン中に緊張を解消できる唯一の方法であるとも言えるでしょう。

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ジェスチャーを使うポイント

では、実際にどういった動きがジェスチャーとして効果的なのか説明します。
といっても、常に動いていたらただのせわしない人ですから、ポイントを絞って使うのがベスト。

・接続詞で使う

「しかし」「つまり」といった接続詞は、重要な事柄を話す前に用いる、ポイントとなるワードです。それまでスライドを見て説明していたとしても、接続詞のタイミングではしっかり相手の方を向き、右手で大きく動きを付けてみましょう。動きのイメージとしては、林修先生の「今でしょ」のポーズを真似すると良いかもしれません。

・副詞で使う

「とても」「少し」といった副詞には動きが付けやすいもの。副詞を使うであろう場面は予めわかっているでしょうから、準備段階で動きを想定しておきましょう。

・数字で使う

数字は、手で表現しやすいジェスチャーの一つ。数字が出てきたら指を使って表現すると、プレゼンにメリハリが付きます。「ポイントは3つ」「まず1つ目に」といったような、数字が直接的な意味を持つ場合に数字を指で表すと効果的です。

注意したいのは、「300万円」「5,000人」といったフレーズでは、指のジェスチャーはかならずしも必要ないということ。「100万円じゃなくて300万円だ」と違いを強調したいのなら指で3を示すと分かりやすいのですが、「3」という数字よりも「100万円」という単位の大きさを強調したいのなら3本指を立てて示す必要はないでしょう。

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孫正義氏やスティーブ・ジョブズ氏のような大物がプレゼンで人を惹きつけるのは、人一倍プレゼン準備に時間をかけているからだと言います。原稿やスライドだけでなくジェスチャーも、あらかじめ準備しておかなくては効果的に使うことはできません。たかがジェスチャーといって妥協せず、しっかり準備してプレゼンに臨みましょう。

(参考)
PRESIDENT Online|プレゼンで身につけるべき「ジェスチャー」のポイント5つ
PRESIDENT Online|ダメプレゼンを劇的に改善する「動きのノイズ」解消法
ダイヤモンド社書籍オンライン|プレゼンがうまい人は「接続詞」を発すると同時に、あることをやっている
自律神経失調症-完璧ガイド|交感神経と副交感神経とは?