運動は脳に良い、仕事の効率が上がる。そんな話をよく耳にしますが、実際に運動の習慣を身に付けられている方は少ないのではないでしょうか。筆者自身も、数か月前までは運動する習慣は全くありませんでした。

しかし、運動が脳に良いのは事実。もし可能なら、ぜひ習慣として取り入れたいですよね。そこで今回は、筆者が運動習慣を身につけた経験を生かしながら、無理なく運動習慣を身につける方法をご紹介したいと思います。

運動と脳の関係

STUDY HACKERでも何度か運動と脳の関係性について説明してきましたが、改めてこの2つの関係性を学んでいきましょう。

運動をすると、血の巡りが良くなるため、脳内に新鮮な酸素を含んだ血液が多く含まれるようになります。すると、ニューロン新生といい、脳細胞が増えていくのです。特に前頭葉と海馬の活性化が期待でき、仕事の効率化にもつながります。

また、身体を動かすこと自体が脳の刺激になるのですが、特に足は筋肉量が多く感覚器も集中しているため、足を動かすとより高い効果が得られます。足の筋肉からの信号だけで、記憶・発送・想像力が10%増大するとも言われているのだそうですよ。

さらに、走ると、うつ病を予防する抗不安剤に使われている「ガンマアミノ酸(GABA)」の分泌も促されるそう。ドーパミンやセロトニンの放出も増加しますから、脳内のストレス連鎖を断ち切ることができるのです。

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運動習慣を身に付けてみた

今回は、毎晩30分程度の時間を取ってランニングをやることにしました。悪天候だったり体調が優れなかったりしてランニングが難しい場合には、ストレッチやヨガ、筋力トレーニングといったものに取り組んでいます。

夜間にしたのは、毎晩ムダな時間を過ごしていることが多いように感じたためです。ついスマートフォンに手が伸びたり、テレビ番組をずっと見たりして、夜更かししてしまうことが多かったのです。その時間を運動する時間に変えられれば、無理に時間を作ろうとしなくても取り組むことができると考えたのです。

とはいえ、「自分にはできなさそう……。」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。実は、脳には「大脳辺縁系」という部分があり、変化を恐れる性質を持っているため、新しいことを習慣化させるのはとても難しいことなのです。なぜなら、動物が自然界を生きる上では、変化は危険を伴うものだから。脳は、わざわざリスクを冒すよりも、今までの生活を続けたほうが生存確率が高い、安全だと判断するのです。

そのため、新しい習慣を身に付けたい時には、急に切り替えるのではなく、少しずつ変えていくことが大切。そこで、以下のような工夫を取り入れました。

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運動を続けるための工夫

運動は勉強のテストなどのように目に見えた成果が出づらいので、毎回目標を立てて取り組むようにしました。始めたばかりのころは面倒くさく感じる時もあったので、ハードルを低めに設定。初日の目標は「ランニングウェアに着替えて外に出る」です。

たったそれだけなのか、と感じられる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、この「たったそれだけ」が、習慣化のための第一歩となるのです。

人の脳には、モチベーションのコントロールをする側坐核という部分があり、「実際に手を動かす」ことで刺激を受け活性化します。つまり、やる気が生まれるから行動し始めるのではなく、行動していくうちに集中力が増すのです。

この効果を利用するため、上記以外にも、「ランニングウェアに着替えてストレッチをする」「外を5分歩く」など、簡単に達成できる目標を立て、じょじょに運動を定着させる準備をしていったのです。

いきなり「明日から30分のランニングを毎日やろう!」と決めても、億劫に感じられてしまいますよね。大きな目標を立てて挫折するよりも、小さな目標を日々達成し、その連続記録を守っていくほうが効率的だと思いませんか?

ランニングウェアに着替えて外に出れば、「少し走ってみようかな」といった気分になることもあります。その場合には無理のない範囲でランニングをしますが、外に出てすぐ帰ったとしても目標は達成できています。

ストレッチや筋トレなどに取り組む場合も同様。筋トレなら、ジムに行ってすぐ帰ってもいい、腕立て伏せを5回するだけでいい、といった目標から始めてみましょう。作業興奮が作用し、自然と目標達成以上のことをしているはずです。

小さな目標達成に慣れてきたと感じたら、段階的に強度を上げていきます。ランニングなら時間を伸ばす、筋トレなら回数を伸ばすといった感じですね。しかしその際も、急激な変化は取り入れず、5分、10分、15分といったように、ゆっくりと変化させていきました。

このように、小さい目標をいくつも乗り越えていくのが、習慣化のための一番の近道といえるのです。

運動習慣を身に付けて感じたメリット

毎日運動するようになってから、様々なメリットを体感することができました。ここでは3つ、ご紹介したいと思います。

1. 朝の目覚めが良くなった
特に驚いたのが、朝の目覚めです。これまでは二度寝をしてしまったり、なかなかエンジンがかからなかったりして悩んでいたのですが、運動するようになってからは毎日スッキリと目覚められるようになりました。

寝つきも良くなり、睡眠時間は以前と同じでも、睡眠の質が改善され、疲れを翌朝まで持ち越すことが無くなりました。

2. ポジティブに考えることが増えた
体力がついたためか、一日を通してスッキリとした気分でいられるので、以前よりストレスも感じにくくなりました。悩み事があっても走っているうちにだんだんと気にしなくなってきて、様々なことに対してポジティブな受け止め方ができるようになったと感じています。

3. 集中力が高まり作業効率が向上した
疲れが溜まりにくくなったため、毎日しっかりと集中して勉強や作業に取り組めるようになりました。以前は作業の途中で集中が逸れてしまうこともありましたが、今では1つ1つのタスクにしっかり集中できています。読書も、以前は1冊の本に3日程度費やしていたのに対し、現在は1日で読み切ってしまうことも珍しくなく、月15冊程度を安定して読めています。

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運動は、良いと分かっていてもなかなか取り入れにくい習慣の一つですよね。無理なく生活の中に組み込んで、たくさんのメリットを実感してください。

(参考)
マイナビウーマン|やる気がなくてもまずはやってみる「作業興奮」の心理―手軽な作業からやる
ダイヤモンド社書籍オンライン|悪い習慣は続くのに良い習慣が続かない原因は「脳の仕組み」にあった!
BUSINESS LIFE|ランニングでできる脳の活性化!走ると脳が冴える理由。
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