今回からは5回に渡って、いよいよフォトリーディングの手法を学んでいきます。
フォトリーディングは次の5つのステップで構成されています。
●ステップ1 準備(1分) 最初に「本を読む目的」を明確に決めます。次に、リラックスして本を集中して読める状態になる「みかん集中法」を行います。 ↓ ●ステップ2 予習(1分) 本の目次などをチェックし、ステップ1の「本を読む目的」に見合っている本かどうか? を見定めます。 ↓ ●ステップ3 フォトリーディング(300ページの本で5分程度) 「フォトフォーカス」という目の使い方で、本のページを2秒ごとにリズミカルにめくります。本の内容を、写真を撮るような感覚で潜在意識に送り込みます。 ↓ ●ステップ4 復習(8分) 本の中身を簡単に調査し、気になる言葉「トリガーワード」を抜き出します。そのあと、その本を読むことで知りたい「質問」を数個作ります。 ↓ ●ステップ5 活性化(15~60分ほど) ステップ3で潜在意識に入れた本の情報を、ステップ4で作った質問の答えを探すように読んでいきます。「活性化」には3つの読み方があります。
今回は、ステップ1 準備 を行っていきましょう。
目的を意識しないで読むと、何を得たかったのか不明瞭なまま終わる
まず、あなたがその本を読む目的は何でしょうか? 本来は、読みたいと思う目的があるからこそ本を購入しているはずですが、いざ読もうと思ったとき、その目的を忘れてしまいませんか?
目的を意識しないまま読みはじめると、最終的に学びとして何を得たかったのか不明瞭のまま終わることになります。「なんとなく気になったから買った」という人も、ほかの本ではなくその本を選んだということは、その本から何かを得ようとしているはずなのです。
「その本から得たい情報は何か?」 「その本を読む必要性は何か?」 「その本はどのように私の役立ってくれるのか?」
本を読む前に、このように自分に質問すると目的がはっきりしてきます。そして目的を決めるときに大事なのは、あなたにとって「やる気になる目的」かどうかです。
脳をやる気にするには「快」を意識する
「楽しくてワクワクする目的を決める」ことが本を読むときには不可欠です。どうすれば脳が活発に動いてくれるのか? それはいたって簡単で「快」があるかどうかです。
「快」とは快感、楽しくワクワクすること。あなた自身をやる気にするのも、やる気にしないのも脳の使い方次第なのです。
楽しくなるとアイデアも浮かび、想像力も高まり、創造力が増えます。勉強に一番大切な記憶力保持にも役立ちます。目的を決めるときに妥協は禁物! やる気のスイッチがオンになる本から、「こんなに知識が得られたらうれしい!」「こんな結果を生み出したい!」という目的を決めましょう。
目的の例 「私が資格取得で一発合格するための効率のいい勉強法を得たい!」 「年収をアップさせるために必要な行動を知りたい!」
「本を読む目的」を決めたらメモをし、次にリラックスしながら集中した状態をつくり出す「みかん集中法」を行います。
「みかん集中法」で集中モードをつくり出す
本を読むときは焦って読むより、リラックスして読むほうが記憶に残りやすいことがわかっています。
リラックスした状態は「みかん集中法」を行うことでつくり出します。フォトリーディングをする最適な状態は「集中+リラックス」です。そんな状態を一瞬でつくり出せるのが「みかん集中法」なのです。
「みかん集中法」のやり方は次のとおりです。
みかん集中法
【1】椅子に座ります。リラックスして目を閉じ、深呼吸をしましょう。足を床につけ、肩の力を抜いて、背筋を伸ばします。手の上に、あなた好みのみかんがひとつあるとイメージします。(立ったままでもできます)
【2】みかんの存在感、重さを感じてみてください。そしてそのみかんの色、形、手触りなどのディティールを確認します。次に皮をむき、香りを楽しみながら食べることをイメージしてください。さぁ、どんな味がしましたか?
【3】次にあなたの手の上に、色・形・味・香り、すべてにおいてあなたが完璧だと思えるみかんがひとつ乗っていることをイメージしてみてください。
【4】それを後頭部斜め上、15センチ~20センチくらいの好きな位置に置きます。手を離してもみかんはずっとそこにあります。三角帽子をかぶり、その帽子の先端にみかんを置くイメージでもよいでしょう。
【5】みかんは安定感のある果物ですから、手を離してもずっとそこにあるとイメージしましょう。みかんの位置に意識を集中させます。目を閉じていても視界が開けてくるような感じがするかもしれません。
【6】顔や肩の力を抜き、深呼吸を続けてリラックスしてください。これで「みかん集中法」ができました。
フォトリーディングをするときには、ゾーン状態(リラックスして集中して成果があがる状態)をつくるのが望ましく、「みかん集中法」は、ほんの30秒ほどでもゾーン状態に近づきます。みかん集中法はステップ1~5までの必要なときに行うので、覚えておいてください。
ちなみに「みかんでないとダメなのですか?」と聞かれることもありますが、別の好きな果物でも、テニスボールでも構いません。ただ、たとえばスイカで集中法をしようとすると「後頭部を重たく感じる」という人がほとんどです。
みかんのほどよい重量感、元気になれるビタミンカラーであること、オレンジのようには転がらない安定感、また、色、味、香り、手に持ったときの感覚、皮をむいたときの音など五感を指摘してくれるといった点も、みかんが集中力をアップしてくれるのに最適な理由です。
「みかん集中法」はフォトリーディングだけでなく、大事なプレゼンの前、面接など、ふだんのビジネスシーンでも使えます。
ステップ1でやること 【1】本を読む目的を決めてメモをする 【2】リラックスしながら集中した状態を作り出す「みかん集中法」を行う