年末になり、今年の仕事納めも近づいてきました。年末年始で自由な時間があるうちに今年の一年を振り返って、新たな気持ちで新年を迎えたいものですね。

今回は、年末にやっておきたい「一年の振り返り」を効果的に行う方法をご紹介します。この一年を思い返すことで学びを最大化し、来年のさらなる成長につなげましょう。

今年一年の振り返りをするメリット

そもそも、なぜこの一年を振り返る必要があるのでしょうか。

Harvard Business SchoolのFrancesca Gino、Gary P. Pisano、University of North CarolinaのBradley R. Staats、HEC ParisのGiada Di Stefano教授は、2014年の共同研究を元に「振り返りは学びを支える強力なメカニズム」だと主張しています。

物事に取り組んだ後に振り返りの時間を設けることは、同様のタスクに取り組む機会を増やすよりも、学びの過程の質を大いに高める

(引用元:Francesca Gino, Gary P. Pisano, Bradley R. Staats, Giada Di Stefano, (2014), 『Making Experience Count: The Role of Reflection in Individual Learning』, Harvard Business School

とにかく経験を積む、という方法では非効率だそう。振り返りを挟まずただ回数を重ねるだけなら時間の無駄になりかねません。パフォーマンスの結果は、計画的に過去の経験からの学びに焦点を充てることで大いに向上するのだとか。なぜ、振り返りはこれほどまでに効果的なのでしょうか。

意識的に学びを振り返る努力をすることで、感情面・認知面においてタスクに対するアプローチの仕方が変わる。振り返りを通して特に、感情面で「自己可能感」を増大させ、認知面で「タスクへの理解度」をより深めることができるので、パフォーマンスの向上が見込める

(引用元:同上)

「自己可能感」とは、自分がある状況において必要な行動をうまく遂行できるかという可能性の認知を表します。簡単に言うと、自信がつくということ。それが1つ目のメリットです。

振り返りは物事に取り組む能力に対する本人の自信をつけるのに役立つが、実際に今後のパフォーマンスを向上させるのはタスクに対する理解度の上昇である。

(引用元:同上)

2つ目のメリットは、経験を顧みて成功と失敗の要因の分析をすることで、対象への理解度が上がること。理解度の上昇により、同じ失敗を繰り返すリスクを減らし、さらなる成功の可能性を高めることができます。

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振り返りの効果を最大限に引き出すために

では、どんなふうに振り返りを行うのが効果的なのでしょうか。

経験から学んだ教訓を統合し体系化する努力を意識的に行うことで、タスクを成功へと導く能力が大きく上がる

(引用元:同上)

様々な経験から得られた具体的な教訓を、自分の頭の中で体系化するのが重要なのだとか。教訓に基づいて自分だけの「成功法則」を確立できるのがベスト。

では、どうやったら一年のうちに経験した多くの物事を振り返り、得た学びを体系化することができるでしょうか。振り返りを効果的に進めるための方法をご紹介します。

1. 過去にたてた目標と現実を比べてみる

今年の初めに、年間目標を設定したという人も多いはず。年度の途中、学期・四半期のはじめに、勉強や仕事の目標をたてた人もいるでしょう。その目標を書いた紙やノートが手元にあるならば、目を通してみましょう。FacebookやTwitter、ブログに目標を記入したという人は、その投稿を開いてみてください。

その上で、過去にたてた目標と現実を照らし合わせてみましょう。紙に目標を記してある場合、達成したものに丸をつけてもいいですし、横にコメントを加えても良いでしょう。

達成・未達成にかかわらず、達成できた理由や実現できなかった理由、経験から得た教訓や次に生かしたい反省を、具体的に書き留めることをおすすめします。

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2. 今年の手帳や成果物に目を通す

今年目標をたてていなかった人、または目標設定はしたけれども具体的には思い出せないという人は、以下のものを手にとってみましょう。目標を覚えている人も、これらがあれば1の作業を行うときに、より具体的に振り返りをすることができますよ。

・今年一年使った手帳
・書きためた日記やブログ
・会社の評価シート
・自分の成果物(プロジェクトのレポートや発表資料など)
・勉強に使ったノートや教材
・資格試験の結果

上記のような、自分が今年取り組んだことやその成果が可視化されたものに目を通すことで、「○○がうまくいった(△△が失敗してしまった)のはなぜだろう」「○○をさらによくするにはどうすればいいか」「△△をどう改善できるだろうか」というような洞察が得られます。

3. 問いに答える形で今年の振り返りを体系化する

1や2で書き出した、具体的な学びを統合し、体系化してみましょう。難しく聞こえるかもしれませんが、以下の問いに答える形で考えていくと簡単。

1. 今年達成したこと・その理由
2. 今年一番大変だったこと・その解決方法
3. 今年最も幸せを感じた瞬間
4. 今年感謝していることや人
5. 今年得た経験・スキル
6. 今年最も投資したこと
7. 今年やり残したこと・その実現に必要なこと
8. 今年得た教訓
9. 今年の失敗を経て来年に活かしたい反省
10. 今年したことが人生の大きな目標につながっているか

せっかくの一年間の経験を次に生かすために、30分ほどかけて丁寧に行いましょう。

最後に自分で書いた答えを見ながら、来年どうすればさらに良い一年にできるかも書き出すと新年の目標設定につながりますよ。「来年新たに得たい経験・スキル」「来年、人生の大きな目標にさらに近くにはどうすればいいか」など、今年の振り返りを踏まえて具体的に書き出すのが効果的です。

***
一年の振り返りをすることで、学びを体系化し、来年のさらなる成長につなげましょう。年末にこの作業をするかしないかで、翌年のパフォーマンスが大きく変わってくるはずですよ。

(参考)
Francesca Gino, Gary P. Pisano, Bradley R. Staats, Giada Di Stefano, (2014), 『Making Experience Count: The Role of Reflection in Individual Learning』, Harvard Business School
Healthy|Mental Heath|10 ways to effective reflection