いつもの自分が一番強い。己を制御し “最強の自分” を取り戻す『ルーティン化』の技術

皆さんは、何か習慣にしていることはありますか?

習慣と言えば何となくでこなしていることだと思うでしょうが、実はその「何となく」の行動には、人間のパフォーマンスを左右する大きな力が潜んでいます。そのような「習慣」の力を存分に利用することでパフォーマンスを向上させる方法「ルーティン化」は、実は多くのデキるビジネスパーソンにも積極的に取り入れられているのです。

そこで今回は、何となくでパフォーマンスを向上させる「ルーティン化」の技術について紹介したいと思います。

ルーティン化とは“刷り込み”の技術

人間の習慣は、一般的に繰り返しによる“刷り込み”で成立しています。刷り込みとは、同じ刺激や行動をセットにして繰り返すことで、それに続く反応が自動的に引き起こされるという動物の性質です。

有名な実験にパブロフの犬というものがあります。犬に餌を与えることとベルを鳴らすことをセットにした結果、ベルを鳴らすだけで唾液が分泌されるという刷り込みがされていることがわかりました。この犬にとっては「ベルの音を聞くこと」と「餌を食べること」がルーティン化されたということになるのです。

このような性質を利用して、在宅勤務の日にも普段の出社日と同じように着替えたり、メイクをしたりしてから業務に入ることで、家にいても仕事の効率を落とさない、という工夫をしている人もいるのだとか。朝の習慣をこなすことで仕事モードに入る、というのも、ビジネスパーソンには自然と刷り込まれた「ルーティン」のひとつなのです。

“いつもの自分”が一番強い!

ルーティン化の習慣は、一流のアスリートの間でも広く取り入れられています。 イチロー選手のバッターボックスでの動きはあまりにも有名ですが、昨今話題となった五郎丸選手の五郎丸ポーズや、琴奨菊の琴バウアーをはじめとして、ウサイン・ボルト、タイガー・ウッズ、クリスティアーノ・ロナウド、内村航平、木村沙織など、ルーティン化を利用しているトップアスリートは枚挙にいとまがありません。

では一体、彼らはなぜそのように、特別なルーティンを取り入れているのでしょうか?

アスリートがルーティンを取り入れる理由はさまざまですが、その中でもプレッシャーに打ち勝つという理由が大きいようです。当たり前のことですが、トップアスリートがさまざまな期待を背負って勝負の舞台に立つ瞬間、想像を絶するようなプレッシャーがのしかかります。その中で結果を出すためには、練習でやってきたことをきちんと発揮することが不可欠です。

しかし、例えば、あなたが会社でプレゼンをすることを考えても、プレッシャーの下で100%の力を発揮するというのは非常に難しいことだと分かるはず。そこでルーティンが効果を発揮します。

特定の動作をしたら集中モードに入る、ということを繰り返していると、刷り込みが完了し、特定の動作がルーティンとなります。そうなれば、同じ動作をするだけで自然とメンタルが集中モードに入り、いつもと同じ精神状態でパフォーマンスを発揮することができるのです。

このようにいつも通りのパフォーマンスを発揮するほか、精神的にダメージを受けて動揺してしまった際、いつもの気持ちを取り戻して立ち直ることを助けてくれたり、やる気がなかなか出ないときにもパッと切り替えて仕事に取り掛かることができたりと、ルーティンを活用することで自分のメンタルを上手にコントロールすることが可能になります。

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ビジネスパーソンの“ルーティン”

では、ビジネスパーソンの場合どのようなことをルーティンにすれば良いのでしょうか。

ビジネスパーソンがルーティンを作るうえで重要になるのは、どんな状況でもそのルーティンを行うことができることです。例えば、それ自体はルーティンとして十分機能するとしても、「コーヒーを一杯ドリップしてゆっくりと飲む」というようなものであれば、場所や時間が制限されることは明らかです。そうなると、会議の中で発言する直前や試験や面接などに臨む直前の状況などで、そのルーティンを行うことは非常に難しくなるでしょう。

「いつでも行えるルーティン」にするために大切なのは、なるべく自分の身体ひとつで行えること、そして大きな動きを伴わないことです。例えば、指回し体操を五本の指で順番に行う、といったルーティンであれば、会議中でも試験の直前でも電車の中でも行えます。他にも、目を閉じて深呼吸をしながら特定の言葉を頭の中で何度か唱える、というのもルーティンとして適しているでしょう。

筆者の場合は、愛用している腕時計のぜんまいを巻き上げ、針を合わせることをルーティンにしています。腕時計を手放さなければいけない場面は非常に少ないため、できずに困ったということはほとんど経験していません。ぜんまいを巻き上げ、しっかりと針を合わせると、それだけで背筋が伸びて気合が入るのを実感できます。緊張しやすい筆者にとって、この腕時計とルーティンは手放せない相棒なのです。

*** 一流のアスリートがそうであるように、ビジネスパーソンにとっても「己を制御する」というのは重要な能力のはず。ちょっとした習慣を作って、いつでも平常心の自分に戻って来る準備をしておいてはいかがでしょうか。

(参考) NIKKEI STYLE|生産性と幸せ度が大幅アップ 朝と夕のルーティン マジマガ!|【集中力を高める】 トップアスリートの本気スイッチの入れ方 日経Gooday|五郎丸ポーズ、イチローのカレー…大一番で“いつもの力”を発揮するコツ プレッシャーで折れない心のカギ“ルーティン”を味方につける はてなキーワード|パブロフの犬 ROCKET NEWS 24|言われたら納得してしまうアスリートの特殊なルーティン5選 日本経済新聞|在宅勤務、はかどる秘訣 1日の流れルーティン化 着替えやメークで出勤気分

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