いよいよ冬だ。冬にいやなもののひとつに「静電気」がある。
今回はその静電気の防ぎ方について、STUDY HACKERらしく科学的に考えてみたいと思う。

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badge_Columns_100「ビリビリ」=「放電」!静電気はちっちゃな落雷だった

まず確認したいのは、あの「ビリビリ」は放電だということ。

実はこれ、落雷と全く同じメカニズムなのだ。

落雷とは、積乱雲などの中で溜まった電荷(電気の単位のこと)が、その状態を解消しようと一気に地面に流れ込むことを指す。

静電気も同じ。洋服・カーペット・他の人間との接触・摩擦により体に溜まった電荷が、ドアノブという避雷針めがけて一気に放出され、ミニサイズの稲妻が発生、手が痛くなるというわけだ。

冬に静電気が発生しやすいのは湿度が低く、空気が乾燥しているから。

湿度が高い季節には、空気中の水蒸気からじわじわと電荷は逃げていく。だから放電現象は起きにくい。
一方で、冬はその水蒸気が少なく、体中に溜まった電荷はドアノブ以外に逃げ場がない、という状況なのだ。

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10年ぶり英語への挑戦で、TOEIC895点。秘訣は「毎日続けること」への科学的アプローチ
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ここまででわかるのは
「ビリビリ」は逃げ場を失った電荷がドアノブに流れこむ現象
ということだ。

痛い、というのはこの放電が強烈である証拠。静電気の場合、3000ボルトになると痛みを感じ、6000ボルトでは強い痛み、1万ボルト以上になると手全体に強い痛みを感じると言われる。

ハンカチなどで手を覆ってもあまり効果はない。布は電気的な障壁になってくれないので、電荷が貫通してドアノブに行ってしまうからだ。

そもそも放電とは電荷に逃げ場が無いからこそ起こる。
痛みを防ぐためには、ビリビリっとくる前に、電荷の逃げ場を作ってやればよいのだ。

その方法とは、「地面や木材、植物など、電気を通すものにあらかじめ触れておくこと」
ドアノブで急激な放電が起こる前に、あらかじめ電荷をどこかに逃がしてしまえばいいのだ。

金属と同じく、地面や木材、植物も電気を通す。
ただ金属ほど伝導がよくないため、急激に電荷が流入してしまうことはない。じわじわと体内の電荷を逃がしてくれるのだ。だから外で金属に手を触れる習慣があったら、まずは周りの壁やドアを見てみよう。木製・コンクリート製だったならしめたもの。一回タッチするだけで体内の電荷を一掃。あの「ビリビリ」に襲われることはなくなる。

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badge_Columns_100いざとなったら?思い切って触っちゃえ!

ただし、この方法も完全ではない。先ほど地面や木材といったが、ガラスやプラスチックでは逆効果。
人体よりもはるかに帯電しやすいため、電荷を逃がしてはくれないのだ。

あなたは一瞬で判断できるだろうか?
壁が木製なのか、木目を印刷しただけのプラスチック製なのか。
もし木製なら無事電荷は逃げてくれるが、もしそうでなければまたしても「ビリビリ」の餌食だ。

さらに、周りにそんなものが無いことだってあるだろう。完全に電荷を逃がせたか不安な時もあるかもしれない。そんな時はどうするか。

思い切って触ってしまえばいいのだ!
そもそも、ビリビリってなぜあんなに痛いのだろう?
それは「指先があまりに敏感だから」だ。

ヒトは痛点という皮膚にある受容器官で痛みを感じる。痛点の分布は場所によって大きく異なっていて、その中でもダントツで痛点を多く持っているのが「指先」だそうだ。

私たちはわざわざ超〜痛みに敏感な「指先」で電気ショックを食らっていたというわけ。あんなに痛いのも納得できる。

だとすれば防ぐのは簡単だ。電気ショックを受ける場所を変えてやればいい。指先がだめなら、「手のひら」なんてどうだろうか。手のひらには指先ほど痛点が分布していない。つまり痛みに鈍感なのだ。手のひらなら電気ショックを受けても、指先ほどは痛くない。
しかもこの方法、電磁気学的に考えても有効だ。電荷というのは、尖った部分から移動しやすい。避雷針を思い出してもらえばわかりやすいだろう。手のひらでドアノブを触れば、そもそもビリビリが起きにくい。

今度からは必ず、ドアノブを手のひらで一回タッチしてから開けてみてほしい。もしビリっと来てもそんなに痛くないのがすぐ分かるだろう。

***

今度からドアノブに触れる時には、

1、まずはドアの横にある壁にタッチ
2、ドアノブをまわす前に手のひらでドアノブをタッチ

この二つをやってもらえば、もう電気ショックに苦しまなくて済む。


東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福田伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。