行動科学的に効果的な褒め方とは? 相手のやる気を引き出すための3つの「リインフォース」実践例。

みなさんは、職場の部下や後輩に対して真摯に向き合っているにもかかわらず、自分の意思が相手に伝わっていないと感じた経験はありますか。

また、仕事への意欲があまり感じられない部下や後輩にたいして、どのように接したらいいのか迷ってしまうという人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、相手のやる気を引き出すための「リインフォース」という方法についてお伝えします。

相手が行動しないのは、あなたの責任かも

自分の思う通りに周囲が動いてくれないのは、相手の気が利かないせいだと思い込んではいませんか。確かに、それも一理あるかもしれません。しかし一方で、自身のマネジメント力不足が理由であることも考えられるのです。

基本的には、相手の行動をコントロールすることは不可能だと言えます。しかしもし自分が適切な態度を取ることができたならば、相手もやる気を出してくれるようになる可能性はぐっと高まるに違いありません。そのためにぜひ取り入れたい方法が「リインフォース」なのです。

「リインフォース」とはなにか

行動科学マネジメント研究所所長である石田淳氏によると、人は行動の結果にメリットがあれば自ら率先して努力をするのだそう。そして「リインフォース」とはそのメリットの部分であり、いわば行動を達成したあとの「ごほうび」のようなものなのです。

そのリインフォースの方法のひとつとして「褒めること」が挙げられます。みなさんも上司から「よく頑張っているね」などと褒められて、もっと頑張ろうと嬉しくなったことがあるのではないでしょうか。

もちろん、それと同じようにして部下や後輩に「最近よくやっているね」と声をかけるのは良いことです。しかし普段から相手と接する機会があまりない場合は、「いつもはほったらかしなのに、どうしてそのようなことが分かるのか」とかえって逆効果になってしまいかねません。リインフォースを実践するにはタイミングが重要なのです。

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「リインフォース」の実践例

では、私たちはどのようにすればリインフォースを普段の行動に取り入れることができるのでしょうか。シチュエーションごとに具体的な方法をご紹介します。

1. 成果報告を受ける時 これはどのような職業であるかにもよりますが、比較的リインフォースを行いやすい場面であると言えます。というのも、褒めるべき具体的な数字が目の前にあるからです。褒めるのが苦手だという方もここから始めてみると良いかもしれません。

例えば、営業の仕事であれば「今月は先月の2倍の契約を取ってきたみたいだね、いつも取引先に直接足を運んでいたのがきっと結果につながったんだよ」というように相手の望ましい行動に対して褒めるようにします。そうすれば、相手はその行動を続けてくれるようになるのです。

「労力を費やせば成果が出るのは当たり前」という態度は良くありません。その態度はむしろ相手の反発心を生み出すことになるでしょう。

2. 書類の受け渡しをする時 よくある何気ない場面ではありますが、こういった場面での小さな振る舞いが意外と相手の印象に残っているということはよくあるものです。

部下や後輩が作成した書類を受け取る時、無言だったり仏頂面であったりすることはありませんか。ただ書類をもらうだけなのに、いちいち反応をする方が大変だと感じる方ももしかするといらっしゃるかもしれませんね。

しかし、この時に書類を一瞬でも確認して「ありがとう、丁寧に作ってあるね」と一言伝えれば、相手は、きちんと自分のことを見てくれていると感じられるはずです。このようなちょっとした声かけを続けていけば、部下や後輩はあなたのことを「〇〇さんは、頑張っている私を認めてくれる人だ」と認識し仕事に精を出すようになるかもしれませんよ

3. 会議が終わった時 会議のあと、そそくさと自分の持ち場に戻ってはいませんか。速やかに仕事に戻ることは確かに大切ですが、部下や後輩と接する大事な一瞬を逃しているかもしれませんよ。

例えば「さっきの提案だったら、取引先の〇〇さんにも喜んでもらえるね」などと伝えてみてください。仕事の意義をそれとなく確認させることで部下や後輩が持つ仕事のやらされ感を軽減し、やる気を出させることができるはずです

また「さっきの提案良かったよ。そのことについて分からないことがあったら聞いてね」と声をかけるだけで、相手は自信のない部分を相談してくれるかもしれません。そこに的確なアドバイスをしてあげることで、部下や後輩は「わからないことがあれば〇〇さんに相談できる」と安心できて、自分の仕事に打ち込むことができるでしょう

*** みなさんも、お伝えした方法をぜひ試してみてください。自分の意思が伝わり職場関係も仕事もきっと円滑になりますよ。

(参考) 石田淳著(2015),「『辞めさせない』マネジメント:行動科学を使えば若手が自ら成長する!」,PHP研究所. ウィルPMインターナショナル|行動科学マネジメントとは PHP Online 衆知|部下の何を褒めれば良いのか——「辞めさせない」マネジメント 日経ウーマンオンライン|困った部下&後輩のやる気を引き出す魔法の言葉 日経Bizアカデミー|【日経文庫ビジュアル】部下のやる気を引き出すコーチング 第1回 コミュニケーションできる関係をつくる

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