みなさんは、やるべきことがとても大きい時、どのようにそのタスクに取り掛かるでしょうか。

例えば、「新しい企画を自分が考えなければならなくなったが、初めてなので何から取り掛かれば良いのか分からない」というような状況で、まず何から始めますか? とりあえず調べるとか経験者に聞きに行くなど、まずは下調べからでも始められるならまだ良いほう。どうすればいいか分からず途方に暮れてしまうという人も多いことでしょう。

このように、タスクが大きすぎて困った時にぴったりなのが、サラミ・スライス法です。

まずはゴールを明確にしてから、何をすべきか考える

サラミ・スライス法を提唱しているのは、アメリカのトレーニング・コンサルティング会社、ブライアン・トレーシー・インターナショナルの会長であるブライアン・トレーシー氏。サラミ・スライス法とは、長いサラミを薄くスライスするように、大きなタスクを細かくするというものです。

タスクをスライスする前に、押さえておかなくてはならないことがあります。それは、タスクのゴールを明確にするということ。

トレーシー氏は、大きすぎるタスクを前にしたときになかなかやる気が起きないのは、自分がやろうとしていることが漠然としていて、順序や理由が曖昧のまま、考えを定めることができていないからだと言います。

どのようなことをすれば成功に近づくのか分からないままでは、モチベーションは上がらないということ。目の前のタスクがまるで、到底超えられない壁のように思えてしまうのです。

ですので、与えられたタスクが大きすぎて困難に思えるときでも、まずは、やるべきことのゴールを明確にしましょう。

先ほど挙げた企画立案の例で言えば、どのような企画であれば合格なのか、自分はちゃんと理解できているでしょうか。新しい企画とはいえ、斬新なものが求められているのか、それとも大きな利益を出さなければならないのか、ゴールが違えばやるべきことも変わってきます。

適切なゴールを設定して初めて、それに向かってどのように取り組むかを考え始めることができるのです。これが、大きなタスクに立ち向かう第一歩と言えるでしょう。

furukawa935-ec
60日でTOEIC935点! 受験英語のアセットを活かした、ビジネス英語の "磨き方"
人気記事

とにかくタスクを細かく区切る

ゴールを明確にしたら、タスクを分割(スライス)します。

新しい企画の立案であれば、上手い企画内容を最初から考えようとしなくても良いのです。まず期限を確認しましょう。企画の参加予定人数は何人か、予算はどれぐらいか……というように、1つ1つ細かく分けて、順番に考えていくことが大切です。

最初はタスクが大きく見えて大変に感じられるかもしれません。しかし、分割したそれぞれの小さなタスクであれば、なんだかこなせそうな気がしてきませんか。1つ終わらせることができれば、次の小さなタスクにも取り掛かりやすくなります。

「塵も積もれば山となる」ということわざにもあるように、少しずつであっても完成した小さなタスクが増えていけば、やがて大きなタスクの全てを終わらせることができるでしょう。これが、サラミ・スライス法の意図するところなのです。

salami-slice02

サラミ・スライス法は習慣形成にも応用できる

何事も小さなアクションから始まるというのが、サラミ・スライス法の考え方。ステップを細分化するという意味では、仕事以外にも色々な形で応用することができます。

その一つが習慣形成。例えば、毎日30分のジョギングの習慣をつけたい、と考えている人は、いきなり30分のジョギングに挑むのではなく、まず専用のシューズを履いて外に出ることから始めてみましょう。ジョギングという大きなサラミを、「シューズを履く」という小さなアクションにスライスするのです。

また、スキル習得にも、サラミ・スライス法の考えは役立ちます。英語が得意になりたいけれど、勉強するとなると重い腰が上がらない、という人は、英語に慣れるためにまず簡単な童謡を聴くところから始めてみるのはどうでしょうか。

大きなタスクを細かく区切ると、達成するのに時間がかかるのではないか、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、どうやるべきか分からず悩み続けていると、それこそ時間を無駄にしかねません。まずはゴールを確認し、それに向けてステップを細分化しておくと、ゴールまでの道のり全体が見えています。あとは行動に移すだけとなるので、目標を達成できる可能性も高くなるのです。

***
「Proper Prior Planning Prevents Poor Performance(前もって適切な計画を立てれば、まずい結果にならなくてすむ)」という言葉があります。みなさんも、大きなタスクを計画的にこなせるよう、サラミ・スライス法を試してみてください。

(参考)
ブライアン・トレーシー著,門田美鈴訳(2015),『カエルを食べてしまえ!』,ダイヤモンド社.
株式会社アンカリング・イノベーション|サラミスライス法とは?
nikkei BPnet|第9回「意識」は行動のエネルギー、「思考」は行動の質