文章を書く時に、文意が相手に伝わらず、歯痒い思いをした経験はありませんか? 一生懸命書いた時ほど、読む側の読解力がないせいだ等と相手のせいにしてしまいがち。
ですが、誰にも誤解されることのない文章をいつも書くことができれば、それに越したことはないですよね。

今回は、「理科系の作文技術」という本を元に、相手に自分の意図をきちんと伝えることができる文章を書くコツをご紹介します。

わかりやすい文章を書くために

yomiteni-tsutawaranai02『理科系の作文技術』
木下 是雄著
中央公論新社 1981年
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物理学者で学習院大学学長も務められた木下是雄さんによって書かれた『理科系の作文技術』は、1981年の発売以来、多くの読者に読まれ、累計100万部を突破するロングセラーとなっています。
この本がこれほどまでに読まれてきたのは、「理科系」という言葉を冠しながらも、その実は理系文系問わず、「正確に言いたいことが伝わる文章」に必要な技術がわかりやすく書かれているから。

この文章の中で繰り返し述べられているのは、
1.事実と意見を区別すること
2.簡潔明快な文章を心がける

という二点です。さらに、

必要なことは洩れなく記述し、必要でないことは一つも書かないのが仕事の文章を書くときの第一原則である。何が必要かは目的(用件)により、また相手(読者)の要求や予備知識による。その判断に、書く人の力量があらわれる。

[引用元:木下是雄『理科系の作文技術』]

ここは「分かりやすい文章」を書くために非常に重要な項目です。読み手を説得しようとしたり、ついついしつこく説明してしまったり、知っている知識をたくさん盛り込もうとしてしまいます。しかしそれは不要。
相手が予備知識が豊富な同業の人なのか、それとも全く無い一般の人なのかによって、説明が必要な段階が変わってきますよね。相手が欲している情報を意識しつつ、簡潔な文章を心がけるとともに、文章を読む相手に寄り添った書き方にすることが重要です。

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起承転結で構成しない

伝えるための文章を書く上で必要とされるのは起承転結のあるストーリーではありません。読み手が知りたいのは「結論」とその「裏付け」です。そこで、『理科系の作文技術』では、「目的規定文」を書いた上で、「序論、本論、結び」の3つで構成するべきだと述べられます。

1.目的規定文とは、

「主題をはっきり決めたら、次に、自分は何を目標としてその文章を書くのか、そこで何を主張しようとするのかを熟考して、それを一つの文にまとめて書いてみることを勧める。」

[引用元:同上]
この一文のことを指します。

2.序論では、「なぜ読み手がこの文章を読む必要があるのか」を短く説明します。

3.本論

まず大づかみな説明を与えて読者に概観を示してから、細部の記述に入る。

[引用元:同上]

最初に結論を述べます。その結論は抽象的でもかまいません。その結論について内容を説明します。その説明によって最初の結論が理解できるという仕組みです。具体例を用いるのもここです。

4.結び
もう一度、さらにわかりやすい言葉で結論を述べます。

ここまでで文章の構成は終了です。

言いたい主題をAとすると、
『Aについて書く意図、目的(目的規定文)→読み手がAについて共感できる点(序論、導入)→A→Aの説明、具体例→A』
という流れが、わかりやすい文章の構造になります。

そして最後に忘れてはいけないのが「推敲」です。この流れにのっとって構成されているか、不要なことを書いていないか、必要なことを書き落としていないか、読み手が欲している情報なのか。わかりやすい文章は、あなたの過度な情熱や一方的な情報発信からは決して生まれません。入念な見直しが欠かせないので、最後の最後まで気を抜かないようにしましょう。

***
いかがでしょうか。私も書いていて耳が痛い内容でした。木下先生にならって、わかりやすい文章を心がけていきたいですね。ぜひ参考にしてみてくださいね。

参考文献
木下是雄|1981|中公新書|理科系の作文技術