自分の意見やアイデアを、上司からバッサリ切り捨てられた経験はありませんか? 思いついた時は「素晴らしい! 絶対に成功する!」と考えていたのに、他人に質問され、異議を唱えられると、途端に自信がなくなってしまう。

これは、社会人だけでなく、全ての人が経験することです。学生であれば部活の運営に、主婦であれば家計のやりくりに。自分の考えやアイデアをしっかりと磨き上げるのは、誰にでも必要な能力でしょう。そんな時に必要になってくるのが、自分でツッコミを入れ、批判的に考える批判的思考=クリティカルシンキングです。最近流行りの言葉ではありますが、どんな風に身につけていけばいいのでしょう。

今日は、クリティカルシンキング、そしてロジカルシンキングの基礎とも言える「ピラミッド・ストラクチャー」の手法をご紹介しましょう。

ピラミッド・ストラクチャーとは

イェール大学卒業後にマッキンゼーに入社、その後独立してデルタスタジオを設立した渡辺健介氏は、ピラミッド・ストラクチャーをこう紹介しています。

他人の意見を鵜呑みにしたり、自分の意見をむやみに信じたりする前にすべきことがある。まず ”理由” や ”根拠” を正確に理解し、 ”本当にそうかな?” と問いかけ、その上でその意見が正しいか否か、賛成するか否かを考え抜き、判断することだ。その際に、ピラミッド・ストラクチャーが役立つ。

(引用元:渡辺健介著(2009),『自分の答えのつくりかた-INDEPENDENT MIND』,ダイヤモンド社.)

論理的、批判的に考える上で、自分の考えを図式化して整理することは非常に重要です。論理的に考え抜く力をつけるために、まず形をマネしてみましょう。そうすれば、自分の意見を俯瞰的に見つめることができ、どこに論理の穴があるか明確になります。

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その1:並列型

自分の意見や問題点を短い時間で説明しなければならない時、問題をシンプルにつかみたい時は、「並列型」のピラミッド・ストラクチャーがおすすめです。一番上に自分の意見やアイデア、結論を置き、そのしたにいくつか結論を同列で並べます。以下の画像では「ランチは一人で手軽に済ませるべきだ」という意見を他人に説明する時のピラミッドを紹介しています。

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深い議論や突っ込んだ質問には対応できませんが、限られた時間で論理的な説明や発表が求められる時には非常に役立ちます。

その2:解説型

解説型というのは、三段論法に似たもので、「こうで、こうだから、こうだ」という論理の道筋を追ったものになります。どうしてそのアイデアが生まれたのか、どのような経緯で現状が生まれたのか、それを人に説明する時には、より説得力が増すでしょう。下の画像では、私が所属する弁論・ディベートサークルへの入会を決めた経緯を紹介しています。

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厳密にいえば、解説型になっているのは、上の箱三つのみ。それに付随する箱は並列型になっています。他人を説得するのに最も役立つのはストーリーを語ることです。自分の意見や経験を流れに沿って説明する経験は、ぜひともしておくべきでしょう。

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ここでご紹介させていただいたピラミッド・ストラクチャーは、非常に有名なフレームワークの一つ。記事で取り上げ当てはめたのは、非常に単純な例ですし、本来ならより掘り下げて考え、ツッコミを入れる必要があります。

しかし、まずはその形を知り、とても有効なことだと思うのです。テニスや野球でも、初心者にフォームの指導は一通りしますよね。まだ筋力もスピードも足りていないから、基礎練をずっとやっておけ! なんてコーチはいないはずです。

今日簡単にご紹介した方法が、みなさんの批判的思考力を鍛えるきっかけになればとかんがえています。

参考
日経Bizアカデミー BIZ COLLEGE|論理入門:第9回 ピラミッドストラクチャ「三角形に論理展開するIT media エンタープライズ|マッキンゼー流仕事術:残念にならないプレゼン――ピラミッドストラクチャーを使う (2/2)
N’s spirit |ピラミッドストラクチャー
渡辺健介著(2009),『自分の答えのつくりかた-INDEPENDENT MIND』,ダイヤモンド社.