みなさんは普段、音楽を聴きながら勉強していますか。

気が散ってしまうから、勉強している時にBGMをかけるのはやめた方が良い。勉強中にはクラシック音楽を聴くといい。モチベーションを上げるのに、お気に入りの音楽をかけるといい……。

勉強中の音楽の有無についてはいろいろな意見がありますが、実際のところはどうなのか、疑問に思う人もいることでしょう。

今回は、BGM無し推奨派の方にはご法度と言われてしまうかもしれませんが、勉強に集中したいときにロックミュージックを聴くべきいくつかの理由についてお伝えしたいと思います。

音楽を聴いて勉強脳をつくる

勉強をしたくないと感じた時や勉強がなかなか捗らない時、やる気や集中力が出るまで待っていたら日が暮れてしまったという経験はないでしょうか。もし、また同じような状況に陥ったら、ぜひ音楽を聴きながら勉強してみてください。

カナダ・マギル大学准教授であり神経科学者でもあるDaniel Levitin氏によると、音楽を聴いている時、私たちの脳は、好きなものを食べるなどといった快く感じる活動と同じ部位を活性化させ、快楽物質であるドーパミンや幸せホルモンと呼ばれるセロトニンを放出しているのだそう。

人間の脳は、ドーパミンが分泌されるとその時にどんな行動をとっていたのかを記憶し、その時の快感をことあるごとに再現しようとする働きを持っています。そしてもっと効率的にドーパミンを分泌し快感を得るため、脳内の神経細胞をどんどんつなぎ変えて新たな回路を生み出そうと働きます。そうして快感を生み出すことが癖になり、ドーパミンを分泌するきっかけとなる行動を繰り返していくうちに、その行動を上達させることが可能となるのです。これを「強化学習」といい、勉強において脳の働きを最大限に活かすためには、この「強化学習」のサイクルを回すことが重要になってきます。

勉強に適した脳が欲しいのだとしたら、勉強内容が理解できた時の喜びによって、脳にドーパミンを分泌させることができれば一番理想的です。脳が勉強の喜びを再現しようと働くからです。ですが、苦手な科目を勉強している時や、勉強が捗らなくてイライラしている時などには、そうそう上手くドーパミンを分泌させることはできませんよね。むしろ、嫌になって勉強を投げ出したくなってしまうことのほうが多いでしょう。

そんな時でも、音楽を聴けば、私たちの脳はドーパミンを分泌します。音楽を利用して勉強中の脳にドーパミンを分泌させて強化学習を促進すれば、勉強は快感を生み出す行動だとみなされるため、やる気を持って勉強に取り組むことができるのです。

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勉強時にはロックミュージックを聴こう

勉強中の音楽と言うと、静かなクラシックやカフェで流れているようなジャズであれば落ち着いて勉強できるのではないか、と考える人は多いでしょう。しかしこのコラムでお勧めするのは、ロックミュージック。騒がしいので勉強には向かないと思われがちなロックミュージックをあえてお勧めするのには、2つの理由があります。

1. 勉強でイライラした時の攻撃性を抑えることができる

勉強が捗っていない時や自分の努力に結果がついてこない時、私たちは焦りや不安、苛立ちを覚えます。家族や友人、周囲の物に八つ当たりしてしまいたくなることもあるでしょう。しかし、イライラしたまま勉強し続けても、良い成果など出るわけがありませんよね。実は、そういった時にロックミュージックを聴くととても効果的なのです。

「気分不一致効果」というものをご存知でしょうか。例えば悲しいことがあった時、元気を出そうとしてアップテンポな曲を聴いたら余計に悲しくなってしまったが、逆に暗い曲を聴くとなぜか落ち着いて楽になった、という経験はみなさんもおありでしょう。本来なら、アップテンポな曲を聴くと元気になり、暗い曲を聴くと悲しくなりそうなものですよね。しかしそのようにはならず、正反対の作用が引き起こされることを気分不一致効果と言います。

この気分不一致効果は、ネガティブな感情の時に現れやすいもの。悲しい時だけでなく、勉強が上手くいかなくて焦ったりイライラしたりしている場合も同様です。

ロックミュージックを聴くとノルアドレナリンというホルモンによって攻撃性が高まりやすいと言われています。この性質をうまく利用すれば、気分不一致効果によって、勉強が捗らずイライラしている時に生じやすい攻撃性をロックミュージックによって抑制することが狙えるのです。

2. 認識能力を向上させることができる

『Neuroscience of Behavior and Psychology』という学術雑誌に掲載された研究によると、ロックミュージックがBGMとしてかかっていると、そうでない場合よりも画像や文字、数字への認識能力が上がるということが分かりました。

というのも、これには文字や数字などの情報の処理すると考えられている左脳が大きく関係しています。医学博士である米山公啓氏によると、リズム感のある曲は左脳を刺激するのだそう。ロックミュージックは、基本的に8ビートや4ビートのリズムが強調されていて、他のジャンルの音楽と比べて決まったリズムが連続しているのが特徴です。そのためロックミュージックを聴いていると、もともと右脳と比べて分析的な処理が得意である左脳が、より論理的な思考を行う脳へと成長するのです。

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一つ注意しておきたいのは、ロックミュージックが良いからといって無理して聴き続けないことです。慣れない音楽を聴いたことがストレスの原因となってしまっては元も子もありません。

これまではあまりロックミュージックを聴かなかったという方は、無理のない範囲でロックミュージックを聴いてみてはいかがでしょうか。勉強に行き詰まってしまった際には、よい気分転換になるかもしれませんよ。

(参考)