多読の時間がなくても大丈夫! 限られた読書時間を有効活用するための3つの“精読術”。

みなさんは、本を読むときにどのような読み方をしていますか?

積読、熟読、乱読、愛読、粗読など、さまざまありますが全く読み方を気にせずに本を読んでいる方は多いのではないでしょうか。数さえ読めれば問題ないと思われるかもしれませんが、ただ文字を追うだけで内容が頭に入っていない、あるいは知識が身に付いていないなら、読んだ意味が全くありません。

そこで今回は、さまざまな読み方がある中で「精読」をオススメする理由とそのコツについてお伝えします。

「成功者はたくさんの本を読む」と言われている。だけど……?

ビジネスの世界で成功している人に共通する特徴の1つとして、多くの本を読んでいる“多読”であることが挙げられます。30歳代で年収が3000万円を超えているビジネスパーソンは月に平均3冊の本を読んでいるというデータもあるほど。著名人では、マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏やソフトバンクグループ創業者の孫正義氏などが読書家としてよく知られていますよね。

しかし、彼らを真似ていざ実行に移そうとしても、仕事や学業が忙しいなどといった理由で本をたくさん読むのが難しいと感じることはありませんか?

心配はいりません。たくさんは読めなくとも、実りある読書にするための方法があるのです。

目指すは“意味のある精読”

多くの本を読む時間がない方、あるいはどういった読み方をすれば良いのか分からない方にオススメしたい本の読み方が「精読」です。「精読」とは、簡単に説明すると「1冊の本を丁寧に読み進めること」を指します。

また、京都学派の哲学者であった三木清氏は「精読」について、次のように述べています。

「よく理解するためには精読しなければならないのであって、精読は古来つねに読書の規則とされている。よく理解するためには全体を知っていなければならず、すべての部分は全体に関係づけられ、全体から理解されることによって、初めて真に理解されるのであり、そのためには繰り返し読むことが必要である。」

(引用元:青空文庫|三木清 如何に読書すべきか

もちろん、たくさんの本を繰り返し読むことができればベストであるのは言うまでもありません。しかし、読書時間を十分に取ることが難しい場合、本の内容を自身の血肉とするためには、たくさんの本をサラッと流し読みするより、たとえ少ない数の本であっても深く読み込むことの方が重要なのです。書籍代を無駄にすることもなくなりますね。

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精読の仕方

では、どうすれば私たちは「精読」を身に付けることができるのでしょうか。具体的な方法をご紹介したいと思います。

1. 繰り返し読む 先ほどもお伝えしたように、本を繰り返し読むことは精読の基本です。初めて読むときと2回目、3回目に読むのとでは受け取る印象などが異なってくるでしょう。前回は読み落としていた部分に気づけるかもしれませんし、また内容について以前とは正反対の意見を持つようになることがあるかもしれません。

1度読んだらしばらく日をおいてから再度目を通したり、全体を通し読みしてから気になった章を何度も読んで突き詰めたりしてみてはいかがでしょうか。その際、一緒に内容の要約をしたり図やイラストで内容を整理すると理解が深まるでしょう。

2.「考える時間」と「実行する時間」を設定する 公認会計士の午堂登紀雄氏によると、読んだ本の内容について自分ならどうするか、読んだ時間の5倍考え、さらに10倍の時間をかけて実行するべきであるのだそう。そうすることで、読書が効果的な自己投資につながると言います。

例えば、ビジネス書を1冊読んだとしましょう。一通り読み終えることができたとしても、その本を本当に理解しているかどうかはまた別の話。もし「挨拶は積極的にしよう」と本に書いてあるなら、「声量はどのくらいにすれば良いか」、「どれくらいの距離まで相手に近づいて挨拶をするべきなのか」など、一度自分で考えてみてください。そして、考えたことを実行に移し、検証してみましょう。

新たに時間を作る必要はありません。考える作業は通勤、通学中にでもできます。検証作業にいたっては仕事現場で行うことができます。本を読んで得た知識だけでなく自分の体験も踏まえることで、1冊の本における費用対効果が多読を行う場合よりもさらに高くなるのです。

3. 人と議論する 読んだ本の内容について、家族や友人と話をするのも理解を深める良い方法です。読む人が変われば、読んだ内容に対する感想や意見もそれぞれ異なってきます。相手と異なるから解釈が間違っているという訳ではありません。なぜ解釈に違いが生まれるのかを議論してみてください。

言語化を行い、自分の思考を整理しておくと、繰り返し読む際に議論した点を注意深く考えるようになります。そうすれば、たった1冊の本からでも多くのものを得ることができるでしょう。

精読によって読書の時間がきっと充実したものになるはずです。

(参考) ブックオフオンライン|読んだ本を本当に理解していますか? 「精読」のススメとその方法 nikkeiBPnet|読書スタイルは…多読より精読 DIAMOND online|“効率的な読書術”を、古今の読書人に学ぶ

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