自信がないとうまくいかない! 成功の大敵『セルフハンディキャッピング』に打ち勝つ方法。

sad bored young woman using laptop sitting at table

やるべきことを先延ばしにしてしまうことは、きっと誰にでもあるはずだ。

テスト前、急に部屋の掃除を初めてしまう、漫画を読み始めてしまう。 プレゼン資料の作成を直前まで始められない。

耳が痛い人も多いのでは? 実はこれらの行動、「サボっちゃう」というよりも「自信がない」のが理由だったのだ。

わかるようでいてわからない、自分の気持ち。今日は心理学を絡めたお話だ。

badge_columns_1001711自分で自分の首を締める?セルフハンディキャッピングとは

セルフ・ハンディキャッピングという言葉をご存知だろうか。 これは心理学者エドワード・E・ジョーンズにより提唱された概念だ。

正確には、自分が高い評価を受けられるか自信がない場合、課題遂行を妨害するハンディキャップがあることを他者に主張したり、自らハンディキャップを作り出すことを言う。(参考:伊藤忠弘. "セルフ・ハンディキャッピングの研究動向." (1992).)

「あー、昨日全然寝てねーよ」「昨日部屋の掃除しちゃってさぁ」とテスト直前にやたら主張してくる友人、あなたの周りにもいたはずだ。まさにそれがセルフ・ハンディキャッピング。

「成功できるかわからないから、わざと自分が不利だとアピールしておく」「不利な状況をつくっておいて、自分の自信のなさを正当化する」

当然、本人はそのことに気づいてはいない。自分に自信がない、と無意識下で思っているからこそ、そんな行動に出てしまうのだ。

もし失敗しても、不利な状況だったから仕方ない。 でももし成功できたら、不利な状況に打ち勝った自分、すげー!

テスト前の部屋掃除は、そんな弱気な自分が起こしている行動だったのだ。

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badge_columns_1001711「自信がある」フリをする

サボり癖のせいではない…つまり、セルフハンディキャッピングによる行動は真面目な人でも、誰でも起こしうるものなのだ。

そんなセルフハンディキャッピングに打ち勝つ方法。

まずは、「自信をつける」という方法があげられるだろう。 もし自信がつけば、まず自己の評価が低くなるかもしれない、という不安が小さくなる。そうすれば、低い評価を回避するための行動も起こさなくなる、という寸法だ。

そんなこと言われても…自信なんて簡単につかないでしょ……。

その通り。しかし自信をつけるのは難しくても、自信があると脳をダマすのは簡単だ。

有名な実験がある。箸を咥える際、横に加えた方が縦に咥えるよりも脳内でドーパミン(快楽に関係する神経伝達物質)が多く分泌されたというのだ。(参考:PRESIDENT Online|「自信のあるフリ」をするだけで、本当に力がみなぎる方法とは

信じられないかもしれないが、これ「口を横に広げたせいで、笑顔を作っていると脳がダマされたから」なんだそう。うつ病の患者に無理に笑顔を作らせる、という治療法があると聞く。

脳が体の動きにダマされる。結構見られる現象らしい。 これを応用してやろう。自信をつけたいなら、自信満々なポーズをとってやればいいのだ。

社会学者であるエイミー・カディ氏はTEDのプレゼンにおいて、自信ありげに見える「力のポーズ」を提案している。それがこれ。

1. 両肩幅に開いた手を机に置き、肩も足も開いて立つ。 2. 腰に手を当てて肩を開き、足も開く 3. 体をそらせ気味にし、頭の後ろに手を組み、両肘を開く。 4. 両足を開いて反り返り気味に座り、手も横の椅子に置くなどして開く

(引用:PRESIDENT Online|「自信のあるフリ」をするだけで、本当に力がみなぎる方法とは

何かを先延ばしにしてしまいそうな時、「あ、セルフハンディキャッピングをしようとしてるな」と気づいてほしい。そして、「力のポーズ」をとる。きっと自信がみなぎってくるはずだ。

badge_columns_1001711誰かに宣言する

先延ばしを防ぎ、セルフハンディキャッピングを予防する。そのために有効な方法として、もうひとつ、他人に自分のすることをアピールしてしまう、というものがある。

自信がない。だから先延ばしにして言い訳にする。ならば、先延ばしできない状況を無理やりにでも作ってしまえばいいのだ。

相当意思が強い人なら、それも可能かもしれない。

しかし、意思の弱い人は? 三日坊主が得意技。英語の勉強もランニングも続いた試しがないよ、という人は?

それなら簡単、他人の力を借りてしまおう。友人でもいい、母親でもいい。誰かに向かって、「俺は◯◯を達成する」と宣言してしまうのだ。

そうすれば、もう言い訳はできない。先延ばしにしたからといって、「いや、でもアイツに宣言しちゃったからな…」という一種の後悔が頭をよぎるはずだ。

何がなんでもやらなければいけない。そういう状況を作り出すのだ。

***

何かを先延ばしにしがちな人は、まず意識から改める必要がある。 それはサボり癖ではなく、自信の無さが原因なのだ。

言い訳を作ったところで、所詮それは負け犬の遠吠えにすぎない。同じ失敗をするなら、汗水垂らして頑張った人の方が、ずっとかっこいいじゃないか。

参考 伊藤忠弘. "セルフ・ハンディキャッピングの研究動向." (1992). PRESIDENT Online|「自信のあるフリ」をするだけで、本当に力がみなぎる方法とは 

東京大学理科二類所属。県立浦和高等学校および駿台予備校出身。小さいころから自然や生き物に関心を持ち、高校時代に読んだ福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」に刺激をうけ、分子生物学を志す。テニス歴6年。AKB48の大ファン。

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