やりたいこと、やらなければならないことがたくさんあるのに時間が足りない。このような悩みを抱えている人は沢山いると思います。残念ながら、一日の時間を24時間以上に延ばすことは不可能です。そのため、自由な時間を増やそうとすれば、なるべく無駄のない時間の使い方をしなければなりません。しかし、いつも時間に追われながら急いで作業をするのでは疲れてしまいます。

そこで、今回はあるタイミングに注目し、無駄な時間を減らす方法を紹介したいと思います。この方法を使うと、作業にしっかり集中できて効率があがり、結果として時間を短縮することができます。

では、あるタイミングとはいつか。

それは「ルーチンワークが終わった瞬間」です。

ルーチンワークとは

ルーチンワークとは、決まり切った日常の作業のこと。生活で言えば、朝起きて歯を磨き、顔を洗うというようなことですね。このコラムの中では、広い意味で、事前にやると決めた作業のことをルーチンワークと呼びます。

私たちがルーチンワークに取り組んでいるときは、機械的にその作業をこなすことができます。やることが決まっていますから、考えることなく目の前の作業に没頭できるのです。午後の会議で使う資料を読む、届いていたメールに返信するなど、意識して集中せずとも取り組むことができますよね。

そうしたルーチンワークの作業が一段落したとき、次に何をするかが重要なのです。

無意識に間違った作業を選択している!?

ルーチンワークが途切れたとき、私たちは心理的にもっとも抵抗の少ない道を選ぶ傾向にあると言われています。実は、何かを意識的に選ぶときには、脳のエネルギーが消費されているのです。このエネルギーをなるべく節約するために、あまり考えることなく次の作業に飛びついてしまうのだそうです。

しかし、考えずに飛びついたその作業、本当に今すべき作業でしょうか。

例えば、次の予定まであまり時間がないのに、時間のかかるタスクに取り組んでしまったらどうなるでしょう。おそらくあなたは時間を気にしながら作業をし、あまり集中することはできません。そして、タスクを途中のまま放り出して、次の予定に向かうはずです。そうなっては、次の予定をこなしていても先程終わらなかったタスクのことが気になってしまうかもしれませんよね。ふたたびタスクに取り掛かるころには、前回どこまで進めていたのかを思い出すのにまた時間を消費するでしょう。

このように深く考えずに作業を始めてしまうと、真面目に取り組んでいたとしても、余計な時間をかけてしまったり、他のタスクへの集中を妨げてしまったりする可能性があるのです。

これを防ぐため、ルーチンワークが終わった瞬間、次に何をするかをきちんと考える必要があるのです。

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タスクを選ぶ基準は、緊急性でも重要性でもない

正しいタスクを選ぶためには、何を基準にすればいいのでしょうか。

タスクの優先順位を決めるために重要視されるものの一つとして、緊急性が挙げられます。確かに、締め切りが差し迫っている作業があるのに、それを差し置いて他の作業をするというのはおかしいですよね。しかし、まだ十分に時間が残っているのなら、とりあえず期限が近いものから片付けるというのは、先程の例からしても良策ではないように思えます。

タスクを選ぶ基準として、他には重要性や難易度が挙げられますが、同じ理由で一番大事な基準とは言えないでしょう。では、一番に指針にすべき基準とは何でしょうか。

それは、「使える時間に見合ったタスクか」ということです。

タスクの中断や、時間を気にしながら進めなければならないことは、作業への集中をおおいに妨げます。そのことはSTUDY HACKERのコラム「タスク効率を最も下げるのは「中断」にあり! すばやく作業に復帰せよ!」でも触れられています。かけられる時間と、タスクに必要な時間をよく考慮し、最適なタスクを選び出す必要があるのです。

また、もう一つ気にするべきなのは、自分の心理状態や、疲労具合です。疲れているときでも頑張ることが美徳とされがちですが、心身の状態は作業能率に大きく影響します。

脳には「実行機能」と呼ばれる機能があります。これは、意思決定や短時間の記憶、行動や感情のコントロールを行う機能で、これらを行うごとに実行機能は疲労していきます。この機能が疲れると、正しい判断ができなくなり、行動する意欲が大幅に減少してしまうのです。

実行機能を回復するために、ルーチンワークが終わったときにはちょっと休憩という選択肢も頭に入れておくと良いでしょう。

ほんのちょっとのすきま時間でも働こうとするより、同僚とちょっとした会話をしたり、温かい紅茶で一息ついたりする方が、時間をうまく使っていると言えるかもしれません。

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いかがでしょうか。

今回ご紹介した方法は、ちょっと意識を変えるだけで、すぐに実行することができます。

ルーチンワークが終わったら、次に何をするかをよく考えてみてください。そうすれば、今までいかにその場限りの間違った判断をしていたかに気付くことになるでしょう。考える時間を惜しまなければ、最終的に今までよりもと長い時間を手に入れることができるはずです。

参考
ジョシュ・ディヴィス著,西川美樹訳(2015),『成功する人は、2時間しか働かない』,徳間書店.
STUDY HACKER|タスク効率を最も下げるのは「中断」にあり! すばやく作業に復帰せよ!
STUDY HACKER|意志決定で脳は消耗する! 脳の実行機能低下を防ぐタスクマネジメントの技