前回はミステリーの中から、独断と偏見で5作、おすすめをピックアップしました。
今回は第2弾【SF編】です。

20世紀前半、SFは雑誌上での連載が主流で、今でいうライトノベルの様な読みやすいものが多かったようです。しかし、20世紀後半から、娯楽的要素が主流だったSFが社会に対して示唆的な意味合いを持つものになってきました。そうした流れを受け、最近のSFは魅力的な作品揃いです。

「SFに興味はあるけれど、何から読み始めるのが良いのかわからない」という人のために僕の好きな作品を5作選んでみました。

badge_Columns_100個人的オススメ!SF編

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『星を継ぐもの』

著者:ジェイムズ・P・ホーガン

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昨年の映画で、「日本よ、これが映画だ」というキャッチコピーが有名になりましたね。
『星を継ぐもの』はまさに「日本よ、これがSFだ」と言うべき存在です。
SFはサイエンス・フィクションの略ですが、SF史上最もサイエンスしている作品ではないでしょうか。
中学1年生のとき、担任の先生がこの本を貸してくれました。
当時の僕には難しかったけれど頑張って読んだ記憶があります。
30年以上も前の作品ですが、「未来に読み継がれる作品ってこういうのかなぁ」と思わせてくれます。


『1984』

著者:ジョージ・オーウェル

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ユートピアものの中で特に有名なのがこの本です。
娯楽としての完成度が高い一方で、社会問題を示唆しています。
世界観の見せ方、馴染ませ方がとても上手で、緻密な心理描写のおかげでぐいぐい物語に引き込まれます。
全体主義の怖さ、自由の素晴らしさを描いた作品ですが、非常におもしろいので読んでみてはいかがでしょうか。
余談ですが、村上春樹の『1Q84』は、この作品のオマージュです。
1984のビッグダディーと1Q84のリトルピープルがそれぞれどういう意味を持つのか考えてみても面白いですね。


『アルジャーノンに花束を』

著者:ダニエル・キイス

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物語の最初は、ある理由で文章がとても読みづらくなっています。
しかし、主人公がだんだんと変化していく中で、文体も変わっていきます。ネタバレになるのであまり言えませんが、読みやすくなったり逆に読みにくくなったりします。ぜひ読んで確かめてみてください。科学の業だとか文明社会の咎を考えさせる作品です。

ちなみに、著者のダニエル・キイスさんは今年の6月に亡くなりました。


『新世界より』

著者:貴志祐介

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アニメ化されたので、これは知っている人が多いと思います。
サイコキネシスが発達した世界って、いかにもSFらしいですよね。
全3巻構成で長い上に、1巻が世界観の導入のみで終わってしまうので、やや退屈で途中で挫折してしまう人もいるかもしれません。
しかし、1巻さえ読み終われば止まらないほどのおもしろさで全巻読破してしまいます。
寝食を忘れるとはこのことかと思うくらい、おもしろくてたまりません。
あるバケネズミの最後の一言もあってちょっと怖いかもしれませんが、僕の一押しの本です。


『5分後の世界』

著者:村上龍

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1945年の終戦後、日本は連合国によって分割統治される計画がありましたが、実際にはそうなりませんでした。

この本は、この世界から5分だけずれた日本が分割統治されている世界のお話です。

戦闘の描写がほとんどを占め、緻密すぎる表現で描かれているため、まるで自分がそこにいるかのように想像できます。

この本の主人公は、現代の日本と仮想の日本との対比をさせる起点となる役割を持っています。

現代日本は醜く卑屈で、高潔さは失われてしまいましたが、「5分後の」日本は気高くプライドをもって生きています。

そこに来た主人公はその世界の住人の高貴さに触れて、変化していきますが、誇りや気高さを持つ主人公に生まれ変わっていく描写は何度読んでも感動します。

今の日本人に失われてしまった貴い心持ちは、この本を読むことで取り返せるのではないでしょうか。

難しい話ですが、一読の価値ありです。

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今回はSFの紹介でした。
SFにはもともと詳しくありませんでしたが、友人や周りの人が傑作を勧めてくれるおかげで、心打たれる作品ばかり読むことができました。
SFは人類の夢が詰まっています。
ここに載っている本だけでなく、ぜひ自分でも開拓してみてはいかがでしょうか。


東京大学文科三類所属。磐田南高校卒業。4歳からサッカーとピアノを始める。大学ではスペイン語を学んでいる。三島由紀夫とMr.Childrenをこよなく愛する。将来はスペインに住んで日がな一日レアルマドリードの試合を見て天寿を全うしたい。