ゆくゆくは会社で出世したいけれど、具体的にどうするべきかわからない。そんな悩みを持つビジネスパーソンは多いと思います。本を読もうとしても、ビジネス本やハウツー本がたくさんありすぎて、どれを選ぶか迷ってしまいますよね。

それならば、いっそ歴史に学んでみてはいかがでしょう? 今よりも厳しい戦国の時代、自分の才覚で成り上がった偉人にこそ学べることがあるのではないでしょうか。今回は、現代で出世する方法を知るために、戦国武将の出世の秘訣を学びましょう。

戦国武将に出世術を学ぶ意味

そもそも、なぜ現代の有名な経営者や成功者ではなく、戦国武将から出世の方法を学ぶのでしょうか。その理由は、現代のビジネス環境が戦国時代の武将の労働環境に似ているからです。ここでは、2つの共通点をご紹介します。

1. 手柄をあげるチャンスが増えた
戦国時代は多くの合戦があり、手柄をあげる機会が多くありました。武功を立てて出世するチャンスが辺り一面に転がっていて、誰でも掴み取ることができたのです。

そして現代では、年功序列制が崩れ始め、ベンチャー企業を中心に若いうちからプロジェクトを任される機会が増えています。大企業でも、新規事業を社内募集していることがあり、採用されれば若手であっても舵を取って進めることができるようです。年齢やコネに縛られず、自分の能力で成果を出すためにチャレンジできる環境が整い始めています。

2. 転職が一般的である
戦国時代も現代も、ひとつの大名や会社に一生を預けるわけではありません。主従関係でいえば織田信長と豊臣秀吉が有名ですが、実は豊臣秀吉は織田信長に仕える前に一度、別の大名に士官していました。戦国時代は「出仕する(勤めにつく)家を選べる自由」が比較的あり、出世のために自分が納得いく主君を探すことが可能だったのです。

現代でも終身雇用制度は多くの企業で既に崩壊しているといわれており、実際にSHARPやベネッセコーポレーションといった大企業においてさえも、早期退職・希望退職の募集が行われたことがあります。また転職人口も年々増加しており、2013年の時点で30代前半のビジネスパーソンの約6割が転職経験があるようです。従来「転職限界年齢」といわれていた35歳以上でも、現場感覚やチャレンジ精神を持って転職する人が増えています。

つまり今も戦国時代も、身分や出自に関係なく自分の能力で「手柄をあげるチャンス」を掴もうと、人材が激しく流動する社会なのです。

以上のポイントにおいて、現代のビジネスパーソンと戦国時代の武将に共通点があるとわかりますね。では、そんな現代と似ている戦国時代に成り上がった人物を探ることで、出世のヒントを見つけていきましょう。

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豊臣秀吉が出世できた理由は「調略」

出世で有名な戦国武将といえば、豊臣秀吉ですよね。「半農の下級武士」という低い身分から、最終的には「天下人」まで上り詰めました。

そんな秀吉の出世の秘訣は「調略」の力。直接戦うのではなく、敵の内部分裂を誘い、味方の数を増やすことで秀吉は多くの戦いに勝利してきました。

例えば本能寺の変。秀吉の主君であった織田信長が明智光秀に討たれた後、すぐさま秀吉は交戦中の毛利と和平を結びます。そして京都に向かう道中で、敵側と思われた人物を次々と味方に引き入れていきました。

この素早い調略によって光秀は、自分に味方してくれるはずだと期待していた者たちが中立の立場になってしまったために援軍に来なかったり、逆に敵に回ってしまったりして、苦境に追い込まれます。結果、秀吉が数で上回り、山崎の戦いで光秀は敗北しました。この戦いで光秀を討ち取った秀吉は、信長の後継者として存在感を強め、天下人に近づいたのです。

つまり、自信の勇猛さや武力で戦いに勝つのではなく、頭を使って人を動かし味方につけ、勝てる状況を作り出す。それこそが秀吉の出世の秘訣なのです。

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「調略」を仕事に取り入れる方法

では秀吉の「個の能力で勝負するのではなく、勝つために必要な人を味方につける」という調略を現代で活かすには、どうすればよいでしょうか。2つのコツをご紹介します。

1. 同僚を味方につける
何か大きな仕事をこなす際には、チームとして勝つために必要な人材を用意しましょう。あるいはチームでなくとも、仕事を手伝ってくれる同僚でも構いません。

例えばプロジェクトを任されたなら、他のチームに取られる前に優秀な人材に声をかけましょう。仕事はなにも自分ですべてをこなさなければいけないわけではありません。必要なスキルを持つメンバーを集めることで、自分が得意なことだけに取り組める環境を作るのです。データ処理や企画書作りが苦手ならば、お礼をする代わりに仕事を手伝ってもらう、代わってもらうことも考えられますね。同僚の能力やスキルを把握し、必要に応じてチームに加わってもらえば良いのです。そのためにも、日々の同僚とのコミュニケーションは欠かさないようにしましょう。

2. キーマンを味方につける
味方につけるのは同僚だけではありません。時には上司や取引先と親しくなり、根回しをすることで、自分の意見が通りやすくなる環境を作りましょう。例えば事前に上司に会議で提案する内容を話してフィードバックをもらっておく、営業ならば取引先の決裁権を持つ人物とよく話をすることで相手の本心を聞き出し、効率的にニーズを満たして契約成功率を高める、といったことです。

誰を味方につければ商談や打ち合わせがスムーズに進むかを常に考えておくことも、現代の「調略」といえます。社内外のネットワークを駆使して、自分の仕事からムダな時間を省きましょう。

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戦国時代と現代、一見異なるようで実は働く環境は似ていると思いませんか? そんな中で天下人になった優秀なビジネスパーソンである秀吉の姿勢は、きっと出世のヒントになるはずです。「調略」の力を、ぜひ仕事に活かしてみてください!

(参考)
鈴木博毅著(2016),『戦略は歴史から学べ』,ダイヤモンド社.
東洋経済オンライン|豊臣秀吉は「ズバ抜けて出世する人」の典型だ
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