完璧より "最善" をめざそう。幸せな人生のための「ほどほど」の定め方。

「あれもやりたい、これもやりたい……」みなさんはそんな風に、実現したいことすべてに手を出そうとしたり、何もかも完璧にやろうとしたりしてはいませんか? とりわけビジネスパーソンのみなさんの中には、挑戦したい仕事や勉強してみたいこと、プライベートで充実させたいことなど、仕事と私生活の両面においてやりたいことだらけだ、という人は多いことと思います。

「あれもこれもこなしたい」という考えのベースにあるのは、完璧主義。完璧主義であることが原動力となり、情熱的に行動できているうちは、何も問題はないのかもしれません。むしろ素晴らしいことだとさえ言えるでしょう。

しかし、そんな完璧主義も度が過ぎると、自分を追い込んでしまう可能性があります。なぜなら、身の回りの事柄は、すべてが完璧にこなせるものばかりとは限らないから。特に、関係者が多かったり複雑なことであったりすると、いくら完璧に行いたくても、希望通りに完璧にこなすのは難しくなってきます。「完璧を目指しているのに完璧にできない」といったことが続くと、実現できていることよりもできないことばかりに目が向き、次第にストレスが溜まってしまうのです。

では、どうすれば完璧主義から脱し、自分の生活に満足することができるようになるのでしょうか。今回の記事では、完璧主義な自分と向き合いながら、幸せをより多く味わえるようになるための方法を提案していきます。

完璧主義を乗り越えた先には、幸せと完璧主義のバランスが取れた、充実した毎日が待っているはずですよ。

何事も、目指すは「ほどほど」でいい

人生においては、誰しもやりたいことが山のようにあるものです。仕事における活躍、家族とのふれあい、趣味のスポーツ……。どれも間違いなく大事であり、できることならどれにおいても、最大限の力を注ぎたいと思うのが常でしょう。

しかし、それは実際にはほとんど不可能なことである、というのもまた事実。そもそも時間は限られていますし、特に仕事に忙しい人の場合、仕事以外のことに費やせるリソースは少なくて当然ですよね。

では、どうすればいいのでしょう。それは一言でいえば、「あきらめる」ことです。

「なんてことを!」と言いたくなるのもわかります。しかし、近年注目を集めているポジティブ心理学(生きがいや幸せを感じながら、人生をより充実したものにするための学問)における研究によると、「完璧」をあきらめる代わりに「ほどほど=最善」を目指すようにすると、完璧を目指していた時よりもかえってエネルギッシュに活動できることが分かっています。

つまり、完璧をあきらめたとしても、それは必ずしも「妥協」を意味するわけではない、ということなのです。

大切にしたいことは何か?

繰り返しになりますが、何にでも全力をそそいで、すべてのことにおいて最高の成果を出すことは、ほとんど不可能です。そこで、物事の「最善」を目指すための、簡単な行動指針の作り方を紹介したいと思います。ステップは次の3つです。

1. 人生において大事にしたいことを、5つに絞ってみましょう。例えば、「職業、恋愛、健康、旅行、友人の5つ」といったような具合です。このことは、大切なことを選び出すと同時に、時間や体力を考慮して、あきらめるものを選ぶということでもあります。

2. 上で挙げたそれぞれについて、どの程度達成することが理想であるかを考えます。例えば、

職業→1日14時間働いて、30歳までに年収1,000万以上を達成する。 恋愛→恋人と週に3回以上会い、そのうち2回はデートに出かける。 健康→ジムに毎日通って筋肉をつける。 旅行→月に1回海外旅行をする。 友人→毎週呑みに行く。

というような理想を掲げてみるのです。

3. たしかに、これらをすべて達成できたら何も言うことはないでしょう。しかし実際には難しいはず。そこで、ちょうどいいのは実際どれくらいか、を考えてみてください。自分にとっての「ほどほど」とはどの程度なのかを考えてみるのです。今回の例であれば、

職業→1日10時間働く。 恋愛→週に1回デートする。 健康→週に2日ランニングをして汗を流す。 旅行→半年に1回海外旅行をする。 友人→月に2日ほど一緒に遊ぶ。

というようになるでしょう。

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「ほどほど化」を何度も自分に問いかける

上記の3ステップによって、生活や人生の中で大切にしたい項目を絞り、どの程度の達成具合を目指すのかを決めたら、実際にそのとおりに行動してみましょう。

多くの人は、「この程度で満足してはいけない……」などと考え「ほどほど」をかなり高く見積もってしまいます。しかし、目指そうとするレベルが高すぎてしまったら、それは「ほどほど」ではなくなってしまいますよね。ですから、実際に行動しながら、本当に自分にとってちょうどいいかどうかを見直すことが必要なのです。

また、「ほどほど」とはどの程度かを見直すだけでなく、無理に妥協をしたことで満足度が下がっていないかや、そもそも選んだ5つは本当に自分が大事にしたいことだったのか、といったことも考え直してみるのも大切です。このようにしながら、最も充実感を得ることができるように、行動指針に手を加えていきましょう。

*** 満ち足りた人生を送ることができず悩んでいる方や、未達成のことばかりで生活に納得できない方は、もしかしたら人生の目標が高すぎるのかもしれません。完璧を目指さずとも、充実感のある日々を送ることはできるものです。ぜひ、自分にとっての「ほどほど」を見つけてみてはいかがでしょうか。

(参考) タル・ベン・シャハー著,成瀬まゆみ訳(2015),『ハーバードの人生を変える授業』,大和書房. デビッド・D.バーンズ著,野村総一郎訳,夏苅郁子訳,山岡功一訳,小池梨花訳,佐藤美奈子訳,林建郎訳(2004),『いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法』,星和書店. ケリー・マクゴニガル著,神崎朗子訳(2015),『スタンフォードの自分を変える教室』,大和書房.

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